ブロックチェーンゲームなどのNFTを直接個人間取引できるDEXが開発中
NFTがDEXで取引可能に?
ポリエント(Polyient)のゲーム部門であるポリエント・ゲームス(Polyient Games)が7月29日、ブロックチェーン開発企業のアバランチ・ラボ(Avalanche Labs)社と共同で、代替不可トークン(NFT:Non-Fungible Token)用の分散型取引所(DEX)の開発を行っているとの発表がありました。2社の提携には、イーサリアム(ETH:Ethereum)の利用拡大の狙いもあるようです。
Avalancheは2020年7月15日から7月29日までの期間、自社トークン「AVAX」のパブリックセールを行い、4,250万ドル(約46億7,500万円)の資金調達に成功しました。これで同社は企業および個人投資家から、総額で6,000万ドル(約66億円)の資金を集めたことになります。そして現在、ブロックチェーンゲームとNFT関連への投資を主とするベンチャーファンドのPolyient社と共同でDEXを開発中です。
共同開発中のDEXは、Polyient Gamesのマーケットプレイスの一部として、コレクション性のある商品やプロジェクトからの製品となったNFTの個人間取引を可能にします。また、このDEXでは「XPGP」と呼ばれるPolient Games独自のユーティリティトークンが使われることも発表されました。Polyient Gamesでは、PGFKトークンが報酬獲得権やゲームへの早期アクセス権として使われており、1,000XPGPが1PGFKとして交換可能となっています。
そして、このXPGPトークンはPolyent Games内の他のアプリケーションにおけるNFTに対しても取引ペアとして機能します。Polyient社の発表によれば、そこにはゲーム内通貨やAvalanche製のブロックチェーンに関わる他のブロックチェーンのNFTトークンも含まれており、この仕組みによって、イーサリアム(Ethereum)とAvalanche間での、より効率的なやりとりを可能にするとのことです。
NFT版DEXは「イーサリアム・キラー」になり得るか
今後数週間の内にPolyient Gamesでは、AVAXとXPGPとの交換が仲介者なしで可能となるマーケットをローンチする予定です。Polyient Gamesのエコシステムに携わるメンバーは、トークンを保持することで取引手数料を利益として獲得できます。
Avalancheは、数ある「イーサリアム・キラー」とされたプロジェクトの中でも最新のものです。分散型金融(DeFi)市場が活気を帯びている現状で、イーサリアム本体の処理能力の遅さとネットワークの混雑は大きな問題となっているものの、同時に新しいプロジェクトにとっては、この状況を打破するチャンスでもあります。
Avalancheのブロックチェーンは、イーサリアム仮想マシン(EVM:Ethereum Virtual Machine)との互換性を有しつつ、メタマスク(MetaMask)などのツールや他のDeFiアプリケーションの使用も可能であり、さらにトランザクションをより高速に処理できるとのことです。Avalanche社によれば、イーサリアムのトランザクション処理能力が1秒間に15であるのに対して、Avalanche社のブロックチェーンでは1秒間に4,500の処理が可能としていますが、マティック・ネットワーク(Matic Network)のように、1秒間に7,200の処理をテストネットで達成したプロジェクトもいくつか存在しています。
参考
・Polyient Games is Developing NFT Trading DEX on the Avalanche Blockchain
・Avalanche (AVAX) Public Sale Info
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参照元:CoinChoice