米ドル/円は2018年も引き続き難しい相場に なる?ユーロはECB政策に最大限注意を!
2017-12-27
2017年年内の重要イベントは、ほとんど終了しているので、驚くような大きなニュースがなければ、今年のマーケットも終わりを迎えるばかり、といった状況だ。
振り返ってみて、2017年のマーケット(外国為替相場)は、非常にやり難い相場だった、と考えている。
たとえば、米ドル/円を考えてみよう。
今年(2017年)の高値は、年初(2017年1月)に付けた118円台であり、安値は9月に付けた107円台だった。
その値幅はわずか11円であり、その11円の範囲内で上下動を繰り返しただけにすぎない相場だった、と言える。
米ドル/円 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
特に、今年(2017年)の3月以降の米ドル/円は、高値114円台、安値107円台のさらに狭いレンジ内で、上下動を繰り返している。
値幅が狭ければ、それだけ狙える利益も少なくなるのは当然で、つまり、2017年は利益を上げにくい相場だった、ということだ。
本コラムを執筆時(12月27日東京時間午後)の米ドル/円の水準を見ても、当然のことながら、上記の範囲内で小動きに推移しているわけだ。
■米ドル/円は2018年も当面、難しい相場になりそう 来年(2018年)の相場が、「引き続き、やり難い相場になるのか?」「それとも、やり易い相場になるのか?」を考えてみても、今のところ、気分の良い答えは導けそうにない。
正直なところ、「当面のところ、引き続き、やり難い相場になるのだろう」と考えている。
マーケット(相場)が活況になるには、ある程度のボラティリティ(変動性)が必要なのだが、上述の「高値114円台、安値107円台のさらに狭いレンジ」をまずはブレイクしないと、ボラティリティは上がらないだろう、と考えるからだ。
本コラム執筆時(12月27日東京時間午後)の米ドル/円の水準は、高値114円台に近い水準だが、仮に、114円台ミドルの高値を更新して、115円台に乗せるとしても、劇的にボラティリティが高まる結果にはならないだろう、と考えている。
そう考えると、来年(2018年)の年初の相場も、難しそうだ、という結論になる。
あえて、「来年(2018年)の年初の相場」としたのは、「来年(2018年)の1年間の相場」が活況になることに期待を込めて、そのように表現している。
■2017年のユーロ/米ドルは上昇トレンドだった 次に、ユーロ/米ドルを振り返ってみよう。
大局で俯瞰すると、2014年から2015年にかけて、ユーロ/米ドルは、高値1.4000ドル近辺から、安値1.0500ドル近辺に、大きく急落した。この期間は、明白なダウン・トレンド(下落トレンド)だった、と断定できる。
その後の2015年から2017年の現在に至るまで、高値1.2100ドル近辺、安値1.0350ドル近辺のゾーンで、大きなボックス相場を作っている。
特に、今年(2017年)の1年間に注目するならば、安値1.0350ドル近辺から、高値1.2100ドル近辺へ、単純に上昇した1年、と言える。
ユーロ/米ドル 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
つまり、別の言い方をするならば、今年(2017年)の1年間は、その結果を振り返るならば、アップ・トレンド(上昇トレンド)だった、と言える。
今年(2017年)のユーロ/米ドル相場が難しかった理由は、2014年から2015年にかけてのダウン・トレンド傾向が、現在(2017年)も持続している、といった思惑があったからだ、と考えている。
上述の思惑が、今年(2017年)1年間のアップ・トレンド(上昇トレンド)に気が付くことを遅らせた原因と考える。
■ユーロ/米ドルは2018年も上昇トレンドが維持されるだろう 来年(2018年)のユーロ/米ドルに関しては、今年(2017年)1年間のアップ・トレンド(上昇トレンド)が、維持されるだろう、と考えている。
今年(2017年)の秋以降は、ECB(欧州中央銀行)が「テーパリング(金融緩和策からの出口戦略)」に向かう、と見る向きが多数派だったのだが、ドラギECB総裁は、テーパリングではない、と否定的なコメントを発している。
しかし、ドラギECB総裁の発言は、マーケットの思惑が一方に偏りすぎないように配慮したのではないか、とも考えられる。
2018年のECBの金融政策に、最大限の注意を払いたい、と考える。来年(2018年)のECBの金融政策が、結局は、テーパリングに向かうだろう、と考えるからだ。
■ユーロ/円の2018年は緩やかな上昇傾向持続? ユーロ/円についても、簡単に述べておこう。
すでに述べたとおりに、来年(2018年)の米ドル/円は大きく動かない、来年(2018年)のユーロ/米ドルは上昇傾向が持続する、と考えている。
ユーロ/円は、米ドル/円とユーロ/米ドルを掛け算することで裁定されるのだから、来年(2018年)のユーロ/円は、緩やかな上昇傾向が持続する、と考える。
ユーロ/円 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 週足)
2017年年末の時点で、考えられること(=想定できること)は、非常に限定的であり、来年(2018年)が始まれば、思いつきもしなかった出来事が、また多数起こるのだろう、と考えている。
その都度、実際のマーケットにしがみついて、自らに修正を加える必要があるのだろう、と覚悟している。
(2017年12月27日 東京時間13:00記述)