Progmat、Swift連携のステーブルコインPJ「Project Pax」で韓国金融機関とMOU締結

Progmatが「Project Pax」で韓国企業とMOU

デジタルアセット発行・管理基盤「Progmat(プログマ)」を提供する日本企業のProgmat(プログマ)社が、Swift(国際銀行間通信協会)と連携した銀行間ホールセールステーブルコイン(SC)のクロスボーダー送金基盤構築プロジェクト「Project Pax」に関し、韓国金融機関と実証実験を実施することを2月17日発表した。

これについてプログマは、韓国のブロックチェーン関連企業Fairsquarelab(フェアスクエアラボ)および韓国最大のカストディサービス企業のKorea Digital Asset Custody(コリアデジタルアセットカストディ)と、MOU(基本合意書)を締結したとのこと。

「Project Pax」は、Swiftの既存アセットの活用と各国金融機関との連携により、AML/CFT、規制対応、既存オペレーションとの複線化、企業によるウォレット利用といった種々のハードルを解消する、クロスボーダーSC 送金基盤の構築を目指すもの。Progmat社のパートナーであるDatachain(データチェーン)が推進し、プロジェクトの開始以降、各国の関連組織との連携を進めているという。

またFairsquarelabは、これまで韓国のセキュリティトークン(ST)メインネットや関連技術開発を行ってきた企業。そしてKorea Digital Asset Custody は、韓国大手金融機関であるShinhan Bank(新韓銀行)・NH Bank(NH農協銀行)等とFairsquarelabとの協働出資により設立された企業である。

韓国におけるデジタルアセットの共通基盤構築を目指す両社は、2025年1月15日に、韓国における金融委員会において、グローバル市場のデジタルアセット動向に対する積極的な関与姿勢が示されたことを受け、SC領域への本格参入と「Project Pax」への参画・連携を決定したという。これにより今回のProgmat社とのMOU締結に至ったとのこと。

今回締結したMOUに基づく本実証を通じて、日韓のステーブルコイン送金におけるインフラの接続を進めると共に、韓国金融機関の「Project Pax」参画を見据えた対応論点の抽出、および韓国国内における法整備等への示唆抽出・提言の取りまとめを行うとのことだ。

具体的な連携内容と期待効果

今回の実証では、韓国金融機関が「Project Pax」で構築する基盤を導入するにあたっての実務的検証を行うとのこと。

具体的には、韓国金融機関におけるシステム・オペレーション対応可能性の検証と導入実現に向けた対応論点の洗い出し・アクションロードマップの策定を行うという。

韓国においては、SCに関する法的枠組みの整理を今後実施していく段階にある。そのため、現段階であらかじめ生じうる論点の認識を行うことで、韓国内における必要な環境整備につなげると共に、法的枠組み制定後のスムーズなSC送金の開始を実現するものになるとのこと。

Progmat社としては、「Project Pax」における連携先として韓国金融機関との接続を行うと共に、韓国市場におけるST領域での接続も見据えた業務連携の強化により、日韓金融取引の高度化を実現していくとのこと。

なお本実証実験は、2月より開始し、2025年内に韓国内での提言取り纏めを目標とするとのことだ。

「Project Pax」のクロスチェーン取引について

「Project Pax」におけるブロックチェーンを跨るクロスチェーン取引については、ブロックチェーン間通信プロトコルの「IBC」及びDatachainが開発をリードするミドルウェア「LCP」、Progmat社とDatachainが共同開発したSCコントラクト、そしてクロスチェーンインフラを提供するTOKIの流動性プールを活用するとのことだ。

ちなみにIBCとは、コスモス(Cosmos)エコシステム内のプロジェクトによって策定されたブロックチェーン同士を相互運用する為の標準仕様である。これを採用することでブロックチェーンを跨いだトークン転送などのデータ通信が可能になる。

また「LCP(Light Client Proxy)」とは、ブロックチェーンのインターオペラビリティ(相互運用性)やクロスチェーンブリッジの現状課題解決のためのミドルウェア。クロスチェーンブリッジにおいて最も安全なクロスチェーン手法とされる「Light Client方式」の課題である「拡張性の低さと検証コストの高さ」をTEE(Trusted Execution Environment)を用いたProxyにより解決したソリューションとのこと。TEEとは、ICカードのセキュリティ等の標準技術の策定を行う非営利組織GlobalPlatformが定める技術仕様のひとつで、プロセッサーを通常の実行環境と安全な実行環境に分割することによって、アプリケーションの安全な実行環境を物理的に確保するセキュリティ技術である。

参考:プログマ
画像:iStocks/ThinkNeo・PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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