タイSEC、OKXと関係者9名を刑事告発。デジタル資産取引所の無許可運営で
SNS宣伝で拡大も問題視
タイ証券取引委員会(SEC)は、デジタル資産取引所OKXの運営会社であるAux Cayes FinTech Co. Ltd.と、その支援者である9名の個人を、無認可でデジタル資産取引所を運営したとして、3月21日に刑事告訴したと発表した。
タイの経済犯罪取締局(ECD)に提出された訴状によれば、これらの事業体および個人が、「デジタル資産事業に関する緊急政令(2018年)」に違反したという。
2021年10月15日、OKXがデジタル資産取引システムを提供し、取引価値の0.1%の手数料を徴収しながら、デジタル資産の取引および交換を促進していたことが、SECの追加調査および告発によって明らかになったという。
さらにOKXは、ウェブサイトや各種ソーシャルメディアチャンネルを通じて、そのサービスを勧誘・宣伝していた。その中には、Telegramのアカウント名「OKX TH」、Xの名称「OKX Thai Community」、Line OpenChatの名称「Thai Community」などが含まれているとのことだ。
OKXの活動は、非常事態宣言第3条に基づくデジタル資産取引業務に該当する可能性が高く、同社は第26条に違反してライセンスを取得しておらず、非常事態宣言第66条に基づく違反行為および罰則の対象となる。
また、個人9名によるオンラインプロモーションを通じてOKXの業務を促進したとして告発されており、これにより取引所のユーザーベースと市場での存在感が高まったとSECは説明している。その結果、それらの行為が緊急政令第26条に違反し、OKXがライセンスなしでデジタル資産取引所を運営することを支援または促進した行為に該当するとされた。
また、この違反行為は、刑法第86条と併せて緊急政令第66条に基づく処罰の対象となるという。
なお、米司法省(DOJ)が2月24日に発表した内容によれば、OKXの関連会社であるオ・カイ・フィンテック(Aux Cayes FinTech)は、無許可の送金業務を行ったとして、米国におけるマネーロンダリング防止法違反を認め、約5億500万ドルの支払いに同意している。
参考:発表
画像:iStocks/ArtemisDiana
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参照元:ニュース – あたらしい経済