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今日のテクニカル見通し:ユーロ/円 ブログ

今日のテクニカル見通し:ユーロ/円

ユーロ/円相場は11日に130.70円台まで上昇後はやや下押すも限定的となっており、三角もち合いを形成しているように見えます。しかし、よく見ると高値と高値、安値と安値をそれぞれ結んだだけであり、高値→安値→高値→安値、というリズムに沿って引いているわけではありません。

したがって、三角もち合いなどと構えずにただの中段もち合いと見て、まずはレジスタンスとサポートのどちらをブレイクするか待つ姿勢でよいと思います。


(上記ユーロ/円日足の外貨ネクストネオのチャートは7/25の10:29現在)

○上値目処について
まずは、7/11と7/21の高値を結ぶレジスタンスライン(130.568円)に注目です。すぐ上に7/11高値(130.770円)もあり、超えると上値模索の動きが再開する公算です。なお、近くに主だった目標値が見当らないこともあり、その際は思いのほか上昇スピードが速まるかのしれません。4/17安値114.841円-5/16高値125.812円の上げ幅を、6/15安値122.399円に加えた値(N計算値。133.370円)や、14年12月高値149.760円-16年6月安値109.197円の下げ幅61.8%戻し(134.265円)をが上値目処となるか注目です。

○下値目処について
(7/13と7/19の安値を結ぶサポートライン(128.667円)を割ると、ボリンジャーバンド-2シグマ(127.803円)がポイントです。もしバンド下限を押し下げるローソク足が出現するようならば、相場は下落局面に移行する可能性が高まります。目先の下値目処として、5/16高値(125.812円)や75日線(124.418円)が挙げられます。


○上値目処
129.490円(6日線)
129.744円(7/18高値)
130.568円(7/11と7/21の高値を結ぶレジスタンスライン)
130.571円(ボリンジャーバンド+2シグマ)
130.770円(7/11高値)
132.294円(16年1月に付けた同年高値)
133.370円(4/17安値114.841円-5/16高値125.812円の上げ幅を、6/15安値122.399円に加えた値。N計算値)
134.265円(14年12月高値149.760円-16年6月安値109.197円の下げ幅61.8%戻し)

○下値目処
129.496円(日足の一目均衡表の転換線)
129.187円(20日線)
128.667円(7/13と7/19の安値を結ぶサポートライン)
128.493円(7/13安値)
127.803円(ボリンジャーバンド-2シグマ)
127.213円(日足の一目均衡表の基準線)
126.585円(週足の一目均衡表の転換線)
126.168円(13週線)
125.812円(5/16高値)
125.124円(月足の一目均衡表の基準線)
124.418円(75日線)
昨日のドル円相場ときょうのひとこと(7/25 火) ブログ

昨日のドル円相場ときょうのひとこと(7/25 火)

 
----------7/24ドル円相場概況--------------------- OP 111.115HI 111.313LO 110.623CL 111.120 東京市場は、株安・円高の流れとなり110.70円台まで売りが先行。ただ、その後は実需のドル買いなどに支えられて111円台を回復する「往って来い」の展開。欧州市場は、株安を受けて円買い優位の展開となり、110.623円まで下落して安値を更新。ただ、原油価格とともに米長期金利が持ち直すと110.90円台に小戻した。NY市場でも米長期金利が上昇する中でドルを買い戻す動きが優勢となり111.313円まで反発。もっとも、米国株が冴えない中で上値は限られ111.10円台で取引を終えた。 -----------7/24主な出来事---------------------------- 16:00 (仏) 7月製造業PMI・速報 55.4前回54.8 予想54.6  (仏) 7月サービス業PMI・速報 55.9 前回56.9 予想56.7  16:30 (独) 7月製造業PMI・速報  58.3 前回59.6 予想59.2(独) 7月サービス業PMI・速報 53.5前回54.0 予想54.3   17:00 (ユーロ圏) 7月製造業PMI・速報 56.8前回57.4 予想57.2  (ユーロ圏) 7月サービス業PMI・速報 55.4 前回55.4 予想55.4  21:30 (加) 5月卸売売上高 (前月比) +0.9%前回+1.0%→+0.8%予想+0.5%   23:00 (米) 6月中古住宅販売件数 552万件前回562万件 予想557万件   クシュナー米大統領上級顧問、非公開証言・ロシア当局者と昨年4回にわたり接触・いかなる外国政府とも共謀しなかった・選挙陣営内で共謀した人物も認識していない・不適切な接触はなかった・民間セクターにおける自分の事業ためにロシアの資金を融通したことはない -----------7/24株式・債券・商品---------------------- ---------7/25きょうの注目材料------------------------- <国内>08:50    6月15-16日分の日銀金融政策決定会合議事要旨17:00    片岡・鈴木日銀審議委員、就任会見 <海外>13:00    メルシュECB専務理事、シンガポールで講演15:00    6月独輸入物価指数15:45    6月仏生産者物価指数17:00    7月独IFO企業景況感指数22:00    5月米住宅価格指数22:00    5月米ケース・シラー住宅価格指数23:00    7月米消費者信頼感指数23:00    7月米リッチモンド連銀製造業景気指数26:00    米2年債入札(260億ドル)26:00    ホールデン英MPC委員、講演 --------7/25きょうのひとこと------------------------- 昨日のドル円は日足の足型が下ヒゲの長い十字線となり底入れを示唆。きょうはひとまず、どこまで戻せるかを試す流れとなっています。5・10日の仲値公示後のドル買いの持続力が焦点でしょう。200日移動平均線(111.973円)の回復を試せるか注目したいと思います。  本日もよろしくお願いいたします。   
今夜の注目材料は? ブログ

