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メルケル発言よりも本邦勢の欧州投資が ユーロに追い風! 130円突破なら135円へ ブログ

メルケル発言よりも本邦勢の欧州投資が ユーロに追い風! 130円突破なら135円へ

■フランス大統領選が2017年前半の最大のリスクイベントに みなさん、こんにちは。

 2017年初頭は、フランス大統領選はそれほど注目を集めていませんでした。

 しかし、フランス大統領選が近づくにつれて、多くの機関投資家は、2017年前半の最大のリスクイベントをフランス大統領選に絞って警戒を高めるようになりました。

 その要因は、昨年(2016年)のBrexit(英国のEU離脱)決定。

 2016年6月は衝撃のBrexitを受け、英ポンド/円は暴落しました。

【参考記事】

●EU離脱ショックで英ポンド暴落! 米7月利下げ観測も浮上! ドル/円、次は95円へ(2016年6月24日、西原宏一)

 Brexitを懸念し始めた2015年を起点とすれば、英ポンド/円は一時、70円以上も急落しています。

英ポンド/円 月足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 月足)

 この英ポンド/円大暴落の連想が働き、多くの投資家はフランス大統領選を控えてリスクオフに備えざるを得なくなります。

【参考記事】

●仏大統領選を無事通過してリスクオン再開。米ドル/円は115円に向けて反発する公算大(4月27日、西原宏一)

 まず保有していたフランス国債を売却。そして、ユーロ/円をショートに。

 ユーロ/円は一時、114.85円まで急落します。

 加えて、オプションマーケットではユーロ円の1カ月物のリスク・リバーサルが、マイナス6.7%まで急低下(※)。

(※編集部注:「リスク・リバーサル」とはざっくり言うと、ある一定の同一条件でオプションのコール(買う権利)とプット(売る権利)を同時に反対売買する取引のこと。理論的にはこのときのコールとプットの価格は同一になるが、市場参加者の相場観によって実際には同一にならない。このとき、その差の数値が市場参加者のリスク認識を示す指標として使われ、この指標も「リスク・リバーサル」と呼ばれている(以下のグラフ)。この数値がマイナスになっている場合、市場参加者のリスク認識が売り方向に優勢であることを示している)

ユーロ/円の1カ月物リスクリバーサル 日足(出所:Bloomberg)

 簡単にいってしまえば、多少コストを払っても、ユーロ/円の暴落に備えざるを得なかったというほど、オプション市場ではユーロ/円急落に対する警戒感が高まっていました。

■フランス大統領選はマクロン氏が当選 そして、注目のフランス大統領選はマクロン大統領の誕生という結果に。

 まさかの事態に備えヘッジしていたユーロ/円のショートはオプションも含め、価値が急速に下がりますので、オプションのカバーに加え、ユーロ/円の急速な買い戻しが進み急騰。短期間で、125円台まで急回復します。

ユーロ/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)

 安値より約10円回復し、ユーロ/円の上昇が一服となったところで、ドイツのメルケル首相から後述のコメントが飛び出し、ユーロ/円の上値余地はさらに拡大することになります。

■唐突感のあるメルケル首相の「ユーロは安すぎる」発言 5月23日(火)の欧州時間に、メルケル首相が「ユーロは弱すぎる」とコメントし、ユーロ/円は一時急騰しました。

【参考記事】

●FRB高官の発言で米6月利上げが濃厚に! ユーロ/ドルは節目の1.13ドルを超えるか!?(5月22日、西原宏一&大橋ひろこ)

メルケル独首相:ユーロは「弱過ぎる」、ドイツ製品を割安にしている

ドイツの貿易黒字はユーロ安の結果だと、メルケル独首相が述べた。

「ユーロは弱過ぎる。これはECBの政策が理由だ。これによってドイツ製品が相対的に安くなっている」とメルケル首相がベルリンで貿易黒字について学生らに語った。

出所:Bloomberg

 メルケル首相は今年(2017年)2月にも同様のコメントをしています。

メルケル氏:ユーロ相場は自分の力の及ぶところでない-米政権に反論

メルケル首相はユーロ相場について、ドイツの貿易黒字の一因であるのは確かだが、それは欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定においてユーロ圏19カ国の異なる経済状況に対応する必要性が理由だとの見解を示した。

