日本IBM、キリン「氷結」に使用の果実サプライチェーンをブロックチェーンで可視化

キリン「氷結」に使用の果実サプライチェーンがブロックチェーンで可視化

キリンビールより今年5月に発売された「キリン 氷結 mottainai 浜なし(期間限定)」の製造について、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)が、ブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティプラットフォームの導入支援をしていたことが8月2日発表された。

なお日本の飲料業界で、ブロックチェーン活用によるサプライチェーンの可視化をするのは初の事例であるとのこと。

キリンの新シリーズ「氷結 mottainai」は、果実のフードロス削減および農家支援につながる「氷結 mottainaiプロジェクト」による商品だ。同プロジェクトでは、規格の問題で青果販売できず、廃棄される予定の果実を、商品に使用することでフードロスを削減する。また商品の売り上げ1本につき1円を果実農家へ寄付するとともに、今後、さまざまな地域特産の果実を使用することで、継続的に日本全国の果実農家の支援に取り組んでいる。

今回このようなプロジェクトにおいて日本IBMは、社会貢献型商品ならではのサプライチェーンを構築し、原料となる果実の生産者組合から商品の製造に関わる企業までの情報を見える化するトレーサビリティー・プラットフォームの構築と導入を支援したとのこと。

このプラットフォームには、IBMのブロックチェーン・ソリューションである「IBM Supply Chain Intelligence Suite」のモジュール「IBM Blockchain Transparent Supply」が活用されている。

これにより今回の商流の記録に加えて、運搬におけるGHG排出量、再生可能エネルギー調達に関する証跡を含む、サステナビリティーに関連する取り組みの証明書類などの情報をブロックチェーン上で連携することが可能とのことだ。

なお「IBM Blockchain Transparent Supply」には、エンタープライズ向けブロックチェーン基盤の「ハイパーレジャーファブリック(Hyperledger Fabric)」が採用されていると思われる。これについて「あたらしい経済」編集部は、日本IBMへ現在問い合わせを行っている。回答が得られ次第、この記事に追記させていただく予定だ。

IBMによると今後キリンは、ブロックチェーン上の情報を活用し、消費者が果実農家を直接支援し、また、消費者からの支援に対してより明確な活動結果を伝えられる仕組みの実現を目指すとのこと。

またこの仕組みにより、消費者に、サプライチェーンにおける生産・製造に関わるサステナビリティ情報に加えて、果実農家のこだわりやフードロス削減への思いも提供できるようになる見込みとのことだ。

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参考:日本IBM
images:iStocks/iLexx

参照元:ニュース – あたらしい経済

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