ロシア財務省幹部「独自ステーブルコインの開発が必要」、USDTの遮断影響で
ロシア財務省幹部が独自ステーブルコイン開発を必要と発言
ロシアは先月、同国関連のデジタルウォレットで保有されていた米ドル連動型ステーブルコイン「USDT」が遮断されたことを受けて、他通貨に連動した独自のステーブルコインを開発すべきだと、同国財務省の高官が4月16日に述べた。
ステーブルコインとは、一定の価値を維持するよう設計された暗号資産(仮想通貨)の一種で、近年急速に利用が拡大している。特に、異なる暗号資産間や現金への資金移動に活用されている。
ロシアの規制当局は、西側諸国の制裁で困難となった国際送金において、実験的に暗号資産の使用を認めている。遮断以前は、「USDT」がロシア企業の支払い手段として広く使われていた。
財務省金融政策部門の副部長であるオスマン・カバロエフ(Osman Kabaloev)氏は「最近のUSDT遮断を受け、USDTと同様で他の通貨に連動した国内独自のステーブルコインの作成を検討すべきだと考えている」と述べた。
ロシアの暗号資産取引所ガランテックス(Garantex)は3月6日、USDT発行元のテザー(Tether)社が同取引所のプラットフォーム上で25億ルーブル(約3,012万ドル/約46億円)以上を保有するデジタルウォレットを遮断したため、取引を停止せざるを得なくなったと発表していた。この措置は同取引所がEUの制裁対象となった数日後に行われた。
国内決済での暗号資産利用に反対するロシア中央銀行総裁のエリヴィラ・ナビウリナ(Elvira Nabiullina)氏は、ロシア企業が実験の一環として国際決済に暗号資産を積極的に利用していると述べている。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Russia should have own stablecoins, finance ministry official says
(Reporting by Elena Fabrichnaya, writing by Gleb Bryanski; Editing by Kirsten Donovan)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters
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参照元:ニュース – あたらしい経済