■米ドル/円は日足で5円幅のボックス相場を形成していた 今回は、米ドル/円の分析を行なう。まず、日足チャートをご覧いただきたい。
米ドル/円は、「赤の破線(細線)」で示したように、約5円幅のボックス相場を形成していたが、ボックス相場「赤の破線(細線)」の上限(105円台ミドル)を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
米ドル/円は、2013年12月に、高値105円台ミドルをつけて、それ以降、105円台ミドルがレジスタンス(上値抵抗)になっていた。
下値は、100円台後半が底堅く推移したので、その結果、日足チャートに表示したように、約5円幅のボックス相場「赤の破線」を形成した。
このボックス相場「赤の破線(細線)」の上限(105円台ミドル)を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。米ドル/円は、105円台で発せられた「買いシグナル」に従い、110円台に急上昇した。
「下値100円台ミドル-上値105円台ミドルの約5円幅のボックス相場」(赤の破線)を基準に、ボックス相場のセオリーで考えると、その上値のターゲットは110円台ミドル程度になる。
米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
105円台から110円台に乗せたことで、ターゲットを達成した、と考える。
そして、米ドル/円は、110円台から105円台にまで急落し、その後、反転した。
そして、日足チャートに表示したように、「紫の破線」で示したボックス相場を形成していた、と考える。
つまり、105円台から110円台程度で保ち合いが続けば、「時間的な調整」の可能性がある、と考えたわけだ。
■2014年10月31日の日銀の追加緩和で急上昇 こういった状況だったが、2014年10月31日(金)に発表された予想外の「日銀の追加緩和策」を材料に、ボックス相場「紫の破線」の上限(110円台前半)を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
米ドル/円 日足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
この「買いシグナル」で、「調整局面」の終了が確認された、と考える。
105円台から110円台程度での保ち合いが短時間で終わったので、「時間的な調整」ではなく、「値幅での調整」である可能性が高くなった。
セオリーでは、ボックス相場を上抜けする場合、ボックス相場の上限から、そのボックスの値幅分上昇したところがターゲットになる。
このボックス相場「紫の破線」の値幅は約5円だから、115円台前半程度がターゲットになる。
日足チャートを見てのとおりに、早々にターゲットを達成した、と考える。
米ドル/円が急騰した際には、「窓(Gap)」を空けて上昇している。この「窓(Gap)」は、「買いシグナル」だ。112.50円近辺のこの「窓(Gap)」は、「窓埋め」をしていないが、今後のチャート・ポイントになると考える。
115円台前半程度のターゲット達成後も、米ドル/円は急上昇を続けて、今のところ、121円台後半の高値をつけている(この時点での高値は、121.80-85円水準)。
121円台後半の高値をつけてからは、上昇のスピードが激しかったので、その調整局面に入った、と考える。
121円台後半から115円台に急落し、そして、115円台からは120円台に急上昇している。
■2015年5月下旬まで約6円幅のボックス相場を形成していた 米ドル/円は、「緑の破線」で表示した約6円幅のボックス相場を形成した、と考える。
米ドル/円 日足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
3月10日(火)の値動きで、従来の高値である121.85円を上に抜けて、高値122.00-05円水準をつけた。
しかし、明確に122.00円を上に抜けていないので(=高値を更新したのに、跳ね上がらなかったので)、この時点ではボックス相場「緑の破線」が維持されていた、と考える。
この時点で俯瞰すると米ドル/円の上昇は、サポート・ライン(1)「青の破線」に従っていた、と考える。
このサポート・ライン「青の破線」(1)を割り込み、「売りシグナル」を発して118円台前半にまで下落した。
この下落の原因は、「3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の発表とイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言で、米国の利上げが、6月ではなく、9月以降になりそうだ、と多くの市場参加者が判断したこと」だと考える。
つまり、米国の利上げに対する期待が先延ばしされたことを材料に、「米ドル売り・円買い」になった、と考える。
しかし、118円台前半からは…