イオレが暗号資産金融事業への参入検討へ、交換業取得も視野。株価はストップ高に
イオレが暗号資産金融事業への参入検討へ
東証グロース上場企業のイオレが、暗号資産金融事業への参入準備とAIデータセンター事業参入を4月15日に開始する予定だ。同社が3月26日に発表した。
イオレは、求人広告プラットフォーム「ジョブオレ」や旅行事業を展開する企業。また同社は2023年1月より、当時では上場企業として日本初となるNFTゲームのギルド運営事業を開始している。なお同事業開始にあたりイオレは、シンガポールを拠点にグローバルでGameFiプラットフォーム「PlayMining(プレイマイニング)」を展開するDigital Entertainment Asset(DEA)と業務提携をしている。DEAの創業者兼CEOの吉田直人氏はイオレの取締役会長でもある。
イオレが参入を検討する暗号資産金融事業は、AIを用いた暗号資産運用モデルの開発およびモデルを活用した暗号資産運用、暗号資産レンディング、暗号資産担保融資、ビットコイン・トレジャリー事業などの暗号資産金融事業とのこと。
同社は、株式運用におけるロボアドバイザーやアルゴリズム取引のようなAIを用いた暗号資産運用モデルの研究開発を見込んでおり、参入の可否については、暗号資産運用モデルの性能評価を加味して決定するという。
またイオレまたは同社子会社新設により、第2種金融商品取引業、投資助言・代理業や投資運用業、暗号資産交換業等の認可取得、または法令の変更に合わせた体制強化と許認可準備を進めていくとのこと。これについては、暗号資産が有価証券に並ぶ金融商品として位置づける方向で検討され、2026年の通常国会に関連法の改正案の提出を目指しているとの報道がされていることから、法令の改正を注視し、動くとされている。
また暗号資産担保融資およびビットコイン・トレジャリーについては、マーケティングリサーチを行った上で、参入の可否を検討するとのこと。
なお同検討期間中は、調達資金からビットコインを購入し一時的に運用する計画はないとのことだ。
またAIデータセンター事業では、デジタルダイナミック社と代理店契約を締結し、生成AIなどに用いるハイスペックなGPUを搭載したサーバーを販売するとのこと。新株予約権の行使状況およびGPUの販売代理の実績を見ながら、デジタルダイナミックからGPUの在庫を仕入れて販売を行う販売事業へ移行するという。そして将来的には販売後のGPUサーバーの保管・運用まで行うAIデータセンターの運営事業を行うことを目指すとのこと。
なおデジタルダイナミックは、今回の事業開始に向け資金調達したJAIC-Web3ファンドへの出資者のひとつであるダイナミックソリューショングループの100%子会社だ。
ちなみに本事業は、デジタルダイナミックの顧客層が、イオレの展開するWeb3事業においてNFT・ゲームアイテムを販売している顧客層が類似していることから参入を決定したとのことだ。
事業参入への背景
同社は2028年3月期には上場後10年が経過し上場維持基準を満たす必要があり、各事業において想定している売上伸長率、粗利率等を鑑み、主に「HRアドプラットフォーム」「ジョブオレ」「Web3」の3事業を注力事業として位置付けているという。
特に「Web3」領域は、市場の黎明期で今後も成長が見込まれる市場と同社は評価しており、成長を加速すべく協業・提携等の可能性について検討していたとのこと。
そのような中で同社は、日本アジア投資株式会社(JAIC)からの提案による議論・検討を通じ、市場環境の変化が速いWeb3市場において、成長機会を逸しないための投資資金として資金調達を行い、暗号資産金融事業の検討およびAIデータセンター事業へ参入することになったとのことだ。
なおイオレは今回の新規事業への参入にあたり、JAIC-Web3ファンドおよびZUUに対して、第三者割当の方法により新株式および、第1回新株予約権を発行することで、2億7,150万円を調達する予定だ。
調達した資金は、「暗号資産金融事業参入準備費用」および「AIデータセンター事業」に利用される。
資金使途は、人材・システム開発・マーケティング費用。「AIセンター事業」ではGPUの仕入れ資金も含まれる。これらは2027年12月まで継続して充当する予定とのこと。また暗号資産金融事業においては、開始事業の検討後に参入事業の必要資金を算出した結果、自己資金で充当出来ない場合は、資金使途変更もしくは追加の資金調達を行うとのことだ。
なお今回の発表を受けて、イオレの27日の株価は前日比100円高の641円でストップ高の買い気配となっている。
参考:イオレ・イオレ2
画像:iStocks/berya113
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参照元:ニュース – あたらしい経済