【独自取材】新垣結衣NFTが当たるキャンペーンを実施したアサヒ飲料さんにインタビュー
2023年5月末、新垣結衣さんのNFTが景品として当たる『十六茶30周年キャンペーン』が実施されるとのことで、ネット上では大きな話題になりました。
今回は、十六茶30周年キャンペーンを実施したアサヒ飲料の加藤僚さんにインタビューを行いました。
新垣結衣NFTが景品となった『十六茶30周年キャンペーン』の概要
今回取り上げる『十六茶30周年キャンペーン』は、今年5月から4ヶ月間にわたって実施されたキャンペーンです。
対象商品を購入するごとにシールを貰えて、貯めたシール数に応じて希望のコースに応募できるマイレージ型のキャンペーンとなっています。
キャンペーンの概要は以下の通りです。
【十六茶30周年キャンペーンの概要】
キャンペーン期間:2023年5月30日〜9月29日
景品:
4本マルチパックの購入者 LINEポイント50ポイント:全員
1本コース 選べるデジタルポイント:3,000人
4本コース 日本厳選 食品・雑貨 電子カタログギフト:1,000人
6本コース 十六茶オリジナル 新垣結衣NFT:100人
同キャンペーンについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
今回のキャンペーンでNFTを景品として選んだ背景・狙いについて教えてください。
今回のキャンペーンは、NFTを軸として組まれたものではありません。
十六茶を拡販するという目的に沿ったなかで、キャンペーン景品によりロイヤル化を図りたいというところが大前提にありました。
特に、十六茶は長らく新垣結衣さんをテレビCMで起用しており、新垣結衣さんと親和性が高く、魅力的な景品を探していたということが背景にあります。
そんな中で、去年NFT Mediaさんを拝見して、ももクロNFTが大きく話題になった話を知りました。そこから着想を得て、新垣結衣さんに関連するNFTがキャンペーンの景品として魅力的なものになると考え、今回のキャンペーンに至りました。
キャンペーンの応募総数はどのくらいになりますか?
今回のキャンペーンはマイレージ型で、応募コースも3つあったため、新垣結衣NFTに対する応募数を正確に把握するのが難しい状況でした。そのため、具体的な数値は見えていないというのが答えになってしまいます、、。
応募数の内訳をお話しすると、1本コースのようなすぐに現物がもらえるコースの方が、圧倒的に多かったです。新垣結衣NFTは6本コースという、ロイヤルユーザー向けの景品として設定していたこともあり、1本コースに比べるとやや少なめな応募数という印象でした。
全体の総数については80万応募ぐらいですね。水準としては、こちらも正確な数値は出せていないものの、他のキャンペーンと比べて平均的です。
新垣結衣NFTに当選された方々の反応をお聞かせください。
直接的な反応が届いてるわけではありませんが、Twitter(現X)を中心としたSNSの情報を見ていると、当選された方のロイヤリティはかなり高まっていると評価しています。
やはり”新垣結衣のNFT”というフックが強かったこともあり、新垣結衣さんのNFTなら欲しい!と思う方に対してしっかりと届けることができたので、そういった方々に対してはロイヤリティがあったのかなと思っています。
アサヒ飲料さんがNFTをプレゼントする企画は今回が初めてになりますが、初の取り組みで想定通り上手くいった点・想定外だった点を教えてください。
想定通り上手くいった点
上手くいった点としては、新垣結衣さんのNFTというフックの強さを活かしきれたことですね。
「ガッキーのNFTをもらえるならやってみようかな」という反応はSNSで多く見られたので、一定の話題性みたいなものは目的通り達成できたと思っています。
また、ターゲットに関しては、以前からNFTに触れている方というより、元々、新垣結衣さんのファンだった方に重きを置いています。新垣結衣さんのコアファンに対して、何かしらのロイヤリティを示す手法として、NFTを提供することは考えていました。
想定外だった点
想定外というか反省点に感じているのは、新垣結衣NFTはNFTではあるものの、LINE NFTでの売買ができない点ですね。
NFT本来の魅力は、売買をすることに価値があると思っているので、それができないというのは大きな反省点かなと思っています、、。
キャンペーン終了後、新垣結衣さんや事務所側の反応があれば教えてください。
キャンペーンを終えてみての反応はまだお聞きできていませんが、今後レビューを行う予定です。
ですが、少なくとも初めて新垣結衣NFTの話をした際の事務所さんの反応としては、新しいことに対して積極的な姿勢を取っているように感じられました。
今回のキャンペーンで、NFTを最上位の賞品に設定した背景があれば教えてください。
まず、十六茶のターゲットをライト層/ミドル層/ヘビー層と3分割した時に、6本コースを新垣結衣NFTにするのが、最もヘビー層の購買喚起につながると判断しました。
景品の金額で判断するというよりは、景品自体のロイヤリティを考慮して、ヘビー層をターゲティングした結果、NFTを最上位に設定したという流れです。
LINE NFTの活用について
NFTの発行においてLINE NFTを活用する背景を教えてください。
LINE NFTを活用する背景としては、LINEでのいわゆるユニークユーザーのアカウント数を弊社でまとめているのが一番の理由になりますね。
将来的な販促活動を考えると、LINEを使用することで、ユニークユーザーに対してより細かいニーズに対応できると思っています。
例えば、普段からカルピスを飲んでいる人に対しては、カルピス関連のクーポンを提供するなどですね。LINEを活用することで、全体を統括した販促活動ができないかといった構想があります。
そういった構想がある中で、 LINE NFTはLINEにおける弊社のユニークユーザーを貯めていく手法の一つとして捉えています。
結果的に、LINE NFTを使用するのは、データ販促物を活用することによるユニークユーザーの獲得が一番大きな目的となっています。
構想の中にブロックチェーンを活用した取り組みはまだ検討されていない状態でしょうか?
最終的にそこに持っていくのが、おそらくNFTを活用する本来の目的だとは思っています。しかし、現状はブロックチェーンが日本全体に浸透しきっていないことから、取り組みには入っていません。
また、飲料のように幅広い年齢層をターゲットにするときには、NFT関連のプラットフォームとして日本で一番大きいとされるLINE NFTを活用させていただきました。
LINE NFTで構築したこのような基盤(いわば、ホルダー総数)を基に今後、構想している企画はありますか?
現段階でNFTを活用した企画というものはありませんが、デジタルのユニークユーザーを集めることを大きな目的として置いてはいるので、他のブランドも含めて、将来的にNFTを活用する可能性は大いにあると思います。
従来のプロモーションとNFTやブロックチェーンを活用したWeb3的なプロモーションの違いはどの部分で出していく予定ですか?
違いでいうと、ターゲットをどこの年代に置くかが重要になりますよね。
例えば、高齢者層の場合、ブロックチェーンに関する知見がなかったりするので、現物的な従来の販促キャンペーンが良いと思っています。
逆に、Z世代のような若年層をターゲットとする場合、より先進的な方法を活用することがターゲットにささる可能性が高いでしょう。
したがって、マーケティングをしていく中で、各ブランドの目的に合うもので、適切なプロモーション方法を模索していく方法が良いかなと思います。
参照元:NFT Media