【デジタル領域におけるカシオの挑戦】「VIRTUAL G-SHOCK」チームにインタビュー
今回は、カシオ計算機株式会社(以下、カシオ)「VIRTUAL G-SHOCK」担当の佐藤氏と大林氏に、「VIRTUAL G-SHOCK」のNFTプロジェクトについてお話を伺いました。
デジタル時代におけるG-SHOCKの新たな挑戦とその魅力を探ります。
- G-SHOCKのNFTプロジェクトとは?
- どのような経緯でNFTに参入したの?
- 物理的な時計とデジタルNFTの親和性は?
- プロジェクトの今後の展望は?
などの疑問にお答えいただき、G-SHOCKとNFTの融合がもたらす新たな価値の魅力をお伝えしていきます。
G-SHOCKのファンの方、NFTに興味がある方、デジタル時代の新たな時計の楽しみ方を知りたい方はぜひ最後までご覧ください!
デジタル領域におけるカシオの挑戦「VIRTUAL G-SHOCK」
ーー本日はよろしくお願いします。まずは自己紹介をお願いします。
佐藤氏:カシオ計算機株式会社 営業本部 マーケティング統轄部 時計マーケティング部 D2C・CRM企画室の佐藤と申します。
時計、特にG-SHOCKをはじめとしたブランドのマーケティングを担当しています。
「VIRTUAL G-SHOCK」プロジェクトのリーダーを務め、全体の企画やDoodles様とのコラボレーション、Discordの運用も含めて全体を見ています。
大林氏:大林と申します。私は現在、佐藤が進めている領域に加え、D2Cビジネスの両方に携わり、マネジメントもおこなっています。
ーー「VIRTUAL G-SHOCK」のNFTプロジェクトはどのように始まったのですか?
大林氏:2022年の9月に「VIRTUAL G-SHOCK」プロジェクトのチームが結成されました。
社内横断プロジェクトで、マーケティングや商品開発、デザイナー、ソフト設計の専門家など、多種多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まりました。
そこから約1年をかけて準備を進め、2023年9月に一般公開へ至りました。
ーーNFTを導入するに至った背景について教えてください。
佐藤氏:2022年9月以前から、さまざまな部署で個々に「G-SHOCKやカシオとNFTの領域はビジネスとして可能性があるのではないか」という声が上がっていました。私もその中の一人です。
多くの企業がNFTを販売したりメタバースに参入している中で、私たちもメタバース空間上でのアバター着用やコレクションとしての可能性があると感じ、プロジェクトを始めました。
現実世界とデジタル空間のシナジー
ーーどのようなNFTの活用方法を考えましたか?
佐藤氏:G-SHOCKは物理的には耐衝撃性が特徴ですが、デジタル空間でどういったシナジーが生まれるかについてチーム全体で話し合いました。
例えば、メタバースではアバターに腕時計をつけて楽しむ文化が生まれるかもしれませんし、NFTを通じて新しい挑戦に共に挑むコミュニティを作ることができるのではないか、なども考えました。
大林氏:G-SHOCKは過去にさまざまなコラボレーションをおこなっていたため、バーチャルやNFT、メタバースの領域でも新たな文化を創出できるのではないかと考えました。当時、NFT業界ではアートの売買が盛んであり、G-SHOCKのマーケティングの主な要素であるミュージック、ファッション、スポーツ、アートとの親和性が高いと感じました。
ーーNFTを導入するためにどのようなことに気をつけていましたか。
佐藤氏:G-SHOCKは40年以上の歴史があるブランドなので、「既存のG-SHOCKファンを悲しませてはいけない」という点に気をつけながら、今までになかったオリジナリティを持ち、唯一無二の存在のG-SHOCKの強みを活かすことを考えていました。
デジタル空間の「G-SHOCK」が生む新たな価値
ーーNFTの導入において、よかったところや大変だったところはありますか?
