MastercardがIOTAのTangleを利用した支払いシステム特許を取得

センタリング

8月20日、マスターカード(Mastercard)のアジア・太平洋部門が欧州特許庁において特許を取得しました。これは2019年2月に最初の出願が行われたもので、「Tangle(タングル)ネットワークに基づいた、マイクロペイメント一括管理手法とシステム」として認可されました。

Tangleを強調するマスターカード

非ブロックチェーン分散型台帳技術のTangleを利用した仮想通貨の中で最人気のある通貨であろうアイオータ(MIOTA:IOTA)には言及しないものの、Mastercard開発部門のディレクターであるベンサム・ジョイソン(Joyson Bensam)氏ら関係者がTangleを強調したことが、IOTAのサポーターを歓喜させています。

特許はブロックチェーンまたはTangleに基づいていますが、Mastercardは17回も出願書で述べている通り、Tangleによりウェイトを置いています。マスターカードはTangleについて、トランザクション保管のための有向非巡回グラフ(DAG:Directed Acyclic Graph)であると述べています。

DAGとは、一方向に取引と承認が進むブロックチェーンとは違い、複数のチャネルでブロックをつなげることができる技術です。そのため処理が高速で、スケーラビリティ問題もないとされています。

今回特許で申請されたシステムの仕組みとして、ユーザー証明書を含むトランザクションが、ハードウェア・デバイスとデバイス・コントローラーを通じて、Mastercard APACのデータストレージシステムに送られます。その後Tangleもしくはブロックチェーンにアウトプットされるとのことです。

ループ状態となったデータストレージシステムの一部は、ユーザー詳細情報と取引手数料からなるトランザクションを登録するアグリゲーターノードになります。このノードは、使用料の請求書を含むトランザクションを作成することができます。

透明性と審査可能性にあるMastercardの強み

Mastercardはオープンな考え方を持っており、従来の技術に比較して利点が多く、かつMastercardのニーズに合わせてカスタマイズ可能で透明性のある限り、どの台帳システムでも選ぶことができます。

そのため、選択されたプラットフォームは、十分に審査可能なほど透明性が高い必要があります。さらに詐欺を阻止するために、詐欺の追跡情報をシステムが組み込まれたデバイスに送信し、取引の正当性を証明できなければなりません。

MastercardがIOTAを選ぶ可能性

今回のニュースは、Mastercardがオープンソースのソフトウェアに、少なからず興味があることの表れです。多くの企業が何十もの特許を出願していますが、資本投下を促すレベルで実現したものはこれまでありません。

TangleとIOTAが置き換え可能であるにもかかわらず、今回の特許はMastercard APACがIOTAを選ぶという意思表示ではありません。ただ、8月19日に行われたIOTAのアップデート「Chrysalis 1.5」により、完全な分散化に少しずつ近づいているそうです。

参考
Mastercard Bags Data Storage System Patent That Explores IOTA’s Tangle for Payment

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参照元:CoinChoice

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