~Web3を活用した新たなコレクティブル市場を創造する~「Unikura」を提供する新興企業VELVETTのCEO原田大作氏にインタビュー
2023年8月31日、コレクティブルアイテムとNFTを紐づけた、まったく新しいサービス「Unikura(ユニクラ)」が発表されました。
トレーディングカードやスニーカーなど、希少性の高いアイテムの所有権をNFTにすることで、コレクターが抱える問題の解決と、より自由な取引環境の提供を目指します。
今回は「Unikura」を運営する企業、VELVETT.PTE.LTD.(以下、VELVETT)のCEOである原田大作氏にお話を伺いました。
「Unikura」の詳しいサービス内容やサービスを作るきっかけ、今後の展開についても伺っていきます。
NFT好きの方はもちろん、コレクティブルアイテムが好きな方はぜひ最後までご覧ください!
Q. 簡単にご経歴を教えてください。
最初は、7年ほどモバイルインターネット✕デジタルエンターテイメント業界で仕事をしていました。その後独立して、2011年に1つ目の会社「ザワット株式会社」を起業します。
ザワット株式会社では、CtoCのマーケットプレイスを提供していましたが、2017年にフリマアプリを運営する上場企業に買収されまして、その後は5年ほどそこの子会社の社長やプロダクトヘッド、グループの経営戦略室Directorとして働きました。
その一方で、起業家コミュニティの「千葉道場ファンド」の発起人として、ファンドの立ち上げやFellowとしてのお手伝いもしてきました。
「Unikura」を運営するVELVETTは、前職を退社したあとの2022年10月20日に、シンガポール法人としてオンラインで設立しましたが、実際にサービスの開発を始めたのは2023年の2~3月くらいからなので、実はまだまだ新しい会社なんです。
Q. 今回発表された「Unikura」は、どのようなサービスなのでしょうか?
「Unikura」は、Physical-Backed Token、日本語だと「現物資産を担保としたNFT」を取り扱うマーケットプレイスです。
昨今、海外ではリアルワールドアセット(RWA)のトークン化が盛り上がりをみせています。これまで、証券、不動産、美術品のようなものの証明書や所有権は、物理的な紙や改ざん可能なデータベースに保管されていました。それらの資産の管理手段をブロックチェーン上に作り出し、新しい流動性を生み出そうとする流れが、RWAの核となる考え方だと思います。
僕たちは、美術品やトレーディングカード、腕時計、スニーカーなど、いわゆる「コレクティブルアイテム(収集品)」と呼ばれる趣味の品に特化したサービスを提供しています。
Q. 「コレクティブルアイテム」に特化したサービスを開発しようと思ったきっかけはなんでしょうか?
新型コロナウイルスで行動規制がされる中、やはり家での時間を充実させることが大切だと思い、個人的に気になっていた”現代アート”を買ってみたんです。
いざ買ってみると、コレクティブルアイテムには、なかなか奥深い世界がありました。
1つ作品を買うと、その作品を制作したアーティストさんをもっと深く知りたくなりますし、共通の趣味嗜好を持った人を探して語り合ったりした結果、さらに他の作品も欲しくなり深みにハマっていくんですよね。
それに、価値のある品や希少性の高いアイテムって、持ってるうちに値段(市場価値)が上がるケースがあるんです。これって、消費じゃなくて一種の投資だなと気づきました。
以前、フリマアプリの会社にいた頃に感じたことなのですが、スニーカーなどの価値の高いアイテムほど何回も取引される傾向にあり、流通取引総額への貢献も大きい傾向があったんです。また、コアなコレクターさんはECサイト上で購入ボタンをポチった時点で所有感を感じており、商品が家に届いた後、箱を開けもせず保存しているという方も多くいらっしゃいました。