ミュンヘン安全保障会議でドイツの経常黒字について質問を受けたメルケル首相は、「もしドイツ・マルクがまだ通用しているなら、今のユーロ相場とは異なる評価を受けていただろう」と述べ、「だが、独立した金融政策に伴うものであり、私は首相としてそれに対して影響力はゼロだ」と答えた。

ユーロ安がドイツに貿易上の不当な優位性を与えていると主張するトランプ政権の批判への反論としては、同首相の今回の発言はこれまでで最も踏み込んだものとなった。米国家通商会議(NTC)委員長のピーター・ナバロ氏は今月、ユーロの「甚だしい過小評価」でドイツが恩恵を受けていると指摘していた。

出所:Bloomberg

 メルケル首相は、ECB(欧州中央銀行)を批判しているというよりも、トランプ政権から貿易黒字に対する批判を繰り返されても、ECBの金融緩和が変わらなければどうしようもないということをいっているのでしょう(ひとつの手段としては内需拡大という手はありますが…)。

 ユーロ上昇の理由のひとつに、ドラギ総裁の後任がバイトマン独連銀総裁になる可能性があるためとの意見もありますが、これはほとんど影響を及ぼさない模様。

 なぜなら、ECB理事会は多数決であるため、金融緩和を求める南欧諸国が多数存在する限り、ドイツ人が総裁になったところでそれは変わらないということになるからです。

 そして、ユーロ/円上昇の背景として一番大きな要因として挙げられるのが、ECBの出口論が活発になっていること。

 出口に向かうためには、景気減速で苦しむ南欧諸国を切り捨てるかどうかがポイントになるため、今後のECBの動向に注目。

 個人的には、ユーロ/円の動向は、メルケル首相のコメントよりも…
メルケル発言よりも本邦勢の欧州投資が ユーロに追い風! 130円突破なら135円へ ブログ

メルケル発言よりも本邦勢の欧州投資が ユーロに追い風! 130円突破なら135円へ

■フランス大統領選が2017年前半の最大のリスクイベントに みなさん、こんにちは。

 2017年初頭は、フランス大統領選はそれほど注目を集めていませんでした。

 しかし、フランス大統領選が近づくにつれて、多くの機関投資家は、2017年前半の最大のリスクイベントをフランス大統領選に絞って警戒を高めるようになりました。

 その要因は、昨年(2016年)のBrexit(英国のEU離脱)決定。

 2016年6月は衝撃のBrexitを受け、英ポンド/円は暴落しました。

【参考記事】

●EU離脱ショックで英ポンド暴落! 米7月利下げ観測も浮上! ドル/円、次は95円へ(2016年6月24日、西原宏一)

 Brexitを懸念し始めた2015年を起点とすれば、英ポンド/円は一時、70円以上も急落しています。

英ポンド/円 月足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 月足)

 この英ポンド/円大暴落の連想が働き、多くの投資家はフランス大統領選を控えてリスクオフに備えざるを得なくなります。

【参考記事】

●仏大統領選を無事通過してリスクオン再開。米ドル/円は115円に向けて反発する公算大(4月27日、西原宏一)

 まず保有していたフランス国債を売却。そして、ユーロ/円をショートに。

 ユーロ/円は一時、114.85円まで急落します。

 加えて、オプションマーケットではユーロ円の1カ月物のリスク・リバーサルが、マイナス6.7%まで急低下(※)。

(※編集部注:「リスク・リバーサル」とはざっくり言うと、ある一定の同一条件でオプションのコール(買う権利)とプット(売る権利)を同時に反対売買する取引のこと。理論的にはこのときのコールとプットの価格は同一になるが、市場参加者の相場観によって実際には同一にならない。このとき、その差の数値が市場参加者のリスク認識を示す指標として使われ、この指標も「リスク・リバーサル」と呼ばれている(以下のグラフ)。この数値がマイナスになっている場合、市場参加者のリスク認識が売り方向に優勢であることを示している)

ユーロ/円の1カ月物リスクリバーサル 日足(出所:Bloomberg)

 簡単にいってしまえば、多少コストを払っても、ユーロ/円の暴落に備えざるを得なかったというほど、オプション市場ではユーロ/円急落に対する警戒感が高まっていました。

■フランス大統領選はマクロン氏が当選 そして、注目のフランス大統領選はマクロン大統領の誕生という結果に。

 まさかの事態に備えヘッジしていたユーロ/円のショートはオプションも含め、価値が急速に下がりますので、オプションのカバーに加え、ユーロ/円の急速な買い戻しが進み急騰。短期間で、125円台まで急回復します。

