ビットコイン(BTC)が2017年の過去最高値を更新して1000万円を目指すために必要なものは
2020年10月からビットコイン(BTC)が強気相場に突入しています。複数の米国の上場企業がビットコインをバランスシートに組み入れをしはじめたことや、ペイパル(PayPal)がビットコインの取り扱い開始することを表明することがきっかけになっています。
ビットコインが1000万円を目指すためは?
この強気相場がどれだけ続くかは分かりません。この相場に限らず、筆者はビットコインが2017年の過去最高値を目指すサイクルあるいは1,000万円を目指すような相場展開になるには、長期ビジョンやナラティブが市場で共有されることが必要ではないかと考えています。
非中央集権のネットワークのビットコインやイーサリアム(Ethereum)が5年後や10年後どうなるかといった長期ビジョンを語る主体は存在しません。初期のAmazonはいくら赤字でもジェフベゾスが、20年後は凄くなると毎年株主総会で対話しましたが、ビットコインはそのような長期ストーリーを説明する人物は存在しないのです。
その点でビットコインが長期的にどのようなものになるかを市場参加者がイメージを持つことは重要な要素だと言えます。こうのような長期ビジョンとナラティブはそれぞれが主張すれば良いのですが、筆者が提案するとすれば「ビットコインはデジタル・ゴールド以上の存在である」というビジョンです。
ビットコインはデジタル・ゴールド以上の存在である
「ビットコインはデジタルゴールドである」というのは良い表現ですが、実際にはゴールド以上のものです。その要素として、次のようなことが挙げられます。
- 数年後にはゴールド以上に低インフレになること
- プログラマブルであること
- 決済性、監査性、偽造検出性での優位性
- 分散ネットワークというアーキテクチャの優位性
まずインフレ率については、ビットコインは今年の半減期以降、毎年現在の供給量に対して約2.5%ほど新しくマイニングされます。ゴールドも同じくらいで毎年2-3%が新規採掘されています。そして、ビットコインは3年後の次の半減期では新規採掘が1.25%程度になり、インフレ率の観点ではゴールド以上に希少なアセットになります。
次にプログラマブルであるという観点で、ソフトウェアか純粋な原子かの違いです。ビットコインはHTLCやLightning Networkなどさまざまな新しい技術を拡張でき、拡張性が高いということは利便性が高いといえます。
決済性については、法定通貨よりは決済性はよくないものの、ゴールドよりははるかに優れています。買い物でも利用しようと思えば利用できます。また今年3月にはゴールドの先物のセトルメントで現物受け渡しがスタックしたというような事件がありましたが、ビットコインの現物のセトルメントはより簡単に完了します。
重要な監査性はコストが安いだけでなく新しいアプリケーションも生みます。現在イーサリアム上のWBTCが1,000億円分以上流通しています。これはビットゴー(Bitgo)がカストディして発行する形式ですが、きちんと保管しているかをブロックチェーン上でリアルタイムの検証ができるからこそ安心して使うことができます。ゴールドで同様のことを行うにはどうしても監査コストは高くなり、高い監査コストを支払ってもWBTCの方が高い透明性があります。
そもそも分散ネットワークというアーキテクチャ自体がアセットとしてゴールドより優れている点を形成しています。ビットコインがわずか10年でこれだけ流動性が高いアセットになったのは、誰でもノード建てられてネットワークの最新の状態を保持できることによって、誰でも取引所を作れて流動性を作ることができたからです。
ビットコインがゴールドより優れているというストーリー
ビットコインがゴールド以上のものであるというのは、アセットとしての性質の違いだけでなく、10年先くらいで50倍の価格に向かう相場のストーリーにおいてもとても重要だと筆者は考えています。現在の価格から50倍や100倍といった数字は、ゴールドより優れたアセットではないか?というストーリーが世間に醸成されないと実現しない価格帯です。
筆者のイメージではビットコインをデジタルゴールドと世間が認めるフェーズがあと3年続き、そのあとでデジタルゴールド以上のものだと認識するフェーズがさらに3年続くような想定をしています。本当の長期の強気相場に突入するのはナラティブの醸成が必要でしょう。
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参照元:CoinChoice