西野亮廣氏、鴨頭嘉人氏などのインフルエンサーがNFTに続々と参入している理由と今後の展開
インフルエンサーのNFT参入が続いています。なぜインフルエンサーのNFT参入が続いているのか、今後はどんなインフルエンサーがNFTに参入するのか。あのインフルエンサーはNFTをどう考えているのかをまとめます。
はじめに
近年話題となっているNFT。様々な人が参戦していますが、中でも芸能人やインフルエンサーと呼ばれる人達がこぞって参入しています。以下の方たちがNFTに様々なかたちで取り組んでいます。
- イケハヤ
- 西野亮廣(キングコング)
- 広瀬すず
- 鴨頭嘉人
- レイザーラモンHG
こうした著名人が参入しているのには、いろいろな理由があります。多くはNFTにはさまざまな可能性があると感じているからのようです。なかでも、ビジネスに役立つことが背景にあるのは間違いありません。
あらためて、NFTの特徴をおさらいしておくと、NFTはデジタルデータに希少性・唯一性を持たせられます。これまで、簡単に複製可能で、データ自体には価値がないと判断されていたデジタルデータが、普遍的な価値をもつものとして取引することも可能になったのです。
1度販売を開始すれば、その希少性から金額が上がることもあり、取引が行われるたびに売上の数パーセントが制作者本人に還元されます。活発に売買されるほど、出品者にとってメリットが大きくなります。
購入者は、金額が下がった時に購入し、上がった時に売買すれば利益を得られます。そのため投資目的に参入している方も多く、株式と同じ感覚で売買されることもあります。
インフルエンサーには一定のファンがいるため、NFTを発表すればあらかじめ販売ルートを確保できます。そういった点から著名人にとって新しいビジネスマーケットになり、コミュニティ形成やNFTの普及などを目的に活用され、NFT注目が集めているのです。
現在、NFTは投資・ビジネス両方の面において、非常に魅力的な可能性を持っていると多くの人が気がつき始めています。
インフルエンサーによるNFT参入事例3選
ここかはらインフルエンサーによる具体的な参入事例を紹介します。本記事ではNFTに注目するインフルエンサーのなかでも、特徴的な活動をする3人を掘り下げていきます。
- 西野亮廣(キングコング)
- 鴨頭嘉人
- イケハヤ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
西野亮廣
引用元:西野亮廣「CHIMNEY TOWN DAO OpenSea販売ページ」
お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣氏もNFTへ参入したインフルエンサーの1人です。お笑いだけでなく、絵本作家やオンラインサロン主宰など多くの事業を手がけている西野氏は、あえて一部で世界的NFT幻滅期と呼ばれる今になって参入をしました。
西野氏がNFTとして手がけたのは、SNSのプロフィール画像として使えるNFTです。ゴミを題材に可愛らしいキャラクターが描かれています。
しかし、なぜ、世界的にNFTへの盛り上がりが薄れつつあるタイミングで、NFTに参入したのでしょうか。NFTを投資先として考えていた投資家たちがこぞって離れたといわれる状況では、せっかくのNFTキャラクターにも以前ほど注目が集まりません。
タイミングを逸しているようにも感じられますが、西野氏は今しかないと豪語しています。その理由として、以下のような理由を述べています。
- 相対的価値のNFT:投資家向け
- 絶対的価値のNFT:ファン(コレクター向け)
それは、従来のように値上がりを期待する投資家にNFTを販売するのではなく、有名インフルエンサーのつくりがした価値あるキャラクターとしてファンに向けて販売しているのです。西野氏は価値創造というコンセプトを掲げていますが、彼なりに自分の中にある基準をもとに行動しているのでしょう。
そのために西野氏はまずCHIMNEY TOWN DAOをDAOについて学ぶオンライン勉強会に参加した人に無料で配布しました。この効果は凄まじく、たった数日でDAO参加者が2,000人を超えるほど。
その後、満を持してOpenSeaに出品されたNFTは約115万円で落札され、現在もその価値を上げ続けています。NFTの新しい形として成功した事例といえるでしょう。
鴨頭嘉人
鴨頭嘉人氏は実業家であり、年間に300本以上の講演をこなすインフルエンサーです。鴨頭氏は「Web3おじさん」になるべく、NFTを知るために参入しました。
そもそも鴨頭氏が提唱するWeb3おじさんとは、以下のような概念です。
- Web2おじさん:自分の嗜好に合った時計や車などを身につけ、センスの良さをアピールするおじさん
- Web3おじさん:自分の嗜好に合ったNFT購入して所持し、世界中にアピールするおじさん