ユーロ/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)

 安値より約10円回復し、ユーロ/円の上昇が一服となったところで、ドイツのメルケル首相から後述のコメントが飛び出し、ユーロ/円の上値余地はさらに拡大することになります。

■唐突感のあるメルケル首相の「ユーロは安すぎる」発言 5月23日(火)の欧州時間に、メルケル首相が「ユーロは弱すぎる」とコメントし、ユーロ/円は一時急騰しました。

【参考記事】

●FRB高官の発言で米6月利上げが濃厚に! ユーロ/ドルは節目の1.13ドルを超えるか!?(5月22日、西原宏一&大橋ひろこ)

メルケル独首相:ユーロは「弱過ぎる」、ドイツ製品を割安にしている

ドイツの貿易黒字はユーロ安の結果だと、メルケル独首相が述べた。

「ユーロは弱過ぎる。これはECBの政策が理由だ。これによってドイツ製品が相対的に安くなっている」とメルケル首相がベルリンで貿易黒字について学生らに語った。

出所:Bloomberg

 メルケル首相は今年(2017年)2月にも同様のコメントをしています。

メルケル氏:ユーロ相場は自分の力の及ぶところでない-米政権に反論

メルケル首相はユーロ相場について、ドイツの貿易黒字の一因であるのは確かだが、それは欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定においてユーロ圏19カ国の異なる経済状況に対応する必要性が理由だとの見解を示した。

ミュンヘン安全保障会議でドイツの経常黒字について質問を受けたメルケル首相は、「もしドイツ・マルクがまだ通用しているなら、今のユーロ相場とは異なる評価を受けていただろう」と述べ、「だが、独立した金融政策に伴うものであり、私は首相としてそれに対して影響力はゼロだ」と答えた。

ユーロ安がドイツに貿易上の不当な優位性を与えていると主張するトランプ政権の批判への反論としては、同首相の今回の発言はこれまでで最も踏み込んだものとなった。米国家通商会議(NTC)委員長のピーター・ナバロ氏は今月、ユーロの「甚だしい過小評価」でドイツが恩恵を受けていると指摘していた。

出所:Bloomberg

 メルケル首相は、ECB(欧州中央銀行)を批判しているというよりも、トランプ政権から貿易黒字に対する批判を繰り返されても、ECBの金融緩和が変わらなければどうしようもないということをいっているのでしょう(ひとつの手段としては内需拡大という手はありますが…)。

 ユーロ上昇の理由のひとつに、ドラギ総裁の後任がバイトマン独連銀総裁になる可能性があるためとの意見もありますが、これはほとんど影響を及ぼさない模様。

 なぜなら、ECB理事会は多数決であるため、金融緩和を求める南欧諸国が多数存在する限り、ドイツ人が総裁になったところでそれは変わらないということになるからです。

 そして、ユーロ/円上昇の背景として一番大きな要因として挙げられるのが、ECBの出口論が活発になっていること。

 出口に向かうためには、景気減速で苦しむ南欧諸国を切り捨てるかどうかがポイントになるため、今後のECBの動向に注目。

 個人的には、ユーロ/円の動向は、メルケル首相のコメントよりも…
含み益223,838円 スワップポイント差が10円台に縮小した時の対応+スワップ金利サヤ取りポジション状況 ブログ

含み益223,838円 スワップポイント差が10円台に縮小した時の対応+スワップ金利サヤ取りポジション状況

スワップ金利サヤ取りの利益が順調に増えています。主要通貨でもスワップポイント差が拡大したままのものも多く、好環境が続いているお蔭です。最近「スワップポイント差が10円台に縮小したらどうするのか」という質問をいただきました。只今の状況とともに、私なりの回答も記事にまとめさせていただきました。
メルケル発言は、ユーロ高容認ではない! 米大統領弾劾は難しいし、いずれドル高へ ブログ

メルケル発言は、ユーロ高容認ではない! 米大統領弾劾は難しいし、いずれドル高へ

■FOMC議事録をあまり弱気に受け取る必要はない 今週(5月22日~)はまず、米国の金融政策から見ていきたいと思います。

 FRB(米連邦準備制度理事会)が5月24日(水)に公表した5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合議事録に、「大部分の参加者は、経済に関して入手する情報が予想とおおむね一致した場合は、政策緩和の解除をさらに一歩進めるのが近く適切になると判断した」とあります。

