コロナバブルが当面、弾けない理由とは? ドル/円・クロス円は反動狙ってエントリー

■とどまるところを知らない株価上昇 前回のコラムで、経済は復活せずとも、上がり続ける株式市場の話をしました。
 正直、先週(5月25日~)の段階で、そうした流れもそろそろ、いったん息切れするのではないかと考えていましたが、勢いはまだまだ、とどまるところを知らず、昨日(6月3日)、今日(6月4日)の段階でも、まだ上がり続けています。
 ここまで力が持続するというのは、予想外でした。
【参考記事】
●日経平均の上昇は、そろそろ9合目! 「株高・円安」の相関は戻りつつあるか(5月28日、今井雅人)
日経平均 日足(出所:Trading View)
NYダウ 日足(出所:Trading View)
■お金が余って世界中で「コロナバブル」状態に どうして、ここまで強いのでしょうか? とても簡単に言ってしまえば、結局、それだけ世界中にお金が余っているということでしょう。
 考えてみれば、各国の政府は、財政の健全化などお構いなしに巨額の財政出動をしてきました。それに合わせて、各国の中央銀行も大量の量的緩和をして、市場にお金をばらまいています。
 政府と中央銀行が、これだけお金をばらまけば、お金が有り余るのは当たり前です。それが、行き場がなく、株式市場などに流れ込んでいるということです。
 それに加えて、各国の中央銀行は、直接、株式市場にもお金を入れています。
 例えば、日銀は日本株のETF(上場投資信託)の購入金額を増額し、とうとう最大の日本株式保有機関となっています。今は、世界中でまさに「コロナバブル」状態にあるということです。
日銀のETF保有総額(時価)は、2020年3月末時点で31兆円を超えている。写真は日銀の黒田東彦総裁 (C)Bloomberg/Getty Images
■実質的にMMT(現代貨幣理論)の社会実験中 では、このバブルが弾けることはないのか? それは誰にもわかりませんが、少なくとも当面の間は、このバブルが弾けることはないでしょう。
 なぜなら今、世界中で実質的な「MMT(現代貨幣理論)」の社会実験をしているからです。
 「MMT」というのは、とても簡単に言えば、自国通貨で借金ができる国は、どれだけ借金をしても中央銀行がお金を刷って埋めてしまえば問題ないという、ちょっと今までの常識ではあり得ないようなことを言っている理論です。
 この理論には、そんなバラ色な話があるか! と否定する意見が非常に多かったのですが、今回のコロナ対策で、世界各国は大量の財政出動をして、景気を支えるということをしています。
 これは、実質的に「MMT」を実践しているということになります。
 そして、一度、これに手を染めてしまったからには、次なる危機がやってきそうになれば、また、さらなる「バラマキ」をすることになります。そうでなければ、これまでやってきたことが無駄になってしまうかもしれないからです。
 そうなると、金融市場が崩れそうになれば、また、お金をばらまかざるを得ません。だから、コロナが収束するまでは、相場は崩れないという、逆説的な結論になります。
 ところで、先週(5月25日~)から今週(6月1日~)にかけては…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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