Sonyのブロックチェーン「Soneim(ソニューム)」について徹底解説!
昨今、海外だけでなく国内でも様々なブロックチェーンが誕生しており、日本企業によるWeb3市場への参入が散見されます。
その中でも注目を集めているのが、今回ご紹介する「Soneim(ソニューム)」です。
Soneimは、Sonyグループから発表されたブロックチェーンであり、
本記事では、そんなSoneim(ソニューム)の特徴や将来性について解説します。
▼こちらもおすすめ
【資料付き】ブロックチェーンのビジネス活用事例5選
Soneim(ソニューム)とは
名称 | Soneim/ソニューム |
種類 | レイヤー2 |
運営元 | Sony Block Solutions Labs |
公式X(旧Twitter) | https://x.com/Soneium |
公式サイト | https://soneium.org/en/ |
Soneium(ソニューム)は、シンガポールに本社を置くSony Block Solutions Labsによって開発された、パブリックブロックチェーンです。 OP Stackを採用したイーサリアム基盤のL2チェーンであり、高速かつ低コストなトランザクション処理を実現しています。
開発元のSony Block Solutions Labsは、ソニーグループとStartale Labsの合弁会社です。
同社はそれぞれの強みを活かし、一般ユーザーも参加しやすいWeb3基盤のインフラネットワークになることを目指しています。
2024年8月には、「Soneium Minato(ソニューム・ミナト)」と名付けたテストネットを稼働し、メインネットのリリースに向けて、順調にプロジェクトが進行しています。
Soneim(ソニューム)の特徴・仕組み
Soneim(ソニューム)の特徴・仕組みは以下の通りです。
- イーサリアムのL2ソリューション
- OP Stackを活用
- 著名なWeb3企業との連携
それぞれ具体的に解説していきます。
イーサリアムのL2ソリューション
Soneimは、マスアダプションを念頭に設計されたパブリックブロックチェーンです。
イーサリアムを基盤としたレイヤー2のブロックチェーンであり、高速かつ低コストなトランザクション処理を実現しています。
基盤となるレイヤー1(L1)のブロックチェーン上に構築された追加のネットワーク。途中の取引処理をオフチェーンで行うことで、処理の負荷を軽減し、スケーラビリティ問題の解決を期待できる。
Soneimでは、イーサリアムのセキュリティを活用しながらも、独自のプロトコルによってガス代の削減や処理速度の向上を可能にしています。
これにより、従来のブロックチェーンの課題であったスケーラビリティ問題を解決しつつ、エンタープライズユースや個人向けサービスに適した柔軟な環境を構築しているのです。
OP Stackを活用
Soneimは、Optimismが開発したOP Stackを活用して構築されています。
モジュール化されたオープンソースのフレームワーク。Optimisticロールアップを採用したレイヤー2ブロックチェーンを簡単かつ効率的に作成可能。開発者は必要な機能を選択的に組み込み、柔軟な設計を実現できる。
SoneimはこのOP Stackを応用し、トランザクションの高速化やコスト削減に成功しています。
また、OP Stackの互換性により、他のレイヤー2ソリューションやイーサリアムエコシステムとの連携もスムーズに行えます。
この結果、開発者や企業にとって、Soneimは迅速なプロジェクト展開をサポートする理想的な選択肢となる可能性が高いと言えるでしょう。
著名なWeb3企業との連携
Soneimは、ブロックチェーンエコシステムの拡大を目指し、複数の著名なWeb3企業・組織と連携しています。
下記はローンチパートナーの一覧ですが、暗号資産を触っていれば、一度は聞いたことのあるような企業・組織ばかりであることが分かるはずです。
- Astar Network
- Alchemy
- Chainlink
- Circle
- Optimism
- Pyth
- The Graph
- Transak
さらに、エコシステムのVC欄にはSpartan GroupやHashkey Capitalなど、大手VCが複数記載されていました。
SoneimはWeb3エコシステムの中核として、様々な分野で注目されていることがわかります。
Soneim(ソニューム)のテストネット「Minato」について
Sony Block Solutions Labsは、2024年8月にSoneimのテストネットを公開しました。
テストネットは「Minato」と名付けられ、Sepolia(イーサリアムのテストネット)と連携して動いています。Minatoは、Dapps開発に興味のある開発者やクリエイター向けにリリースされ、Soneimの仕様を直接体験できます。
Soneim Minato explorerで見たテストネットの稼働状況は以下の通りです。
テストネットではあるものの、デイリートランザクションが465.18K(約46.5万回)と活発に稼働していることがわかります。
興味のある方は下記より実際に触ってみてください。
https://soneium-minato.blockscout.com
Soneim(ソニューム)の将来性
ここからは、Soneimの持つ将来性について以下3つの観点から解説します。
- Web3とWeb2を繋ぐ架け橋
- 多用途でスケーラブルなプラットフォームの構築
- グローバル展開とコミュニティの成長
