■1カ月強で17円! ドル/円の上昇速度に市場参加者は驚愕 みなさん、こんにちは。
トランポノミクス(※)への期待から始まった米ドル/円の急騰劇は収まることを知らず、節目の115円もあっさり突破。
(※編集部注:「トランポノミクス」とは、次期米大統領のドナルド・トランプ氏とエコノミクス(経済学)を合わせた造語で、トランプ政権が進める経済政策を指す)
【参考記事】
●レーガノミクス再来か。トランプ次期大統領のトランポノミクスのもと、ドル/円は109円へ(11月10日、西原宏一)
●トランポノミクスが「株高・円安」を促進!? ドル/円は押し目買い継続、次は109円へ!(11月14日、西原宏一&大橋ひろこ)
本稿執筆時点で、米ドル/円は一時、117.86円まで急騰しています。
米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
11月9日(水)、トランプ米大統領が誕生した日の米ドル/円の安値が101.20円。
つまり、1カ月強で約17円の暴騰。
米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
僕も長く為替市場とおつき合いしていますが、米ドル/円が1カ月でこれほどボラティリティを高めたのは久しぶり。
米ドル/円は歴史に残る急騰を演じており、米ドル高のスピードに多くの市場参加者が驚愕しています。
NYダウは大台の2万ドルに急接近。
NYダウ 日足(出所:Bloomberg)
ユーロ/米ドルも昨年(2015年)の安値に急接近しており、対円のみならず、対ユーロでも米ドル高が進行。
ユーロ/米ドル 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
■まさにゲームチェンジャー、「Gゼロ」の概念を否定! 米国株や、為替市場の活況から判断すると、トランプ次期米大統領の選挙スローガンであった「Make America Great Again(アメリカを再び偉大にしよう)」へと、すべてのことが進行しているようにみえます。
これは数年前、一世を風靡したGゼロという概念を否定する展開。
Gゼロは、米国主導の体制が終わり、リーダー不在の時代がやってくるという考え方です。
オバマ政権までは、イアン・ブレマー氏(※)の予言するとおりだったのですが、トランプ次期米大統領は、中国に対して強硬なスタンスを変えていません。
(※編集部注:イアン・ブレマー氏は、著名な国際政治学者。毎年初めに発表する「世界の10大リスク」が大きな注目を集めている。「Gゼロ」は同氏が提唱した概念)
一方、トランプ次期米大統領はロシアへは急接近と、グローバルにも強烈な存在感を見せつけ始めています。
トランプ米大統領登場で、米国は国際社会においても強烈なプレゼンスを見せつけ始めています。
つまり、Gゼロからの脱却。トランプ米大統領の誕生はまさにゲームチェンジャーと言えそうです。
ともあれ、トランプ米大統領誕生以降の金融市場は…