米ドル/円115円近辺には、何があるのか!? 3月米FOMCで利上げ実施でも冷静な対応を

■「強い米ドル」か? 「短期的な米ドル高牽制」か? 為替市場の動きは、非常に鈍い状況が続いています。
 以前にも当コラムで説明しましたが、米国の経済済状況を考えれば、もっと米ドル高になってもおかしくないのですが、やはりトランプ政権の為替政策が、「強い米ドル」を志向していくのか、または通商問題に焦点を置いて「短期的な米ドル高牽制」を強めていくのか、まだよくわからないということが、米ドルの重しとなっているのだと考えられます。
【参考記事】
●米国追加利上げ可能性がググっと高まる! なのに、米ドルを買いきれないのはなぜ?(3月2日、今井雅人)
●利上げ期待高まって上昇した米ドル/円。けれど、115円手前で失速した理由とは?(2月16日、今井雅人)
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
■市場の注目は、3月FOMCでの利上げの有無 そうした環境下ですので、なかなか大きな動きを期待しづらいのですが、それでも、米国の利上げがいつあるのか?という点には、市場の注目がはっきりと集まってきています。
 具体的に言えば、来週の3月14日(火)-15日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されますが、そこで利上げがあるかどうかということが焦点となっているのです。
 イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、3月3日(金)の講演で、「直近の経済指標が良ければ、3月利上げはあり得る」というニュアンスの発言をしています。
 そうなると、明日3月10日(金)の米雇用統計2月分の結果が非常に重要になってきます。
■期待が高まる米雇用統計! 好結果なら3月利上げは確実か 3月8日(水)に発表された、民間会社が調査している米ADP全国雇用者数2月分は前月比29.8万人増加と、市場予想の18.9万人を上回る結果となりました。これは、2014年4月以来の大幅な増加です。
 これで、3月10日(金)の米雇用統計の数字も、良いものが出てくるのではないか?という期待が高まっています。
米ADP全国雇用者数の推移(出所:Bloomberg)
 ちなみに、3月10日(金)の米雇用統計2月分は、現時点では失業率が4.7%、非農業部門就業者数が前月比20.0万人の増加という予想です。予想どおり、あるいは予想を上回る結果となった場合、3月の利上げはほぼ確実になってくると思います。
 個人的には強い数字が出ることを期待していて、3月15日(水)には利上げが実施されると考えています。FF金利先物(※)から算出される3月FOMCでの利上げ確率も、とうとう100%となりました。
(※編集部注:「FF金利先物」とは、米国の政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利を参照するデリバティブ商品。米国の金融政策に関する市場見通しの参考指標とされる)
※Bloombergのデータより、ザイFX!編集部が作成
 しかし、もしそうであったとしても…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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