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Web3とWeb2を繋ぐ架け橋
Soneimは、Web3のマスアダプションを目標としています。
現代のインターネットサービス(Web2)とブロックチェーン技術(Web3)の間のギャップを埋めることで、初心者でも簡単に利用できる環境を提供します。このアプローチにより、従来Web3の利用を敬遠していたユーザー層にもリーチし、ブロックチェーン技術の普及を加速させます。
また、Soneimは誰もがクリエイターになれる環境を目指しており、文化的な壁や地域の制約を超えて人々をつなぐオープンなインターネットの実現に寄与します。
多用途でスケーラブルなプラットフォームの構築
Soneimは、イーサリアムのレイヤー2として構築されており、スケーラビリティと効率性を兼ね備えたインフラを提供します。OptimismのOP Stackを活用したモジュール化された設計により、あらゆる規模のアプリケーションに対応可能です。
特に、ゲームやエンターテイメント、デジタルアセット取引、そして分散型金融(DeFi)など、幅広い分野での活用が期待されています。これにより、開発者は高性能なDApps(分散型アプリケーション)を迅速かつ低コストで構築でき、既存のWeb3技術を超えた新しいユースケースの創出が可能になります。
グローバル展開とコミュニティの成長
Soneimは日本国内のみならず、世界中での採用を目指しています。
そのために、上述したテストネット「Minato」を公開し、グローバルな開発者コミュニティとの連携を積極的に進めています。
早期段階からのフィードバックを取り入れることで、ユーザーや企業のニーズに応える柔軟なプラットフォームを構築する戦略です。これにより、世界規模での採用が進むとともに、エコシステム全体の拡大が期待されています。
Soneim(ソニューム)に関するQ&A
最後に、Soneimに関してよくある質問に回答していきます。
- Soneium Sparkって何?
- Soneimのメインネットはいつ公開される?
- Soneimを活用した事例はある?
各質問ごとにわかりやすく説明していきますので、ぜひご参考にしてください。
Soneium Sparkって何?
1/ We are thrilled to announce that the selection process for the Soneium Spark incubation program has been completed, and all the WINNERS are selected!
— Soneium (@soneium) October 14, 2024
Each project will begin its incubation with over 30 partners, gaining expert guidance in marketing, business development,… pic.twitter.com/unv6H7UvzW
Soneium Spark(ソニューム・スパーク)は、革新的なアイデアを現実の市場に適したソリューションへと変えるために設計された、開発者とクリエイターのためのプログラムです。(現在は終了しています)
同プログラムの目的は、業界の未来を築くクリエイターやビルダーのコミュニティを育成することにあります。プログラムに選出されると、専門家による指導や最先端のインフラストラクチャ利用権、大手企業との戦略的パートナーシップなどが提供されます。
さらに、選ばれたチームには最大10万ドルの投資が行われるほか、マーケティング支援やビジネス開発、技術サポートなど、プロジェクトの成功を後押しする総合的な支援が用意されています。
Soneimのメインネットはいつ公開される?
2024年12月28日時点で、メインネットの公開は明らかになっていません。
現在はテストネットが稼働している状態で、メインネットの公開までにはしばらく時間がかかる見込みです。
気になる方は公式サイトやXから最新情報をチェックしてみましょう。
Soneimを活用した事例はある?
Soneimの活用事例として、YGG Japanが発表したゲーム特化型レイヤー3プロジェクト「YAIBA」が挙げられます。このプロジェクトは、ゲーム開発者がWeb3ゲームをスムーズに制作できるよう、トランザクション管理やNFT発行を含む包括的なソリューションを提供します。
Soneimを基盤とし、ゲーム制作環境に特化したチェーンとして機能することで、アセットのシームレスなやり取りを実現します。また、PlayStationやSteamで制作された既存ゲームをWeb3対応に変換するSDKを提供し、ブロックチェーン技術の普及を促進します。
YAIBAは、Web3ゲーム市場の拡大に向けた重要なステップとなるでしょう。
【まとめ】Soneim(ソニューム)について
本記事では、今話題の国産ブロックチェーン「Soneim(ソニューム)」について解説しました。
SoneimはSonyグループにより発表されたパブリックブロックチェーンです。
参加者を限定せず、誰もが参加できるオープンなネットワークを目指しており、エンタメから金融、IoTまで広範な分野での応用が期待されています。
部分的なサービス提供に終結せず、インフラからアプリケーションレイヤーまで様々なWeb3ソリューションの提供を予定しているため、未来のデジタル社会における重要な役割を果たすことができるでしょう。
The post Sonyのブロックチェーン「Soneim(ソニューム)」について徹底解説! first appeared on NFT Media.
参照元:NFT Media