2月3日の米雇用統計で米ドルは反発!? クロス円の動向に相場の大きなヒントあり
2017-02-03
米ドルVS世界の通貨 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
NYダウ 1時間足(出所:Bloomberg)
今さらトランプ政権の政策に驚くのは、自らの愚かさを証明するようなものだと思う。
なにしろ、トランプ氏は最初から諸政策を主張し、今「有言実行」しているだけだ。筆者自身はトランプ氏に好感を持たず、また、トランプ政権の保守主義に失望するが、トランプ氏の「有言実行」の姿勢、政治家として近年稀な存在だから、憎めないと思う。
選挙前の公約を守るどころか、当選後に公約を完全に裏切る前例が、内外を問わずあまりにも多かっただけに、トランプ氏の公約を守る姿勢、また、強い反対があっても推進していく姿勢には、ある意味、「敬意」を払わざるを得ない。
したがって、7ヵ国の難民入国禁止にしても、日欧の為替政策への露骨な批判にしても、トランプ氏が選挙前から主張してきた話からすれば、まったく違和感がなく、当然の成り行きとさえ思える。
■トランプラリーの反動、この程度なら容認範囲 今さら驚かされるような解釈をしている方々は、トランプ氏の主張をきちんと理解していたかどうかを疑われる上に、政治家とは「有言不実行」の方が常識だ、と言いたがっているのでは…と思われる。
だから、トランプ氏を最初から批判しているならば問題ないが、トランプ氏の当選をまったく予想できなかった上、ただ、「トランプ・ラリー」に便乗し、それをもって一転してトランプ氏礼賛に回った人々の愚痴は、今さら聞く必要はまったくないといえる。
「有言不実行」の政治家が多いなか、トランプ氏は「有言実行」の普通のことをしているだけか
(C) Chip Somodevilla
つまるところ、「トランプ・ラリー」をトランプ氏の功績と礼賛し、足元の「トランプ・プルバック(PULLBACK)」をトランプ氏のせいにするのは、一部市場関係者のエゴにすぎない。
トランプ氏はまったく変わっておらず、変わったのは一部市場関係者の勝手な評価である。彼らが自らの変節をもってマーケットを勝手に解釈しているから、余計な混乱がもたらされているとも言える。
確かにトランプ氏の露骨な発言で米ドルがまた反落余地を拡大し、米ドル安も延長されてきたが、行きすぎた「トランプ・ラリー」に対する反動、また、スピード調整という意味合いでは、足元までのこの程度の米ドル安は容認範囲である。
また、米大統領とはいえ、為替市場に対する口先介入があっても、実はそのインパクトは限定的だと思う。
■2月2日安値が下落ウェッジの下限に合致 このような見方を証左してくれるのはほかならぬ、マーケット自体の内部構造である。
マーケットは万衆の判断や思惑の大集合によって成り立っているから、その内部構造はファンダメンタルズの「諸行無常」を、先見の明をもって織り込んでいるはずだ。
ましてやトランプ氏が打ち出している諸政策は、最初から主張されてきたものだけに、別に先見の明がなくても、予想できた材料のはずだ。マーケットが今さら驚き、また、突然軌道修正してきたわけではないから、ジタバタする必要はない。
前回のコラムでもドルインデックスを分析していたが、その延長でいうと、1月30日(月)の高値打診は4回目の「ダマシ」であった。
【参考記事】
●米ドル反落はコップの中の嵐。ドル/円は115.62円突破なら戦略的高値追いも!(2017年1月27日、陳満咲杜)
ドルインデックス 日足(出所:Bloomberg)
「ダマシ」があるたびに、「下落ウェッジ」というフォーメーションが新たに引かれるものの、同フォーメーションの健在は証左されている。昨日(2月2日)の安値が、同フォーメーションの下限に合致しているところは見逃せない。
実際、昨日(2月2日)のザラ場でも、米ドルの…