そんな背景に面白さを感じて、「Unikura」の開発に思い至りました。
Q. 原田さんは、他にどのようなコレクティブルアイテムを購入しているのですか?
個人的には、アートや腕時計、トレーディングカードを買ったりしています。
コレクティブルアイテムは、集めるだけで楽しいですし、良い品を手に入れれば、後から価格が高騰することもあります。
趣味が同じ仲間もできて、共通の話題ですごく盛り上がったりするので、そういった側面でもとても魅力を感じています。
ただ、物理的な物を集めていくので、部屋がどんどん圧迫されて狭くなっていくんですよね。妻にも怒られちゃいました(笑)。
Q. ご自身でコレクティブルアイテムを買ってみて、気づいたことはありますか?
まずは、やはり先ほどお伝えした保管場所の問題がありますね。
シンガポールや香港のコレクターの方々からは「家が狭いから、(買っても)置く場所がない」といった声があがっていました。
それに、いざ自分が保有するコレクションを売ろうと思っても、数十〜数百万円する高額商品は、従来のフリマアプリではなかなか決済されにくく、出品しづらいですし、世界的なオークションで売るとなると、手数料が20%前後かかってしまうことや、出品まで数ヶ月、数年待ちということもあるようで、なかなか難しかったのです。。
かといって、金融資産のように運用して利回りが出るものでもないので、持っているだけではお金は稼げません。
さらに購入サイドとしては日本人というよりは海外のコレクターさんが対象となることが多いと思うのですが、国をまたぐため、決済手数料や配送費、相手側に関税もかかるというハードルの高さがあります。
コレクティブルアイテムは、売買するにしても保有するにしても、いろいろな課題があると感じました。
こういった課題の解決に、「Unikura」はお役に立てると思っています!
Q. 従来のコレクターの悩みを解決できるという「Unikura」ですが、どのような仕組みになっているのでしょうか?
「Unikura」では、現物資産の所有権をイーサリアムに結びつけて、NFTとして管理しています。そのNFTには、売買契約とその後の取引のルール、商品の確からしさの証明がプロトコルに入れられています。
現物のアイテムではなくNFTの売買になるので、お客様同士が直接ウォレットで決済します。第三者の決済代行事業者を利用する従来のマーケットプレイスに比べると、その分、コストを抑えることが可能です。
また、「Unikura」では、セラー(売り手)様に多くのメリットを設けています。
まずは、ロイヤリティ収益が得られるシステムです。
NFTが2次流通、3次流通と売却されるたびに、最初にアイテムをNFTにしたオーナー様にロイヤリティ手数料が入る仕組みを導入しました。従来の売買だと、アイテムを手放すとそれっきりになってしまうので、セラーとしては寂しさを感じるんですよね。
そんな気持ちを解消できるかなと思っています。
つぎに、出品時の手数料ですが、現在のところ、セラー様からは一切いただかない予定です。どんどん気軽にアイテムを預けていただければと思います。
一方、バイヤー(買い手)様のメリットは、オンチェーンのイーサリアムを用いたNFTなので、「Unikura」に限らず、他社のマーケットプレイスでも容易に売買ができるという点です。
こちらは現在、ほかのマーケットプレイスでもわかりやすい手順で売買できるように整える提携を進めております。
Q. 取引はNFTで行われるとのことですが、預けられたコレクティブルアイテム(現物)はどのように管理されるのでしょうか?
弊社は日本のトップティアのアート倉庫様と連携しており、セラー様から預けられたコレクティブルアイテムの現物はそちらで保管しております。
「本当にこのコレクティブルアイテムがあるのか?」と不安に感じる方もいらっしゃると思いますので、NFTホルダー様であれば、現物の閲覧も可能です。セキュリティの観点から倉庫の場所は公開できませんが、事前にご連絡をいただければ我々がアテンドさせていただきます。
また、NFTのホルダー様から「現物が手元に欲しい」というご要望があった際には、NFTを特定の処理で破棄していただいた上で配送料をご負担いただければ、国際配送でお手元にお送りすることも可能です。
Q. バイヤー(ホルダー)は購入後も現物は倉庫に預けるということですね。その際の手数料や保管料はどうなるのでしょうか?
保管料はバイヤー(ホルダー)様にお支払いいただきます。まだ無料で展開しているのですが、タイミングが来たら有料化させていただきたいと考えています。
Q. 今後の展開や取り組みを教えてください。
「Unikura」では、Web3市場よりもコレクティブルマーケットという市場を見ているのですが、コレクティブルマーケットは世界で拡大しており、すでに顕在化している確実な成長市場です。
特にシンガポールや香港、台湾などのアジアパシフィック地域が、国際的にもこの市場を牽引していており、クリプトに対する政府からの反応も比較的ポジティブなので、相性が良いのではないかと思っています。
Unikura 公式サイト:https://www.unikura.xyz/
Unikura 公式X:https://twitter.com/Unikura_NF
原田大作 公式X:https://twitter.com/Ginsaku
参照元:NFT Media