佐藤氏:よかったことは、G-SHOCKをあまり知らなかった方々にもNFTという形でお届けでき、Discordでコミュニティを作れたことです。
例えば、G-SHOCK CREATOR PASSというNFTを約1万6000個配布し、カラーデザインコンテストもおこないました。その際に非常に凝ったデザインがたくさん見られ、これまでG-SHOCKに対して馴染みが少なかった方々にも、G-SHOCKのことをたくさん考えていただける機会となりました。
大変だったところは、これまで培ったブランドを毀損しない、かつ新しいことに挑戦する、というバランスを取る必要があったことです。
NFTを16か国で販売しようとしましたが、各国の法務状況を見て判断する必要があり、多くの制約を確認しながら、その中で楽しんでもらえるコンテンツを作るのが難しかったですね。
ーー国をまたぐとなると、法務など課題が多くありそうですね。
大林氏:法令順守は非常に重要な課題です。
当時は法令が整っていない部分もあり、自主判断でおこなうことが多く、社内基準と照らし合わせると慎重になることが多かったです。また、NFTを販売する体制がグローバルでは整っていないため、カシオの各国のチームと調整するのが大変でした。
ーーNFTを活用する際のブロックチェーンはどのチェーンを利用したのですか?
佐藤氏:G-SHOCK CREATOR PASSはPolygonで発行し、VIRTUALl G-SHOCK NFTではEthereum、今年の5月に発行したCASIO WATCHES NFTはAstar zkEVMを利用し、その時々の狙い・ユーザーにあったチェーンで展開しています。
CASIO WATCHES NFTについてはPolygonチームからまずはお声をかけていただきました。
日本の企業が多く参加している日本発のAstarさんは、共にグローバルに広げていくための良いプラットフォームでした。また、カシオの時計が50周年を迎えることもあり、そのタイミングで挑戦したいと思いました。
挑戦する人たちの相棒「G-SHOCK」
ーーどのような方がVIRTUAL G-SHOCK NFTを購入されているのでしょうか?
佐藤氏:「VIRTUAL G-SHOCK」のDiscordやNFT購入者の状況を見ると、G-SHOCKファンよりもNFTに慣れている方が多いです。なかにはG-SHOCKの時計を何本も持っている方で、新しい取り組みを支持していただき、初めてNFTを購入した方もいます。
CASIO WATCHES NFT販売時は、クレジットカードで購入できるスキームもあったため、NFTに不慣れな方々にも参加しやすい環境が整ってきているように思います。
ーーNFTに対する今後の期待をお聞かせください。
佐藤氏:「VIRTUAL G-SHOCK」を通じて、若い人たちとのタッチポイントも増やしていきたいです。G-SHOCKブランドを活用しながら、多くの人々がコミュニティへ参加し、挑戦していくことが重要だと考えています。NFTを基軸に、ゲームやアニメ、メタバースなど、さまざまな領域に広がっていくことを期待しています。
ーー今後の展望についてもお聞かせください。
佐藤氏:NFTを活用し、バーチャル領域でG-SHOCKが活躍できるようにしていきたいです。Web3の領域で挑戦する人たちの相棒として、G-SHOCKが位置づけられ、リアルでもバーチャルでも、挑戦を支える存在でありたいと思っています。
そのために我々は、G-SHOCKブランドの価値を守りつつ、新しい技術や市場に挑戦していきます。
NFTは私たちのブランドとユーザーの双方にとって新しい価値を提供できると確信しているので、今後もさまざまなチャレンジを続け、ブランドの成長を目指していきます。
- 「VIRTUAL G-SHOCK」サービスページ
https://gshock.casio.com/jp/virtual - 「VIRTUAL G-SHOCK NFT」サービスページ
https://gshock.casio.com/jp/virtual/virtualgshocknft-001 - 「G-SHOCK CREATOR PASS」サービスページ
https://gshock.casio.com/jp/virtual/creator-pass - 「VIRTUAL G-SHOCK」公式X(日本語)
https://twitter.com/VIRTUALGSHOCKJP - 「VIRTUAL G-SHOCK」公式X(グローバル)
https://twitter.com/VIRTUALGSHOCK - 「VIRTUAL G-SHOCK」Discord
https://discord.com/invite/virtualgshock
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