 また、4兆500億ドル規模の当局のバランスシートを緩やかに縮小させる計画を支持しています。

 これだけを見れば、いよいよ利上げかという感じを受けるのですが、一方で投票権を持つ複数のメンバーから、「最近見られる経済活動の減速が一過性のものだという証拠を待つのが賢明である」という慎重な意見があったことも示されています。

【参考記事】

●FRB高官の発言で米6月利上げが濃厚に! ユーロ/ドルは節目の1.13ドルを超えるか!?(5月22日、西原宏一&大橋ひろこ)

 6月利上げに向けて、ムードが高まっていたので、後者の慎重な意見のくだりに敏感に反応し、米長期金利も低下、米ドルもやや売られることになりました。

米長期金利(米10年債利回り) 15分足(出所:Bloomberg)

米ドルVS世界の通貨 15分足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 15分足)

 市場が示す6月利上げ確率も、83.1%から78.5%に低下しています。確かに、期待していたようにイケイケの雰囲気ではなかったものの、利上げだけではなく、量的な金融引き締めにまで言及しているわけですから、私はそんなに弱気にとる必要はないと思っています。

■北朝鮮問題は長期化へ、市場への影響は当面ないのでは? 次に、金融市場を取り巻くその他の状況について、1つずつ整理していきたいと思います。

 北朝鮮の状況ですが、5月19日(金)、マティス米国防長官が北朝鮮問題に関し、「軍事的に解決しようとすれば、信じがたい規模の悲惨な事態をもたらす」と発言しました。

 つまり、北朝鮮への軍事行動は、よほどのことがなければやらないということです。

【参考記事】

●米軍の北朝鮮攻撃はあるのか? ないのか? 元航空自衛隊空将が語る攻撃の前兆とは?(4月18日、織田邦男)

 従って、この問題が長期化することは間違いないですが、市場への影響は当面ないと考えておけばいいのではないかと思っています。

 次は、ECB(欧州中央銀行)の金融政策について…
メルケル発言は、ユーロ高容認ではない! 米大統領弾劾は難しいし、いずれドル高へ ブログ

メルケル発言は、ユーロ高容認ではない! 米大統領弾劾は難しいし、いずれドル高へ

■FOMC議事録をあまり弱気に受け取る必要はない 今週(5月22日~)はまず、米国の金融政策から見ていきたいと思います。

 FRB(米連邦準備制度理事会)が5月24日(水)に公表した5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合議事録に、「大部分の参加者は、経済に関して入手する情報が予想とおおむね一致した場合は、政策緩和の解除をさらに一歩進めるのが近く適切になると判断した」とあります。

 また、4兆500億ドル規模の当局のバランスシートを緩やかに縮小させる計画を支持しています。

 これだけを見れば、いよいよ利上げかという感じを受けるのですが、一方で投票権を持つ複数のメンバーから、「最近見られる経済活動の減速が一過性のものだという証拠を待つのが賢明である」という慎重な意見があったことも示されています。

【参考記事】

●FRB高官の発言で米6月利上げが濃厚に! ユーロ/ドルは節目の1.13ドルを超えるか!?(5月22日、西原宏一&大橋ひろこ)

 6月利上げに向けて、ムードが高まっていたので、後者の慎重な意見のくだりに敏感に反応し、米長期金利も低下、米ドルもやや売られることになりました。

米長期金利(米10年債利回り) 15分足(出所:Bloomberg)

米ドルVS世界の通貨 15分足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 15分足)

 市場が示す6月利上げ確率も、83.1%から78.5%に低下しています。確かに、期待していたようにイケイケの雰囲気ではなかったものの、利上げだけではなく、量的な金融引き締めにまで言及しているわけですから、私はそんなに弱気にとる必要はないと思っています。

■北朝鮮問題は長期化へ、市場への影響は当面ないのでは? 次に、金融市場を取り巻くその他の状況について、1つずつ整理していきたいと思います。

 北朝鮮の状況ですが、5月19日(金)、マティス米国防長官が北朝鮮問題に関し、「軍事的に解決しようとすれば、信じがたい規模の悲惨な事態をもたらす」と発言しました。

 つまり、北朝鮮への軍事行動は、余程のことがなければやらないということです。

【参考記事】

●米軍の北朝鮮攻撃はあるのか? ないのか? 元航空自衛隊空将が語る攻撃の前兆とは?(4月18日、織田邦男)

