NFTの可能性、メタバースで利用される相乗効果に期待高まる
アイデアやストーリーそのものが、人々の心を打つことがあります。例えば、イタリア人のサルバトーレ・ガラウ(Salvatore Garau)氏というアーティストが「Io Sono」と名づけた作品がオークションにおいて18,000ドル(約198万4,000円)で落札されましたが、この作品は実体が存在しない「目には見えない彫刻」であり、アイデアを評価しての価格が設定されている状況です。
このケースが、2021年半ばまでのほとんどのNFT(Non-Fungible Token:非代替トークン)を象徴しています。記憶に残る事象や瞬間、アート、そして「デジタルを自慢する権利」などの言葉は、多くの人が手にするNFTを的確に説明していると言えるでしょう。
NFTが目指すもの
NFT業界が目指すところは、モダン・アートのコレクションのように思えますが、実際にはそれ以上の可能性を秘めています。その一例としては、「トゥークレイジー(2Crazy)」による全く新しいプロジェクトが挙げられるでしょう。
We're excited to present to you our brand-new video!
Let's show you what 2Crazy is all about..
After watching, you'll know what we do, how you will benefit from it, and why we're so confident that 2Crazy will revolutionize eSports & crypto.
Let us know what you think!
$2CRZ pic.twitter.com/5szgGKmvwO
— 2Crazy (@2crazylive) June 12, 2021
2Crazyとは、NFTを「デジタルの世界で自慢する権利」としてだけではなく、ゲーム内アイテムや実際の商品、トーナメントの参加券など実際に使用することを構想に加えたeスポーツ向けのNFTプラットフォームとなっています
NFTは非代替トークンの1種です。まず、代替性とは何かと言うと、お互いに交換が可能なことです。ビットコイン(BTC:Bitcoin)を例に挙げれば、ある人物が所有する1BTCは、その友人が所有する1BTCと価値は等しく、「どの1BTCを持っているのか」ということは関係ありません。一方、NFTのトランザクションはすべて記録され、所有権の確認のために公開されることで、所有者が誰であるのかを明確にしています。
現在NFTは未だに実験的で初期段階にあるものの、多くの人々の注目を集めながら、予想以上の広がりを見せています。その中で未知の可能性を秘めているのがメタバース(ネットワーク上の仮想空間)です。
物質世界とデジタル世界の融合
多くの人がソーシャルメディアの中で「デジタルな個人」を持っていますが、将来的には生活の一部が仮想空間で行われることになるでしょう。この仮想空間こそNFTが役割を果たす場所になります。
現在NFTとVR(Virtual Reality)とは、新しい産業分野として大躍進の一歩手前に来ています。この2つの技術が融合すると、想像を超えた高い相乗効果を生み出す可能性があります。
VR事業スタートアップのセンサリウム(Sensorium Corporation)社と、SENSOプロジェクトで副CEO(最高経営責任者)を務めるアレックス・ブラジレフ(Alex Blagirev)氏は、VRの中におけるNFTについて、「最新世代のバーチャルリアリティーは、マルチプレイヤー・ゲームとソーシャルメディアとの中間点にあり、ゲーム内には完全にトークン化できる多くのコンテンツがある。最も分かりやすい例はユーザー自身のアバターだ。将来的にユーザーは自身のアバターをNFT化して、VRのメタバース間を自由に移動できるようになるかもしれない。それはまるで別々のビデオゲームの中で、同じキャラクターを演じるようなものだろう」と述べています。
【参考】
・The Evolution of NFTS, More Than a Story?
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参照元:CoinChoice