ブラジル議会「ビットコイン準備金創設」合意間近か=報道
ブラジルでのBTC国家採用が現実味を帯びる
ブラジルの副大統領首席補佐官であるペドロ・ジョコンド・ゲラ氏が2025年3月25日に、ビットコイン(BTC)を国家の戦略的準備資産とする構想について前向きな姿勢を示したことが報じられました。
地元メディア「PODER360」によると、ゲラ氏は同日、政府を代表して議会系団体の就任式に出席し「ビットコインの国家準備金の創設を厳格に議論することは公共の利益に適い、我々の繁栄の決定要因となるだろう」と見解を述べました。
また、ゲラ氏はスピーチの中で、ビットコインを”インターネット上の金(ゴールド)”に例え「世界中で迅速に価値を送金でき、効果的かつ安全に富を蓄えることが可能な技術だ」と強調しています。
ブラジル連邦政府の高官が公式の場でこのテーマに言及したのは初めてのケースと報じられており、市場関係者の間でも大きな話題となっています。
ブラジルのビットコイン保有計画
ブラジル国会では現在、ビットコインを国家準備資産とする法案「PL 4501/2024」の審議が進められています。
この法案はエロス・ビオンディーニ下院議員によって2024年11月に提出されたもので「国家戦略的ビットコイン準備金(通称「RESBit」)」の創設を定めています。
ブラジルの国際準備資産の最大5%を段階的にビットコインで保有する計画で、金額にして約180億ドル(約2.7兆円)相当の規模に上ります。
この準備金は国庫の金融資産を分散させ、為替変動や地政学リスクからブラジル経済を守ることを主な目的としており、将来的にはCBDC(中央銀行デジタル通貨)「レアル・デジタル(Drex)」の担保として活用する可能性も示唆されています。
ビットコイン準備金法案の詳細
BTC準備金法案が本格的に審議へ
同法案は、2024年12月に下院議長から経済開発委員会(CDE)など複数の委員会に付託されており、その後、2025年3月25日付でルイス・ガスタン下院議員(PSD党)が経済開発委員会の報告者に指名されています。
立法院のスケジュールによれば、3月27日から下院委員会で本法案に対する修正提案(複数会期にわたる審査)のプロセスが開始され、実質的な審議が進み始めた段階です。現時点では委員会審議が継続中であり、可決された場合には上院へ送付された後、大統領の署名を経て法制化される見通しです。
提案者のビオンディーニ議員は、法案提出後の反響について「法案提出当初はビットコインをよく知らなかった多くの議員が、今では関心を示し情報収集に努めている」と述べており、同僚議員からの支持が着実に広がっていることを明らかにしています。
さらに、本法案には既に超党派の複数議員が賛同を表明しており、委員会の議論を円滑に進めるために関係者への説明や法案内容のブラッシュアップにも取り組んでいるとも述べています。
ブラジルでのビットコイン採用論が加速
ゲラ首席補佐官による今回のビットコイン準備金に対する言及は、この法案の実現可能性を高める追い風になると見られています。
ブラジルの有力経済誌Exameは、ゲラ氏の発言が米国の仮想通貨準備金創設に呼応する形でなされた点に注目し、政府内でビットコイン準備金の検討が本格化する契機になる可能性を指摘しました。
また、ブラジルの経済・金融メディアMoney Timesは「ゲラ氏の発言を受けてビットコイン準備金構想が国内で新たな勢いを得た」と伝えており、市場では議会内のコンセンサス(合意形成)が以前より近づいたのではないかとの見方も出始めています。
法案が成立するまでには越えるべきハードルも残されているため、今後の委員会審議や各界からの意見集約の行方に引き続き注目が集まります。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=150.82円)
ブラジル関連の注目記事はこちら
Souce:PODER360報道
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像