トランプ大統領、パウエルFRB議長解任を検討｜仮想通貨市場には追い風？

トランプ氏、パウエルFRB議長への不満を露わに

米国のドナルド・トランプ大統領は2025年4月17日に、自身のSNS「Truth Social」で、パウエル連邦準備制度理事会（FRB）議長の解任に言及しました。

トランプ大統領は投稿の中で、欧州中央銀行（ECB）が7度目の利下げを実施していることに触れながら「パウエル議長は金利を下げるべきだった。少なくとも今すぐにでも下げるべきだ」と述べ、改めて利下げの必要性を訴えました。

さらに「パウエル議長はいつも対応が遅く、間違っている」と批判し、前日のパウエル議長の報告について「典型的で完全な混乱だ」とまで言及しています。

投稿の最後には「パウエル氏の解任は早ければ早いほど良い」と強調し、利下げに踏み切らないFRBへの不満をあらわにしました。この発言は現職FRB議長の更迭意向を公に示した初の事例となります。

一方、ホワイトハウス高官は米メディアに対し、今回の投稿は解任を脅すものではなく「単に大統領の不満を再び表明したもの」だと説明し、公式にはパウエル氏の解任計画を否定しています。

ECB（欧州中央銀行）はこれで7回目の利下げを行う見通しだというのに、FRBの”いつも遅くて間違っている”パウエル議長は、昨日またしても混乱した内容の報告書を出した。まさにいつものことだ！

原油価格は下がっているし、食料品（卵でさえ）も安くなっている。アメリカは関税でどんどん豊かになっているというのに、”とても遅い”パウエル氏はECBのようにもっと早く利下げを行うべきだった。いや、今すぐにでも利下げすべきだ。

パウエルの更迭を一刻も早く実現してほしい！

FRBの利下げで緩和転換

ビットコイン価格「FRBの金融緩和・トランプ大統領の関税緩和」で底を打つ｜10xリサーチ創設者

パウエルFRB議長解任巡る政権内の緊張

パウエル議長の去就については、続報でさらに詳細が明らかになっています。

米大手経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）」は17日、トランプ氏が数ヶ月前から側近らとパウエル氏の解任について水面下で協議していた報じました。

また米政治専門誌「ポリティコ」は、スコット・ベセント財務長官はパウエル解任が市場を混乱させるリスクがあるとして、政権幹部に再三警告を発していると伝えています。

こうした動きを受け、パウエル議長の周辺も警戒を強めています。パウエル氏自身は昨年末、「大統領から辞任を求められても応じるつもりはない」と断言しています。法律上、正当な理由なくFRB議長を解任することはできず、強引に解任すれば大規模な法廷闘争になる可能性が高いと指摘されています。

パウエル議長の任期は2026年5月まで残されており、それ以前に解任するには法的ハードルが非常に高いため、市場では当面この綱引きが続くとの見方が強まっています。

金融政策の先行き不透明、仮想通貨市場は好機？

パウエル議長の解任検討が報じられると、市場では中央銀行の独立性が揺らぎ、金融政策の先行きに不安が広がりました。

4月17日時点のビットコイン（BTC）価格は85,000ドル（約1,200万円）をわずかに下回る水準で推移し、トランプ政権とFRBの緊張が投資家心理に新たな不安要因を与えたと見られています。

ただ一部のアナリストからは「もしトランプ氏が利下げを実現させれば、結果的に仮想通貨市場には好材料になるだろう」との見方も出ています。

米投資企業ビットワイズのストラテジストであるフアン・レオン氏は「大統領がパウエル議長を解任すれば、米国経済の土台への信頼が揺らぎ、株式や債券などの従来型資産は急落するだろう。しかしそれはビットコインの存在意義をかえって強める可能性がある」と語り、今回の異例の事態がビットコインにとって「大きなプラス」になり得るとの見解を示しています。

米デリビット取引所のオプション取引データによると、投資家たちは90,000～100,000ドル（約1,300万～1,420万円）の強気の見通しを持ちながらも、短期的な下落に備えた防衛策も講じており、金融緩和への期待感と目先の変動リスクの両方を見据えた慎重な姿勢がうかがえます。

トランプ大統領の発言は利下げ期待を高める一方で、政策の先行き不透明感から市場の波乱要因ともなっており、仮想通貨市場は警戒しながらも期待感を持った状態が続いています。

※価格は執筆時点でのレート換算（1ドル=142.38円）

>>最新の仮想通貨ニュースはこちら

トランプ大統領関連の注目記事はこちら