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パリティ割れかと思われたユーロ/米ドル の下値メドを修正! 新たなターゲットは… ブログ

パリティ割れかと思われたユーロ/米ドル の下値メドを修正! 新たなターゲットは…

■ユーロ/米ドルは月足でヘッド&ショルダー完成 今回はユーロ/米ドルの分析を行なう。まず月足チャートをご覧いただきたい。

 ユーロ/米ドルの中長期のチャートの形状から、「ヘッド&ショルダー(※)」の可能性を考えていた。

(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされてい る。典型的なものは3つの山がある形で、これを人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼 ぶこともある)  

ユーロ/米ドル 月足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 当初は、3つの山で「ヘッド&ショルダー」を想定したのだが、3つの山では「ヘッド&ショルダー」を完成せずに、1.20ドル台から1.4000ドル近辺まで上昇した。

 しかし、1.4000ドル近辺から反転下落し、4つ目の山を作った、と考ええる。

 そして、1.2000ドル近辺(正確には、1.18ドル台ミドル)のネック・ラインを下に抜けて、4つの山の「ヘッド&ショルダー」を完成した、と考える。

 ネック・ライン(1.18ドル台ミドルの水平線)「紫の破線」を割り込んだ時点で、「ヘッド&ショルダー」を完成させて、「売りシグナル」を発した、と考える。

 この「ヘッド&ショルダー」の当面のターゲットは、パリティ(1.0000ドル)近辺、と考える。

■週足チャートでユーロ/米ドルの値動きを確認 続いて、週足チャートをご覧いただきたい。

 週足チャートに、長期のレジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」を表示している。 

ユーロ/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 振り返るとユーロ/米ドルは、レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」に従って下落した、と考える。なお、「緑の破線(細線)」は「緑の破線(太線)」の平行線だ。

 そして、週足チャートを見てわかるように、ユーロ/米ドルはリバウンド(上昇)して、レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」を上に抜けている。 

 レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」を上に抜けたので、その時点で、「買いシグナル」を発した。

 週足チャートで見る限りでは、この「買いシグナル」を発した時点で、ユーロ/米ドルが、もう一段上昇する可能性が示唆されていた。

 1.20ドル台からの上昇で、サポート・ライン「紫の破線(太線)」を表示した。なお、サポート・ライン「紫の破線(細線)」は、サポート・ライン「紫の破線(太線)」の平行線を表示している。

 中長期のチャート(週足チャート)で見ると、ユーロ/米ドルは、レジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」とサポート・ライン「紫の破線(太線)」で、「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成していたと考える。  

ユーロ/米ドル 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 そして、週足チャートを見てのとおりに、ユーロ/米ドルは、サポート・ライン「紫の破線(太線)」を割り込み、「三角保ち合い(ウェッジ)」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。

■強烈なユーロ買い戻しも、週足で見ると変化なし 従来の安値1.20ドル近辺に、「赤の破線」で水平線を表示した。従来の安値を更新した時点で、「売りシグナル」を発した、と考える。

 一番右のレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」と、その平行線「青の破線(細線)」を表示した。 

ユーロ/米ドル 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 このレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」は、その傾きを、直近の高値に合わせている。

 今のところユーロ/米ドルのダウン・トレンド(=下落傾向)に変化がない、と考える。

 「ピンクの破線(太線)」で、サポート・ラインを加筆した。このサポート・ライン「ピンクの破線(太線)」とレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」で、三角保ち合い(ウェッジ)を形成した、と考えることができる。

 三角保ち合い(ウェッジ)は、ブレイクした方向についていくのがセオリーだ。週足チャートを見てのとおりに、サポート・ライン「ピンクの破線(太線)」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

 2015年12月3日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会では、事前予想どおりに、金利据え置きとなった。

 その後の会見で、ドラギECB総裁は、追加の緩和策を発表したが、マーケットは、「事前に期待していた緩和策よりも、たいした内容ではない」と判断した様子で、強烈な「ユーロの買い戻し」となった。

 しかし、週足チャートで見る限りでは、特段の変化は見られない。

 続いて、日足チャートをご覧いただきたい。ユーロ/米ドルは…
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■ECBメンバーの発言により米ドル反落! 米ドル全体の反落が続いている。 

米ドルVS世界の通貨 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)

 12月9日(水)には、ドルインデックスが97.22の安値にトライし、50日移動平均線にも再度トライした。 

ドルインデックス 日足(クリックで拡大)(出所:CQG)

 ドルインデックスは8月や9月に50日移動平均線に頭を押さえられ、高値をつけていただけに、50日移動平均線のサポート機能の有無が注目された。

 足元では米ドル全体が回復している様子を見せているが、短期スパンではなお油断できない見通しだ。

世界の通貨VS米ドル 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)

 もっとも、テクニカルの視点では、9日(水)の安値打診は、先週(12月3日)のECB(欧州中央銀行)金利決定後の米ドル安の延長線上にあり、特筆する必要もない。

 しかし、見逃せないのは、同日の米ドル急落は、実はあの方の発言が引き金を引いたものだったからだ。

 あの方とは、ECB政策委員会メンバーのノボトニー氏(オーストリア中銀総裁)である。9日(水)、ノボトニー氏は「マイナスの中銀預金金利に関するドラギECB総裁のコメントを、市場は過剰に解釈した」と発言、「市場が誤った行動をするとすれば、それはこういった過剰期待を膨らませたアナリストたちのせいだ」と指摘した。

 こういった「八つ当たり」とも受け取られかねない発言は、マーケットの神経を尖らせ、ユーロの買い戻しを一層うながした。

 ちなみに、ドラギ総裁はマイナス金利についてECBは予断を持たず、検討すると述べていたから、氏の発言はECB内部の微妙なズレも暗示していると思われた。

■ノボトニー氏の発言に対し、市場は過剰に反応 しかし、ノボトニー氏の発言が過激かどうかは別にして、本来一メンバーにすぎない同氏の発言に市場はここまで大きく反応する必要はなかった。なぜなら、ECB政策委員会メンバーの数は多く、また政策に関してはドラギECB総裁主導の構造が明確であるから、政策委員個人の発言は必ずしもインパクトを持つとは限らないからだ。

 もう1つ重要なのは、そもそもノボトニー氏はECBの「問題児」と見なされており、氏の過去の発言から考えても、今回の発言を特にサプライズ扱いしなくてもよいはずということだ。 

ECBの「問題児」と見なされているというノボトニー・オーストリア中銀総裁。元々、過激な発言が多いから、ちょっと過激なことを言ってもサプライズ扱いしなくてもよい?  (C)Bloomberg

 たとえば、ノボトニー氏は9月25日(金)には「ECBは政策金利を引き下げる必要はない」と主張し、10月28日(水)には、ESM(欧州安定化メカニズム)の必要に応じた迅速な対応能力に疑問を呈した。

 そして、5月においても、「預金金利の引き下げ計画は、近い将来にない」と言い切り、どちらかというと「常に」ドラギさんの意見と相違した見方を示してきた。ゆえに本来、ノボトニー氏の発言は「当然」といえば当然だから、マーケットが神経を使うほどではなかった。

 しかし、12月9日(水)の同氏の発言で、ユーロ/米ドルは再度急騰して1.1042ドルまで買われ、米ドル全面安を促した。

ユーロ/米ドル 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)

 米ドル全面安ということで、米ドル/円も121円の節目割れ寸前まで売られた。

米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

 マーケットは神経質すぎるほど、ノボトニー氏の発言に敏感に反応したと言える。 

 では、米ドル高トレンドは終焉した… 
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