今夜の注目材料は?

東京市場のドル/円は、米長期金利が低下する中で一時110.70円台まで下落したものの、本邦輸入企業などからのドル買いを受けて111.10円台まで値を戻しています。欧米市場に入る前に注目イベントを確認しておきましょう。

7/24(月)
16:30  7月独製造業PMI・速報
16:30☆7月独サービス業PMI・速報
17:00☆7月ユーロ圏製造業PMI・速報
17:00☆7月ユーロ圏サービス業PMI・速報
21:30  5月カナダ卸売売上高
23:00☆6月米中古住宅販売件数
25:00  スメッツ・ベルギー中銀総裁、講演
※☆は特に注目の材料

本日は米国で6月中古住宅販売件数が発表されるものの、反応は限られそうです。なぜなら、米年内利上げに対する不透明感や、ロシアゲート疑惑などにおけるトランプ米政権に対する不透明感が漂う中では、これらを払拭する材料としては力不足と考えられるためです。したがって、海外市場でも引き続きドル/円は上値の重いムードが見込まれます。

なお、欧州ではドイツやユーロ圏で7月の製造業やサービス業のPMIが発表されます。
 
7/21に発表されたIMMポジション ブログ

7/21に発表されたIMMポジション

以下、ポイントです。

・円
126919枚ショートと、前週比14794枚増。内訳(図3)を見ると、ショートが約1.1万枚増加しており、押し目買い意欲が根強いと推測

・それ以外
一部で「ドルが1年以上ぶりの売り越し」と報じるなど、円とスイスフランを除くと全般的にドル売りが優勢の展開。特に資源国(豪ドル、カナダ、メキシコ)はネットで1万枚以上のショート増となるのが目立つ


図1:IMMポジションとドル/円相場(下記チャートのドル/円レートは外為どっとコムを基に、IMMポジションはCFTCを基に外為どっとコム総研作成)


図2:IMMポジション(CFTCを基に外為どっとコム総研作成)
通貨枚数前週比円126919枚ショート14794枚増ユーロ91321枚ロング7533枚増ポンド16473枚ショート7665枚減スイスフラン3667枚ショート3875枚増カナダドル8043枚ロング16647枚増豪ドル51356枚ロング14550枚増メキシコペソ112539枚ロング14680枚増ニュージーランドドル35981枚ロング4076枚増
図3:投機筋の円ポジションの内訳(CFTCを基に外為どっとコム総研作成)
 17/07/2117/07/14Long37,41940,778Short164,338152,903Net-126,919-112,125
今日のテクニカル見通し:ドル/円 ブログ

今日のテクニカル見通し:ドル/円

ドル/円相場は、今月11日高値(114.491円)を基点とする下落トレンドが継続しており、本日朝に111円ちょうどの心理的節目を割ると110.70円台まで続落しています。

目先は日足の一目均衡表の雲下限が焦点であり、割り込むようならば4月や6月の下押し局面でサポートとして機能した52週線が試されると見ます。



(上記ドル/円・日足の外貨ネクストネオのチャートは7/24の11:02現在)

○下値目処について
足元で日足の一目均衡表の雲下限(110.756円)で何とか踏みとどまっているものの、割ると、冒頭で不fれた52週線(109.923円)リトライに傾く公算です。割ると4月と6月の安値を結ぶサポートライン(109.222円)や4/17安値(108.134円)を目指す事も考えれます。

