プットプション買い 暴落相場をリスク限定で攻める有効な一手

大きな下げが到来するかもしれないと思いながらも売りポジションをいれるのを躊躇してしまうときってありますよね。そういう時にリスク限定で攻められるのがプットオプション買いです。「下げ相場で利益・上げ相場で損失」というポジションで、「損失限定・利益上限なし」という特長をもっています。これがいかなるものか、どう使っていくのかについて、このページではまとめています。大きな下げ相場では、力を発揮してくれます。プットオプション買い 注文画面の見方プットオプション買いは、下げ相場を深く追いかけていくときに適しています。参考記事:プットオプション買いついての概略 注文画面全体画像プットオプション買い部分拡大画像薄赤色部分で注文を出すと、以下のポジションが発生します。ポジション作成時点の米ドル円値は、108.476円権利行使日:2020年1月8日権利行使価格:108.00円プレミアム :0.786プレミアム代金:0.786×10万通貨=78,600円損益分岐点:108.00ー0.786=107.214「買い」ですので、ポジションを作成したときにプレミアム代金を払います。この場合、ポジション作成時に78,600円支払です。このポジションを元に、プットオプション買いの全体像をみていきましょうプットオプション買いの全体像このポジションの主なポイントを列挙して、そのあとで説明という流れでまいります。「買い」なので「損失限定・利益限定なし」となる。米ドル円下落なら利益・上昇なら損失となるポジション必要となる資金は、プレミアム代金78,600円のみ(この金額が最大損失)満期日に108.00円以下であれば決済(清算)時に利益仕掛け時のプレミアム支払による損失+決済時の利益と合計して最終損益確定損益分岐点の107.214円よりも下落すれば最終損失確定プットオプション買いは、「損失限定・利益限定なし」という性質を持ちます。「下げれば利益・上がれば損失」となるため、FXポジションの「米ドル円売りポジション」と利害を同じくするポジションです。この売買に必要となる資金は、ポジション作成時に払うプレミアム代金78,600円のみです。本来米ドル円10万通貨売りポジションは、必要証拠金だけで40~50万円必要です。値動きを考慮すれば100~300万円くらいは資金を用意して売買に挑むことが多いです。それが、ポジション作成後の最悪のケースを想定したとしても、78,600円で十分なのです。なぜなら、相場が大きく動いてもこれ以上の損失はでないからです。一方、大きく下げたときの利益は限定されていません。今回のケースでは、権利行使価格が108円のプットオプションですので、満期日(権利行使日)に108円よりも下がるとその分だけ利益になります。ただ、最初に支払っているプレミアム代金を回収しないと利益にならないので、最終利益になるかどうかの計算式はこんな感じになります。最終損益計算式=プレミアム支払+満期日のプレミアム受取最終的に利益になるかどうかは、最初に払ったプレミアム支払分も合算して最終損益を計算します。最終損益がプラスとなるラインが損益分岐点で、このポジションでは107.214円となっています。以上の状況から、特長をまとめておきましょう。プットオプション買い 損益の特長利益が出るまでは、相応の値動きが必要になる。ただし、損失はプレミアム代金に限定される大きく下落すれば利益が大きく取れる。変動幅が大きい下げ相場に向くポジションポジションを作ったときの米ドル円値が108.476円です。最終的に利益となる損益分岐点が107.214円ですので、利益が出るまで1.262円動かないといけないことになります。結構な値動きですよね。仕掛け方にもよるのですが、「プットオプション買い」では利益となるまでに相応の値動きが必要になることが多いです。損失が限定されているのは、大きなメリットです。大きな損失を出さずに攻めていけます。下げ幅が大きくなれば利益は大きくなるので、変動幅が大きい下げ相場に向くポジションといえます。利益が大きく出るパターン大きく下がると、どれくらいの利益が出るのか試算してみましょう。今回のポジションで満期日に米ドル円が95円まで落ちたと仮定した場合の損益計算です。米ドル円95円時の収支計算ポジション作成時のプレミアム支払 78,600円下落幅:権利行使価格108.00円ー95円=13.000円満期日の受取額:13.476円×10万通貨=1,300,000円最終損益:1,300,000円ー78,600円=1,221,400円大きく下げれば、FXポジション並みの利益になります。上げ相場となれば損失になってしまいますが、それでも最大損失は78,600円で済みます。暴落相場などで、プットオプション買いを仕掛けられたら最高ですよね。この計算式は、行使方法を「キャッシュ」にした場合の利益額です。FXオプションでは、行使方法が2種類あることは先日書かせていただきました。参考記事:「スポット」「キャッシュ」の違い 行使方法を「スポット」にしておくと、含み益を抱えたままFXポジションに変換されます。満期日以降も攻め続けることも可能当然のことではありますが、満期日が都合よく大底になることはまずありません。下げの勢いが強いと感じているのであれば、満期日以降もFXの売りポジションで攻め続けるという戦略も有効です。先程の満期日95円の収支計算をしましたが、そのまま含み益付き米ドル円売りポジションとして更に下値を追いかけることもFXオプションでは可能になっています。満期日以降もFX売りポジションで追いかけるつもりであれば、プットオプション買いポジションの行使方法を「スポット」としておきます。2019年12月現在のサクソバンク証券ルールではポジション作成時点の行使方法は「スポット」とされています。行使方法の変更は、権利行使日の前日までであればいつでも何度でもできます。ちなみに、満期日時点では「キャッシュ」でも「スポット」でも損益額に有利不利はありません。「スポット」は、含み益のままFXポジションに引き継ぐ。「キャッシュ」は、利益発生になる。「その時点で利益になるかどうか」「FXポジションになるかどうか」が違います。「FXオプションからのスワップ投資」での使い方この運用法での、「プットオプション買い」活用方針です。下げ相場の兆しを狙っていく。プットオプション買いは単独で使うプットオプション買いは、利益を出しにくいところがあるので、無暗には使いません。狙うのは、「大きな下げ相場の兆しがでたとき」です。テクニカル指標などで、大きな下げ相場が到来しそうなときにプットオプションを仕掛けるルールとしています。このポジションは、FXの買いポジション保有数量は気にせずに使っていきます。コールオプション売りなどは、「FX買いポジション保有の範囲内」で使うのですが、プットオプション買いは考慮しないでいくということです。この辺は、この連載の「売買ルール編」でご説明していきます。

参照元:お気楽FX 相場生活入門編

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