米リップル、プライムブローカーHidden Roadを1.25Bドルで買収へ

RippleがHidden Roadを約1,818億円で買収へ

米リップル(Ripple)社が、機関投資家向けプライムブローカーであるヒドゥンロード(Hidden Road)を12.5億ドル(約1,818億円)で買収すると4月8日に発表した。なお買収手続きは今後数ヵ月以内に完了する見込みであり、規制当局の承認を前提として進められる予定だ。

なおプライムブローカー(Prime Broker)は、ヘッジファンドや大口機関投資家に対して、証券の取引や貸借、決済などを中心に、幅広く金融サービスを提供するプライムブローカレッジ(Prime Brokerage)を専門に行う金融機関だ。

ヒドゥンロードは、外国為替(FX)、デジタル資産、デリバティブ、スワップ、債券市場において、清算、プライムブローカレッジ、ファイナンスなどのサービスをワンストップで提供している。また同社は、年間3兆ドル(約437兆円)を超えるクリアリング(清算処理)を行い、300社以上の主要機関を顧客に抱えている。

リップル社は今回の買収を通じて、同社のバランスシートから数十億ドル規模の資本をヒドゥンロードに投入する方針だ。

これによりリップル社は、ヒドゥンロードが提供するプライムブローカレッジ、クリアリング、ファイナンスの各プラットフォームのスケール拡大および急増する需要への対応を支援するという。そしてヒドゥンロードは、世界最大規模のノンバンクのプライムブローカーを目指すとのこと。

またリップル社としては、グローバルにマルチアセットを取り扱うプライムブローカーを所有・運営する初の暗号資産(仮想通貨)企業として、プライムブローカレッジ業務の展開が可能になるとのことだ。さらに、リップル社が発行する米ドル連動型ステーブルコイン「リップルUSD(RLUSD)」の地位を強化する効果も期待されるという。

そしてヒドゥンロードでは今後、「RLUSD」を同社のプライムブローカレッジ業務における担保資産として活用する予定とのこと。これにより「RLUSD」は、デジタル資産と伝統的金融市場の間で効率的なクロスマージンを可能にする初のステーブルコインになるという。

さらに、ヒドゥンロードは同社のポストトレード業務を、リップル社が開発主導する分散型レイヤー1(L1)ブロックチェーン「XRPレジャー(XRP Ledger:XRPL)」上に移行する計画とのこと。これによりヒドゥンロードは、業務の効率化とコスト削減を目指すとしている。

一方でリップル社としては、同社の国際決済ソリューション「リップルペイメント(Ripple Payments)」におけるコストおよび流動性の最適化を図る方針だ。さらに、銀行グレードの暗号資産カストディ(保管)サービスをヒドゥンロードの顧客に提供することも想定されているという。

なお発表によると、リップル社は過去にヒドゥンロードのシリーズB資金調達ラウンドに出資している。リップル社は、ヒドゥンロードの顧客としてプラットフォームを利用する中で、チームの実力やテクノロジー、リスク管理体制、運営基盤の強さを実際に体感してきたという。

「RLUSD」は、リップル社が2024年12月に発行した企業向けの米ドル建てステーブルコインだ。「XRPレジャー」とイーサリアム(Ethereum)上で発行されている。現在「RLUSD」は米ドル預金や国債、現金同等物で100%裏付けられており、ニューヨーク州の信託会社免許の下で運営されている。

また今月2日にはリップル社が、「RLUSD」の企業向けユーティリティおよび需要拡大を目的として、同ステーブルコインを「リップルペイメント」に統合したと発表した。

参考:リップル社
画像:iStock/Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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