市場は新型コロナに不思議なほど冷静。 米ドル買い方針を維持する3つの理由とは?
2020-02-13
中国政府の発表によりますと、2月13日(木)の朝の時点で、中国国内の感染者は5万9692人、死者は1364名と伝わっています。これまで、1日の感染者の増加は、4000人ぐらいをピークにして徐々に下がっていて、この状況からは、早期に収束に向かうのではという、期待感が広がっていました。
ところが、13日(木)の発表では、感染者数が一気に1万4986人も増加しました。武漢市がある湖北省での感染者の基準が変更されたことによる急増ということではありますが、これで、また先行きが、まったくわからなくなってしまいました。
その影響で、4月に予定されていた習近平・中国国家主席の訪日も、どうやら延期されそうになってきています。中国国内では、さまざまな産業に深刻な被害が出ていることは、想像に難くありません。
■金融市場は極めて冷静な反応 しかし、本当に不思議なのですが、金融市場は極めて冷静な反応を見せています。
中国の代表的な株価指数である上海総合指数も、新型コロナウイルス発生前の水準にまで、ほぼ回復してきました。
【参考記事】
●市場の新型コロナウイルスへの反応は読みどおり。米ドル/円の108円台は迷わず買い!(2月6日、今井雅人)
●危の中に機あり。新型肺炎の危機感が強いほど、米ドル/円の上昇につながる!(2月7日、陳満咲杜)
上海総合指数 日足(出所:Bloomberg)
米国のNYダウは、史上最高値を更新しています。
NYダウ 日足(出所:Bloomberg)
どうして、こんなにも冷静なのかが、正直、不思議ですが、これが現実です。
■予想どおり、米ドル高の展開に さて、そうした中で、為替相場ですが、ここにきて全体的に米ドル高の展開となっています。
米ドル/円は、また110.00円を、一時的ですが、上に抜ける展開が見られました。
米ドル/円 日足(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルも、1.09ドル台を下に割り込んできています。
ユーロ/米ドル 日足(出所:TradingView)
私も、前回までのコラムの中で、基本的には米ドル買い方針ということを申し上げてきましたが、まさに、そうした展開となってきています。
【参考記事】
●市場の新型コロナウイルスへの反応は読みどおり。米ドル/円の108円台は迷わず買い!(2月6日、今井雅人)
その大きな原因の1つは…