つまり、現実の物ではなくWeb世界で希少性の高いNFTを身につけてアピールしようという考え方となっています。一歩進んだキャラクターとして自分をブランディングしていると言えそうです。こうした考え方を、自分が得意とするセミナーを通じて、「Web3おじさん1万人育成計画」を始動しました。オンライン配信でNFT超超初級講座も開催しています。
また鴨頭氏は自らもNFTを購入し、どのようなものかを実際に体験しているのも見逃せません。
- AIが見た和歌のかたち展
- CLONE X
- CryptoNinja Partners
鴨頭氏は自身のTwitterアイコンまでNFTに変えています。NFTの世界を賑わせたいという思いから、更に購入企画まで構想しています。
Twitter上で若いクリエイターを応援する「パトロン購入企画」は、大きな注目を集めました。
企画内容は非常に明快です。購入して欲しいNFTをTwitter上で募集し、鴨頭氏が3ETH(当時の時価で約70万円)分を購入して応援するというものです。
NFTは売買されることによって、クリエイターに還元されます。クリエイターを応援しているけど、自分だけでは買い支えられない人とつながることで、NFT市場に注目を集め、市場自体を下支えしていこうと実践しているようです。こうした点から見ても、鴨頭氏の取り組みは国内NFTを盛り上げていると言えるでしょう。
また、最近では自身がNFTプロジェクトを立ち上げたことを発表しました。
イケハヤ
引用元:CryptoNinja公式サイト
イケハヤ氏は、CryptoNinjaをプロデュースしている日本NFT界の先陣を切っている人物です。専業ブロガーとして活躍していこともあり、その知名度はWebでは非常に高いと言えます。
近年は日本のWeb3.0界隈の先駆者として、Ninja DAOを運営しています。その中で生まれたのがCryptoNinjaです。また、先述した鴨頭氏が購入したNFTであるCryptoNinja Partnersもイケハヤ氏が手がけています。
CryptoNinjaは二次創作が盛んなのも特徴で、CryptoNinjaを題材にしたNFTや3Dキャラクターはもちろん、小説・音楽といった様々な媒体で多くのクリエイターが創作しています。この自由度こそ、CryptoNinjaが多くの人に愛されている理由です。
中でもイケハヤ氏が重視しているのが日本市場です。日本で実績を作ることを意識して制作されたのがCryptoNinjaです。一足飛びで海外にリーチするのではなく、海外コレクターが注目するような作品をまず日本の中から生み出すことを目指しています。
結果的にこの試みは成功し、今では海外でも広く知られるNFTコレクションとなっています。
イケハヤ氏の事例からわかるように、NFTはただ出品すれば良いのではなく、戦略とマーケティングがその成否を分けます。
NFTへの参入を考えているクリエイターたちのために、さまざまな実践的手法を発信しているのもイケハヤ氏ならではでしょう。
インフルエンサーがNFTの取り組みを行うことのメリット
インフルエンサーがNFTに取り組むことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
近年、インフルエンサーは大きな影響力を持っています。ともすれば芸能人以上に大きな市場を生み出すことも珍しくありません。そのため、インフルエンサーがNFTに注目することで、以下の効果が期待されています。
- NFTの認知度向上
- 信頼性向上
- 市場の拡大
中でも最も期待されているのは、認知度向上です。Web3という言葉はあちこちで耳にするものの、あくまでインターネット界隈の局地的なよく分からないものの1つと捉えている方はまだまだ多いようです。そうした、ライト層や一般層にもNFTとその可能性を、広く知ってもらうためにもNFTの認知度向上は重要です。
同様にインフルエンサーが参入することで、信頼性の向上も期待できます。インターネット自体はありふれた存在になっているものの、次々と出てくる新しい概念や現象には不信感や警戒感を抱いている方は一定数います。
特にNFTは資産価値を持つ物なので、その信頼性は重要です。信頼性をどこまで向上できるかは、多くの方が利用するためには必須ですし、同時に利用者が増えることでしか確保できないものでもあります。
以上の2点が向上すれば、市場は自然と拡大していきます。今回事例として紹介した西野氏・鴨頭氏・イケハヤ氏に共通しているのは、NFTの将来を見越して、自分の知名度を使って認知度を向上させることを重視したことです。
NFT自体の認知度が向上すれば、企業や団体も参入しやすくなり、コレクターも増えるでしょう。ビジネスとしても大きなチャンスとなるため、インフルエンサーがNFTの取り組みを行うメリットは非常に大きいと言えます。
日本におけるNFT市場の拡大のためにも、インフルエンサーによるNFT展開は歓迎されています。将来的に、NFT市場が大きくなって行く際に、最も早い時期にNFTに取り組んだインフルエンサーの先見性は高く評価されるでしょう。
参照元:NFT Media