○上値目処について
まずは、日足の一目均衡表の雲上限(111.248円)が焦点です。突破したとしても、すぐ上に75日線(111.506円)や13週線(111.723円)、26週線(111.838円)など複数の目標値があり、上伸を阻みそうです。これらを突破できれば、日足の一目均衡表の基準線(112.367円)や転換線(112.630円)などがが位置する112円台半ばが見えてくるでしょう。


○下値目処
110.768円(現時点での、7/24安値)
110.756円(日足の一目均衡表の雲下限)
110.235円(5/18安値)
109.924円(月足の一目均衡表の転換線)
109.923円(52週線)
109.429円(ボリンジャーバンド-2シグマ)
109.222円(4月と6月の安値を結ぶサポートライン)
108.730円(週足の一目均衡表の雲下限)
108.787円(6/14安値)
108.134円(4/17安値)
○上値目処
110.927円(ボリンジャーバンド-2シグマ)
111.248円(日足の一目均衡表の雲上限)
111.506円(75日線)
111.639円(週足の一目均衡表の転換線)
111.723円(13週線)
111.751円(6日線)
111.819円(週足の一目均衡表の基準線)
111.838円(26週線)
111.935円(200日線)
112.228円(週足の一目均衡表の雲上限)
112.367円(日足の一目均衡表の基準線)
112.630円(日足の一目均衡表の転換線)
112.671円(月足の一目均衡表の雲上限)
112.689円(20日線)
昨日のドル円相場ときょうのひとこと(7/24 月) ブログ

昨日のドル円相場ときょうのひとこと(7/24 月)

 
----------7/21ドル円相場概況--------------------- OP 111.880HI 112.077LO 110.010CL 111.143 東京市場は、仲値公示に向けた買いなどで上昇するも112円台に乗せると失速。午後は112.077円の高値を付けた後に111.70円台に反落するなど上値が重い展開。欧州市場でも、株安と独長期金利の低下で米長期金利も低下する中、111.50円を割り込んで続落。NY市場に入っても、原油安が重しとなり米朝金利が低下したため、一時110.010円まで下値を切り下げた。 -----------7/21主な出来事---------------------------- 11:16 ジョイスNZ財務相・NZドルは強いNZ経済を反映している・NZ企業は現行水準のNZドルに上手く対応している 11:43 デベルRBA副総裁・海外の利上げの動きに自動的に追随する理由ない・豪ドルの上昇は豪経済の支援とならず・世界の成長による恩恵を通貨高が阻害 17:30 (英) 6月財政収支 -63億GBP前回-60億GBP→-64億GBP予想 -42億GBP   21:30 (加) 6月消費者物価指数 (前月比) -0.1% 前回+0.1% 予想-0.1% (加) 6月消費者物価指数 (前年比) +1.0% 前回+1.3% 予想+1.1%  21:30 (加) 5月小売売上高 (前月比)+0.6%前回 +0.8%→+0.7%予想+0.3%   25:00 スパイサー米大統領報道官、辞任へ -----------7/21株式・債券・商品----------------------
  ---------7/24きょうの注目材料------------------------- <国内>14:00    5月景気動向指数改定値 <海外>16:00    7月仏製造業PMI・速報値16:00    7月仏サービス業PMI・速報値16:30    7月独製造業PMI・速報値16:30    7月独サービス業PMI・速報値17:00    7月ユーロ圏製造業PMI・速報値17:00    7月ユーロ圏サービス業PMI速報値21:30    5月カナダ卸売売上高23:00    6月米中古住宅販売件数25:00    スメッツ・ベルギー中銀総裁、講演 --------7/24きょうのひとこと------------------------- 今朝も早々にドル円が111円台を割り込むなどドル安の流れが続いています。ただ、ロイター社の集計によるとシカゴIMMのポジションがドルショートに転じたらしく、ドル安の第1ステージは終了が近いのではないかとも感じています。米FRBが利上げ+B/S縮小の方針を転換した訳でもないのにドルショートがブーム化する可能性は低いのではないでしょうか。25-26日のFOMCでFRBの方針が再確認されればドル買戻しのきっかけになりそうです(可能性は低いと見ますが、もしFRBがスタンスを弱気化させた場合はドル安第2ステージ入りです)。 今週もよろしくお願いいたします。   
+109,379円 マネーハッチ開始 日本初 カード・FX取引のキャッシュバックをETFで自動売買 ブログ

