暗号資産ATM「違法行為目的」で使用されている可能性|資金洗浄などに悪用か
ビットコインATMの設置台数は年々増加しており、最近では世界中に設置されている仮想通貨ATMの台数が8,000台を突破したことも報告されていましたが、その一方では『仮想通貨ATMで購入された暗号資産の多くは資金洗浄などの違法行為に利用されている可能性がある』とも報告されています。
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高リスク取引所への資金移動「指数関数的に増加」
ビットコインATMの設置台数は過去数年間で急速に増加しており、暗号資産ATM関連のデータを公開している「Coin ATM Redar」によると、2020年6月29日時点では世界中に8,460台の暗号資産ATMが設置されているとされています。
(画像:Coin ATM Redar)
仮想通貨ATMは「暗号資産を現金などで簡単かつ迅速に購入できる手段」として利用されていますが、ブロックチェーン関連のセキュリティ企業である「Cipher Trace(サイファートレース)」が今月初めに公開したレポートは、これらの仮想通貨ATMが”不適切な目的”で使用されていることを示唆しています。
「Cipher Trace」はレポートの中で『2019年の平均で見ると、米国のビットコインATM利用者はリスクの低い取引所よりもリスクの高い取引所へと資金を移動している』と述べており、『リスクの高い取引所に送金された資金の割合は指数関数的に増加し、2017年以降毎年倍増している』と報告しています。
レポートでは『米国のビットコインATMで取引されたビットコインの74%が2019年中に”米国外”へと送金された』と推計されているため、ビットコインATMで購入されたBTCの一部はマネーロンダリング(資金洗浄)などの違法行為に使用されている可能性があると懸念されています。
ビットコインATMの設置台数は世界的に増加しており、最近ではナイジェリアなどといった”これまでビットコインATMが設置されていなかった地域”にも導入されてきていますが、それと同時に仮想通貨ATM関連企業には顧客確認(KYC)などが求められており、昨年末には米国内国歳入庁(IRS)の犯罪捜査局長が『ビットコインATM及びキオスクによって引き起こされる潜在的な財務問題を調査している』と語ったことなども報告されているため、今後は仮想通貨ATM関連の規制・調査はさらに強化されていく可能性があると考えられています。