 従って、この問題が長期化することは間違いないですが、市場への影響は当面ないと考えておけばいいのではないかと思っています。

 次は、ECB(欧州中央銀行)の金融政策について…
豪ドル円と南アフリカランド円 両建ての有効性について ブログ

豪ドル円と南アフリカランド円 両建ての有効性について

ユニークな特徴の多い、デューカスコピー・ジャパンのチャ-トシステムには数通貨ペアのチャートを同時表示して比較する機能があります。この機能、設定時間軸や比較期間の変更も自由にできるためサヤ取りや両建て系の検証が簡単にできます。今回は、「豪ドル円と南アフリカランド円 両建ての有効性について」みてみました。
EU各国の景気をサッカーが象徴!?急騰中の ユーロ/米ドルだがそろそろ下落する水準? ブログ

EU各国の景気をサッカーが象徴!?急騰中の ユーロ/米ドルだがそろそろ下落する水準?

■ユーロ/米ドルの週足チャートを分析 今回は、ユーロ/米ドルの分析を行なう。まず週足チャートをご覧いただきたい。週足チャートに、長期のレジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」を表示している。

ユーロ/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 ユーロ/米ドルは、2012年の安値1.20ドル台ミドルから、2014年の高値1.4000ドル近辺(高値は、「1.3990-95ドルレベル」)まで、上昇した。

 この上昇は、サポート・ライン「紫の破線(太線)」に従っていた、と考える。サポート・ライン「紫の破線(細線)」は、サポート・ライン「紫の破線(太線)」の平行線だ。

 中長期のチャートで見ると、ユーロ/米ドルは、レジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」とサポート・ライン「紫の破線(太線)」で、「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成していた、と考える。

 そして、週足チャートを見てのとおりに、ユーロ/米ドルは、サポート・ライン「紫の破線(太線)」を割り込み、「三角保ち合い(ウェッジ)」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。

 ユーロ/米ドルは、1.2000ドルを割り込んだ時点で、「窓(Gap)」を開けて、「売りシグナル」を発した、と考える。

 そして、1.18ドル台ミドルの水平線「赤の破線」を割り込み、従来の安値を更新して、「売りシグナル」を発した、と考える。

■トレンド転換には1.17ドルを超える必要がある レジスタンス・ライン「ピンクの破線(太線)」と、その平行線「ピンクの破線(細線)」を表示した。

ユーロ/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 このレジスタンス・ライン「ピンクの破線(太線)」を上に抜けて、「買いシグナル」を発したと考える。

 ユーロ/米ドルは、「緑の破線」で示したボックス相場を形成中、と考える。ボックス相場「緑の破線」の上限は1.17ドル台前半程度、下限は1.0350ドル近辺、と考える。

 チャートの形状を見ると、ボックス相場「緑の破線」の上限(1.17ドル台前半程度)が、目先のレジスタンス(上値抵抗)だ。

 つまり、今のところ、このレジスタンス(上値抵抗)を上に抜けていないので、ユーロ/米ドルのダウン・トレンド(=下落傾向)に変化がない、と考える。

 別な言い方をすると、トレンド転換を考えるには、1.17ドル台前半程度を上に抜ける必要がある、ということだ。

 2016年12月中旬の値動きで、従来の最安値(1.0450ドル近辺)を下に抜けて、「売りシグナル」を発したと考えたのだが、1.0350ドル近辺を底値に、反発(上昇)したので、ボックス相場「緑の破線」が持続している、と修正する。

■下落トレンド継続なら、新たなレジスタンスラインが現れるはず 続いて、別のライン等を描いたもう1つの週足チャートをご覧いただきたい。

ユーロ/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 先に述べたとおりに、ユーロ/米ドルの大局のトレンドは、ダウン・トレンド(=下落傾向)で変化がない、と考える。

 それで、レジスタンス・ライン(2)「茶色の破線」を、例示的に表示した。

 ユーロ/米ドルの大局のトレンドが変わらずに、下落トレンドならば、いずれ、こういったレジスタンス・ラインが現れるはずだ、と考える。

 続いて、日足チャートをご覧いただき…