金融所得課税の一体化に「暗号資産」の記載|金融庁、2025年度税制改正大綱の主要項目

暗号資産取引の課税について検討が必要

金融庁は2024年12月27日に、2025年度税制改正大綱における金融庁関係の主要項目の概要をまとめた資料を公開しました。この主要項目の中には暗号資産(仮想通貨)関連の内容も記載されています。

暗号資産に関する内容は「金融所得課税の一体化」に関する項目に記載されており、「暗号資産取引に係る課税上の取扱いについては、暗号資産を国民の投資対象となるべき金融資産として取り扱うかなどの観点を踏まえ、検討を行っていく必要がある」と指摘されています。

「暗号資産を国民の投資対象となるべき金融資産として取り扱うか」という議題は今月半ば頃から注目を集めているもので、”暗号資産投資が国民にとって有益”という評価がなされた場合には、税制や規制を整えていく上で大きなプラスになると期待されています。

(画像:金融庁)(画像:金融庁)

過去には「暗号資産規制を根本的に見直す」との報道も

今回の資料では「金融所得課税の一体化」に関する内容が記載されていますが、2024年9月30日の報道では「金融庁は今後数ヶ月間にわたって暗号資産規制を根本的に見直すための点検・評価を行う」とも報じられていたため、一連の見直しで待ち望まれた税制改正が実現する可能性があると期待されています。

なお、当時の報道では「暗号資産を資金決済法の下で規制する現在の枠組みが適切かどうかを評価する」と報じられていて「暗号資産を資金決済法で規制した場合に投資家保護が不十分だと判断された場合には、資金決済法を改正するか、暗号資産を金融商品取引法の対象とすべきかが議論されることになる」とされていました。

暗号資産が金融商品取引法の対象となった場合には、暗号資産が正式に「金融資産」として認められることになり、長い間議論されていた「暗号資産の税制改正」が仮想通貨業界にとって有利に働く可能性があると考えられています。

仮想通貨に関する法整備の動きに注目

ここ最近では、日本国内で「仮想通貨の法整備」に関するニュースが続々と報じられていて、11月には「金融庁は外国に本社を構える暗号資産交換業者が破綻した際に日本国内の資産が海外に流出するのを防ぐことを目的とした法改正を検討している」と報告されていました。

具体的には、暗号資産交換業者を規制する「資金決済法」に、顧客から預かっている国内資産を海外に持ち出さないよう命じる「保有命令」を新設する方針だと報告されていて、この改正が実現すると資金決済法の下で登録を行なっている全ての仮想通貨交換業者に保有命令が適用されるようになると伝えられています。

また、11月には「金融庁は暗号資産の媒介のみを行いたい事業者の要望に応えるために、暗号資産・電子決済手段仲介業(仮称)を新たに創設することを検討している」との報告もなされています。

暗号資産・電子決済手段仲介業(仮称)が新設されると、暗号資産交換業者の登録を行うことなく仲介業者としての登録で「仮想通貨売買・交換の仲介サービス」を提供できるようになるため、仮想通貨取引機能をゲームやウォレットなどに導入しやすくなり、Web3業界の成長を促進させることができると期待されています。

一連の内容はあくまでも検討段階のものであり、一部では「税制改正に伴う法整備によって、仮想通貨の利用や送金に関する制限がこれまで以上に厳しくなる可能性がある」と懸念する意見も出ていますが、2025年からは暗号資産の税制改正・法整備で大きな変化が見られる可能性もあるため、今後の動向には注目が集まっています。

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Souce:金融庁
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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