公務員年金基金の最大10%をビットコインETFに投資、カンザス州で法案提出
資金の最大10%をビットコインETF商品に
アメリカ・カンザス州の上院議員であるクレイグ・バウザー氏が、公務員年金基金の資金の最大10%をビットコインETFに投資できるようにすることを目的とした法案を提出したことが明らかになりました。
この法案はカンザス州公務員退職制度(KPERS)の理事会に対して”カンザス州公務員退職基金の資金の最大10%をビットコインETF商品に投資する権限”を付与するものであり、現在は「上院法案34号」として関連資料が公開されています。
(画像:上院法案34号の資料)
カンザス州公務員退職制度(KPERS)に関連する法律改正案
この法律は、カンザス州公務員退職基金の資金の最大10%をビットコイン上場投資商品(ETP)に投資する権限を理事会に付与するものです。この投資に関する要件、制限、および定義が規定されています。さらに、K.S.A. 2024年版の第74-4921節を改正し、既存の条項を廃止します。
ビットコイン投資の動きが年金基金でも?
カンザス州公務員退職制度(KPERS)の公式サイトには「KPERSは約280億ドルの(約4.38兆円)資産を管理している」と記載されているため、今回の法案が可決されれば最大28億ドル(約4,380億円)の資金がビットコインETFに流れる可能性があると注目されています。
10%という投資割合は”最大”として定められているものであり、一度にまとめて全ての資金が投じられる可能性は低いため、毎年の投資額は28億ドルよりも低くなると予想されますが、今回の法案は「年金基金のビットコイン投資が米国で拡大するきっかけになる可能性がある」として注目を集めています。
「年金基金の仮想通貨投資」に関する報告は数年前から徐々に増えてきており、これまでには以下のような報告がなされています。
- ヒューストンの消防士年金基金がBTC・ETHに投資
- ジャージーシティ年金基金のビットコインETF投資
- ミシガン州退職年金基金のビットコインETF投資
- フロリダ州年金基金のビットコイン投資提案
- ミシガン州退職年金基金のイーサリアムETF保有
- 英年金制度のビットコイン投資
また、2024年3月には日本の国民年金と厚生年金の積立金を管理・運用している公的機関である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も「運用資産の多様化に向けてBTCなどの暗号資産を含む様々な資産の情報提供やアイデア募集を開始したこと」を発表しているため、今後は各国の年金基金でも仮想通貨投資の流れが拡大する可能性があると期待されています。
仮想通貨投資の流れは個人投資家から企業・国家・政府系ファンドに拡大してきているため、仮想通貨関連の規制が明確化されて環境が整えば、そのような動きがさらに加速して、仮想通貨市場全体がさらに成長していく可能性があると注目されています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.48円)
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Souce:カンザス州公開資料
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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