+109,379円 マネーハッチ開始 日本初 カード・FX取引のキャッシュバックをETFで自動売買

カード買物やFX売買などで発生したキャッシュバックを自動的にETF運用に充てるという日本初の仕組みが本日から動き出しました。名称は「マネーハッチ」です。マネーハッチを始めるには、インヴァスト証券のトライオート口座が必要です。マネーハッチ登録自体は数分でできます。私も本日登録しておきました。トライオートFX検証ブログ 半自動売買6つのメリット
ユーロ/米ドルは1.2ドル打診もあり得る! 今後、豪ドルが買われるとみる理由とは? ブログ

ユーロ/米ドルは1.2ドル打診もあり得る! 今後、豪ドルが買われるとみる理由とは?

■日銀総裁でさえ日銀政策を信じ切れていない!? 日銀は、また物価安定目標の達成時期を延期した。

 2015年4月以来、もう6回目の先送りとなったが、ここまで来ると、もはや「デフレ心理の壁」に拒まれ、今回も期限内には達成できないのでは…といった市場センチメントの醸成につながり、額面どおりに受け止める市場関係者はいないだろう。

 もしかしたら、黒田日銀総裁ご本人でさえ信じきれていないのでは…と思われても仕方ない。

 しかし、前回のコラムでも述べたように、日銀政策そのものの功罪はともかく、目先の効果を考えてみると、必然的にまた構造的な円安の進行が予想されやすい。

【参考記事】

●調整は買いの好機! 黒田氏が日銀総裁である限り、円安トレンド継続に疑いなし!?(2017年7月14日、陳満咲杜)

 日銀が物価目標の達成期限を再延長したことで、当面緩和策が続くので、その他の主要中銀のスタンスとの「背離」が一段と鮮明化し、円売りの安心感につながる公算が高いと思う。

■ユーロ/米ドルは1.2ドル打診もあり得る もっとも、ドルインデックスに照らして考えると、米ドル全体の下落トレンドは一段と強まっている。

 昨日(7月20日)のECB(欧州中央銀行)総裁の記者会見は「ハト派寄り」の内容だったにもかかわらず、ユーロは買われ、トレンドの強さを証左。このままでは、ドルインデックスは2016年安値へいったん逆戻りしてもおかしくなかろう。

ドルインデックス 週足(出所:Bloomberg)

 よって、ユーロ/米ドルは2016年5月高値をブレイク、2015年8月の高値に再トライする勢いを見せている。再度高値更新があれば、一時的であるにせよ、1.2ドルの心理的大台の打診もあり得るので、当面強気変動が保たれるとみる。

ユーロ/米ドル 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)

 もちろん、もうだいぶ上昇してきたので、何らかの形でいったんスピード調整の可能性も大きいが、スピード調整があるからこそ、トレンドはより健全化されるといったロジックはしばらく支配的であろう。

 この意味合いでは、7月7日(金)の本コラムに書かせていただいた「ユーロは買うのみ」の見方は市場に証明され、これからもしばらく正論であり続ける可能性が高いだろう。

【参考記事】

●第二のトランプラリーはもう始まっている!? ユーロは買うのみ! 円安は追随するのみ!(2017年7月7日、陳満咲杜)

■「ロシアゲート」が日銀政策の効果を相殺したかのようだが… さらに、ドルインデックスの大幅続落、また、ユーロの続伸は、トランプ米大統領の「ロシアゲート」疑惑の一段拡大、そして、政策遂行の失敗(オバマケア改廃案の挫折など)につられた側面も大きい。

 だから、米ドル/円は執筆中の現時点で111円台後半に留まり、日銀政策の波及効果が「ロシアゲート」疑惑に「消された」ように見えなくもない。米ドル全面安の進行で、やがて円安の傾向も消されるだろうか。

 そもそも米ドル安の背景には、昨年(2016年)年末の「トランプ・ラリー」がもたらした米ドルの「オーバーボート」があったことは見逃せない。

 言ってみれば、割高になるまで米ドル高が進行していった結果、その大きな修正が行われ、それが足元まで続いているわけだ。この視点を重視する場合、「ロシアゲート」など政治的な要素は二の次で、メインテーマはやはり、金融政策の相違や金利差に関する思惑にあるだろう。

 よって、ユーロの切り返し自体はECBの金融緩和見直しが間近であることがきっかけであったが、その大きな背景として「割安」に対する修正があることは確かだ。

 修正のトレンドが一段と強まっているなら、今回は修正の値動き自体がやがて行き過ぎになる可能性があるので、ユーロ高が一段と進むと、リスク要素としてこの点も注意する必要に迫られるが、目先はまだそこまでの状況ではないと思う。

 が、重要なところは、金利差の優位性は米ドルにあるが…
ユーロ/米ドルは1.2ドル打診もあり得る! 今後、豪ドルが買われるとみる理由とは? ブログ

ユーロ/米ドルは1.2ドル打診もあり得る! 今後、豪ドルが買われるとみる理由とは?

