アバランチ大型アップグレード「Avalanche 9000」、メインネットで稼働開始

「Avalanche 9000」がメインネットで稼働開始

レイヤー1ブロックチェーンのアバランチ(Avalanche)による大型ネットワークアップグレードイベント「Avalanche 9000」が、12月16日にメインネットで稼働開始した。

「Avalanche 9000」は、アバランチ史上最大級のネットワークアップグレードだ。同アップグレードには、L1ブロックチェーンの立ち上げを容易にする「エトナ(Etna)」アップグレードや、開発者のインセンティブに関する変更、マルチチェーンサポートの強化などの複数の更新が含まれている。

なお今回のアップグレードにより、アバランチチェーンを利用した独自ブロックチェーンを構築できる機能「サブネット」は、「レイヤー1ブロックチェーンズ:Layer 1 blockchains(L1s)」へと概念・名称が変更されている。

アバランチの発表によると「Avalanche 9000」により、L1ブロックチェーンを立ち上げるコストは99.9%削減されるという。またスマートコントラクトが実行可能なdAppsの構築に利用されるCチェーン(Contract Chain)の最低ガス料金(取引手数料)も96%引き下げられたとのこと。現在テストネットでは何百もの「L1s」が開発されているため、今後数か月で多くの「L1s」が立ち上げられる見込みであるという。

「Avalanche 9000」の主要アップグレード「エトナ」では、同アップグレードによりサブネットのバリデーターの仕組みがアバランチのプライマリネット(C・Xチェーン)から切り離され、サブネットは独自のL1ブロックチェーン「L1s」として稼働することになる。

そのため現在アバランチのサブネットを構築するために必要な2000AVAXのステーキングが不要になる。

またこれまでサブネットのバリデーターは、アバランチのプライマリネットワークのバリデーターを並列して行う必要があった。しかし「エトナ」実装後は、サブネット(L1s)のバリデーターとしてのみ稼働すれば良くなるため運用コストが下がるという。

これによりサブネット(L1s)構築のための金銭的な障壁が小さくなり、今後より多くのサブネットが立ち上げられることが想定されている。

さらにネットワークが切り離されるため、プライマリネットワークが渋滞した際に悪影響を受けなくなるという障害に対する耐性が向上するメリットもあるとのこと。また前述したとおり、これによるガス代の大幅削減も期待されている。

ちなみに同アップグレードでは、ACP(Avalanche Community Proposals:アバランチ改善提案)のうちACP-77を中心とした計7つの提案が実装された。またこれまで通り、2000AVAXをステーキングする形式でのL1s立ち上げも可能となっている。

アバランチについて

アバランチは異なるデータ構造を採用するCチェーン、Pチェーン(Platform Chain)、Xチェーン(Exchange Chain)の3つのチェーンで構成されるブロックチェーンであり、それぞれで重要機能の役割を分担している。

Cチェーンではスマートコントラクトの実行が可能なため、dAppsの構築に利用される。またPチェーンはアバランチにおけるメタデータを記録するチェーンとなっており、AVAXのステーキングやバリデーター、サブネットの管理に用いられる。そしてXチェーンは送金に特化したチェーンとなっている。

これら3つのチェーンは総合して「プライマリーネットワーク」と呼ばれている。

参考:Avalanche9000
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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