「自己管理型ウォレットサービスは暗号資産交換業に該当しない」金融庁見解

自己管理型ウォレットの法的位置づけが明確に

金融庁は2024年10月8日に「認証技術を用いたアンホステッド・ウォレット(自己管理型ウォレット)向けのサービスは暗号資産交換業に該当しない」との見解を発表しました。

アンホステッド・ウォレット(自己管理型ウォレット)とは、保管している仮想通貨を利用するために必要となる「秘密鍵」をユーザー自身が管理する方法を採用したウォレットのことであり、MetaMask(メタマスク)やPhantom(ファントム)なども自己管理型ウォレットに該当します。

日本では、以下4つの行為のいずれかを業として行うことが「暗号資産交換業」として定められていて、仮想通貨関連サービスを提供する上でどのようなものが暗号資産交換業に該当するかが曖昧な状態となっていました。

  1. 暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換
  2. 前号に掲げる行為の媒介、取次ぎ又は代理
  3. その行う前二号に掲げる行為に関して、利用者の金銭の管理をすること
  4. 他人のために暗号資産の管理をすること(当該管理を業として行うことにつき他の法律に特別の規定のある場合を除く)

今回発表された見解は、そのような仮想通貨関連の法的不確実性を軽減するものであり、これによって自己管理型ウォレットの法的位置づけが明確化されたと注目されています。

グレーゾーン解消制度を適用した初の事例

今回の見解は、一般社団法人ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ(JCBI)が経済産業省の「グレーゾーン解消制度」を通じて行った質問に対する回答として示されたものとなります。

JCBIはウォレットサービス事業者向けの認証インフラを提供している事業者で、世界初のパスキーを使った企業向け生体認証ウォレット開発支援ASPサービス「PassWallet」を開発しています。

今回の見解はこの「PassWallet」に関する質問に回答する形で示されたもので、JCBIは「PassWalletを利用したサービス提供は”他人のために暗号資産の管理をすること”には該当しないため、PassWalletを利用する事業者はカストディ規制対象にならない」と説明しています。

一般社団法人JCBIは経済産業省へのグレーゾーン解消制度の申請を通じて、事業者がPassWalletを利用したブロックチェーンサービスを提供することは、資金決済に関する法律(資金決済法)第2条第15項第4号に規定する「他人のために暗号資産の管理をすること」には該当しない、との回答を金融庁より得て、PassWallet®を利用する事業者がカストディ規制対象とならないことについて確認を取っています。

そのため、事業者は、PassWallet®をコンプライアンスに遵守したサービスとして安心して利用できます。

なお、JCBIは今回の確認が取れたことを受けて、2024年10月9日からPassWallet(パスウォレット)の無償提供を開始しています。

PassWallet(パスウォレット)は、世界初のパスキーを使ってユーザーが顔や指紋の生体認証を行うだけで簡単に利用できるウォレット機能を企業が自社サービスに追加することを支援するASPサービスとなっています。

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Souce:照会書金融庁回答
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル画像:Freepikのライセンス許諾により使用

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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