ビットコイン(BTC)94,000ドル割れ|トランプ政権の関税発表などが影響か
関税措置と報復関税の発表でリスク回避の動き?
ビットコイン(BTC)の価格は2025年2月2日に10万ドル(約1,558万円)のラインを下回り、記事執筆時点では93,000ドル(約1,448万円)台まで下落しています。アルトコインでも同様に大幅な下落が見られており、主要な仮想通貨は過去24時間で20%近くの下落率を記録しています。
2025年1月9日〜2025年2月3日 BTC/USDの3時間足チャート(画像:TradingView)
今回の下落は、アメリカのトランプ政権が現地時間2025年2月1日に発表した「カナダ・メキシコ・中国からの輸入品に対する関税措置」の影響によるものだと見られています。
この関税措置は「不法移民やフェンタニルのような違法薬物などの危機が緩和されるまでの間、カナダとメキシコからの輸入品には25%、中国からの輸入品には10%の追加関税を課し、カナダのエネルギー資源に関しては10%の低税率を適用する」という内容のものです。
さらにトランプ政権の発表後にはメキシコ・カナダ・中国から米国に対する報復関税も発表されており、メキシコのシェインバウム大統領は「メキシコの利益を守るために関税と非関税を含む措置を実施するよう経済相に指示する」と表明、カナダのトルドー首相は「報復措置としてアメリカからの輸入品に対して25%の関税を課す意向」を表明しています。
さらに中国はWTO(世界貿易機関)に米国を提訴するとともに、自国の利益を守るためにさまざまな報復措置を講じると述べています。
今回の関税措置はガソリン価格などの急上昇を避ける狙いがあると見られていますが、関税措置によってアメリカでインフレが再加速することも懸念されており、一部の投資家は仮想通貨などのリスク資産から国債や定期預金などの伝統的資産へと資金を移している可能性があると見られています。
関税戦争はBTCに素晴らしい影響を与えるとの意見も
ただし「トランプ政権の関税措置が仮想通貨市場に影響を与えた」という見方については業界内でも意見が分かれており、Bitwise Investのアルファ戦略責任者であるジェフ・パーク氏は「持続的な関税戦争はビットコインに素晴らしい影響を与える」との見解を示しています。
パーク氏は「関税は一時的な交渉手段に過ぎず、アメリカの最終目標はドル安と低金利の実現にある」と説明し、「これが達成されれば、ビットコインが世界的に安全資産としての需要を高め、価格が急上昇する」と主張しています。
You simply have not yet grasped how amazing a sustained tariff war is going to be for Bitcoin in the long run
— Jeff Park (@dgt10011) February 2, 2025
あなたはまだ、持続的な関税戦争がビットコインにとって長期的にどれほど素晴らしい影響を与えるかを理解していないだけです。
なお、現在のビットコイン市場については「BTCを売却している人の多くは個人投資家である」との指摘も出ていて、Xで770,000人以上のフォロワーを有する著名アナリストのミカエル・ヴァン・デ・ポッペ氏(@CryptoMichNL)は「個人投資家は売却して大口投資家は購入している」と説明しています。
It's typical.
During times of panic and uncertainty, market makers and whales accumulate more from retail.
Retail investors have been selling.
Large investrors have been buying.Be like a large investor: buy #Bitcoin & #Altcoins and hold. pic.twitter.com/zXSxWgheUU
— Michaël van de Poppe (@CryptoMichNL) February 2, 2025
典型的なことです。
パニックや不確実性の中で、マーケットメイカーやクジラ(大口投資家)は個人投資家からより多くの資産を買い集めます。
個人投資家は売却し、
大口投資家は購入しています。大口投資家のようになりましょう:ビットコインやアルトコインを買って保有しましょう。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.70円)
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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