■日銀総裁でさえ日銀政策を信じ切れていない!? 日銀は、また物価安定目標の達成時期を延期した。

 2015年4月以来、もう6回目の先送りとなったが、ここまで来ると、もはや「デフレ心理の壁」に拒まれ、今回も期限内には達成できないのでは…といった市場センチメントの醸成につながり、額面どおりに受け止める市場関係者はいないだろう。

 もしかしたら、黒田日銀総裁ご本人でさえ信じきれていないのでは…と思われても仕方ない。

 しかし、前回のコラムでも述べたように、日銀政策そのものの功罪はともかく、目先の効果を考えてみると、必然的にまた構造的な円安の進行が予想されやすい。

【参考記事】

●調整は買いの好機! 黒田氏が日銀総裁である限り、円安トレンド継続に疑いなし!?(2017年7月14日、陳満咲杜)

 日銀が物価目標の達成期限を再延長したことで、当面緩和策が続くので、その他の主要中銀のスタンスとの「背離」が一段と鮮明化し、円売りの安心感につながる公算が高いと思う。

■ユーロ/米ドルは1.2ドル打診もあり得る もっとも、ドルインデックスに照らして考えると、米ドル全体の下落トレンドは一段と強まっている。

 昨日(7月20日)のECB(欧州中央銀行)総裁の記者会見は「ハト派寄り」の内容だったにもかかわらず、ユーロは買われ、トレンドの強さを証左。このままでは、ドルインデックスは2016年安値へいったん逆戻りしてもおかしくなかろう。

ドルインデックス 週足(出所:Bloomberg)

 よって、ユーロ/米ドルは2016年5月高値をブレイク、2015年8月の高値に再トライする勢いを見せている。再度高値更新があれば、一時的であるにせよ、1.2ドルの心理的大台の打診もあり得るので、当面強気変動が保たれるとみる。

ユーロ/米ドル 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)

 もちろん、もうだいぶ上昇してきたので、何らかの形でいったんスピード調整の可能性も大きいが、スピード調整があるからこそ、トレンドはより健全化されるといったロジックはしばらく支配的であろう。

 この意味合いでは、7月7日(金)の本コラムに書かせていただいた「ユーロは買うのみ」の見方は市場に証明され、これからもしばらく正論であり続ける可能性が高いだろう。

【参考記事】

●第二のトランプラリーはもう始まっている!? ユーロは買うのみ! 円安は追随するのみ!(2017年7月7日、陳満咲杜)

■「ロシアゲート」が日銀政策の効果を相殺したかのようだが… さらに、ドルインデックスの大幅続落、また、ユーロの続伸は、トランプ米大統領の「ロシアゲート」疑惑の一段拡大、そして、政策遂行の失敗(オバマケア改廃案の挫折など)につられた側面も大きい。

 だから、米ドル/円は執筆中の現時点で111円台後半に留まり、日銀政策の波及効果が「ロシアゲート」疑惑に「消された」ように見えなくもない。米ドル全面安の進行で、やがて円安の傾向も消されるだろうか。

 そもそも米ドル安の背景には、昨年(2016年)年末の「トランプ・ラリー」がもたらした米ドルの「オーバーボート」があったことは見逃せない。

 言ってみれば、割高になるまで米ドル高が進行していった結果、その大きな修正が行われ、それが足元まで続いているわけだ。この視点を重視する場合、「ロシアゲート」など政治的な要素は二の次で、メインテーマはやはり、金融政策の相違や金利差に関する思惑にあるだろう。

 よって、ユーロの切り返し自体はECBの金融緩和見直しが間近であることがきっかけであったが、その大きな背景として「割安」に対する修正があることは確かだ。

 修正のトレンドが一段と強まっているなら、今回は修正の値動き自体がやがて行き過ぎになる可能性があるので、ユーロ高が一段と進むと、リスク要素としてこの点も注意する必要に迫られるが、目先はまだそこまでの状況ではないと思う。

 が、重要なところは、金利差の優位性は米ドルにあるが…