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孤独な一人旅楽しむ日銀、円安は道半ば。 米ドル/円は118円、ユーロ/円は140円へ! ブログ

孤独な一人旅楽しむ日銀、円安は道半ば。 米ドル/円は118円、ユーロ/円は140円へ!

■円安の可能性を示す2つの理由とは? 前回のコラムで、円安(米ドル高)の可能性を強調したこと自体は正解であったが、提示した英ポンド/円のターゲット(151円)が先週金曜(9月15日)当日に達成されたことは、筆者自身にとってもサプライズであった。

【参考記事】

●米ドル/円は北朝鮮ミサイル発射でも押し目限定的。年内の上値目標は115~116円!(2017年9月15日、陳満咲杜)

英ポンド/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足)

 英ポンド/円の急上昇は、利上げ観測の高まりで英ポンドが急伸してきた側面が大きかったが、円安トレンドの一環と捉えれば、より理解しやすかったかと思う。

 米ドル/円やメジャークロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)における円安の可能性は、大きな視点でみると、主に以下の2点に起因すると思う。

 1つは、北朝鮮問題で引き起こされた地政学リスクが一時的なリスクオフにつながったものの、このリスクオフの動き自体が「ダマシ」となったことから、反動的なリスクオンが進行してきたこと。

 もう1つは、やはり金融政策の相違がより意識され、また、さらに鮮明になってきたことで、円安の可能性が再度認識されてきたところではないかとみる。

■日銀は唯一緩和策を堅持し、“孤独な一人旅”を満喫!? 2番目の視点は本来「蛇足」であるはずだが、ここに来て再認識されてきたことは、やはり、今回のFOMC(米連邦公開市場委員会)であろう。

 日銀が、主要国において唯一緩和策を堅持する中央銀行であること自体は周知の事実だから、今さら政策の相違を強調する必要はない、という意味合いでは「蛇足」であるが、FRB(米連邦準備制度理事会)のバランスシート圧縮(資産圧縮)が正式に表明されないうちは、マーケットはどうもこの根本的な問題を見逃しがちで、北朝鮮の挑発に大袈裟に反応していた。

 その反応の結果、一時的に円高進行が確認されたものの、結果的に一時的な「ダマシ」になったことも、根本的な政策の相違に市場関係者の焦点が再び集まってきたからであるといえる。

 FRBの資産圧縮は、来月(2017年10月)から始まり、2021年か2023年まで続き、60%もの資産が削減される見通しで、0.28%の利上げなら、3回の利上げ効果相当と計算される。

 リーマンショック以降に実施された世界的な大規模量的緩和策に終止符を打ち、引き締めの流れが始まろうとしている現在は、まさに大きな転換点に位置し、これから徐々に緊縮の色合いが濃厚になっていくと予想される。

 そのような中で、「一人旅」を続ける日銀は異色であり、また、「孤独」である。昨日(9月21日)、黒田日銀総裁は「必要なら緩和拡大」と繰り返し、異色また孤独な「旅」を続けることを表明。市場関係者の目には、場合によっては「一人旅」を楽しんでいるような印象にさえ映る。

黒田日銀総裁は「必要なら緩和拡大」と繰り返し、日銀が「異色で孤独な一人旅」を引き続き楽しむことを表明した (C)Bloomberg/Getty Images

 このような政策の相違をより鮮明化させ、また、市場関係者に強く意識させることで円安トレンドを維持、さらに推進することが黒田さんの狙いではないかと思われる。その意味で、従来のセリフを繰り返しただけでも、日銀総裁が発したメッセージのインパクトは大きい。

 つまるところ、FRBの資産圧縮は規定路線であって、また、日銀の政策維持も想定されていたから、本来まったくサプライズではないのに、「サプライズ」になったように解釈されること自体が間違いである。

 FRBの歴史的な政策転換は、米ドル安に終止符を打ち、「一人旅」を続ける日本の円は売られるといった単純な理屈が、相場にやっと反映されたにすぎない、そして、そのほかに理由はあるまいといえる。

 このことを理解できれば、足元の円安はなお途中…
アルトリアグループAltria Group(MO) 業績推移データスリップ ブログ

アルトリアグループAltria Group(MO) 業績推移データスリップ

アルトリアグループ(MO)は、米国でタバコと特定の無煙製品の製造・販売を行うPhilip Morris USA Inc. (PM USA)、機械製の大型葉巻とパイプタバコの生産・販売を行うJohn Middleton Co. (Middleton)、それの直接および間接完全子会社を経由して無煙製品とワインの生産・販売を行うUST LLC (UST)などを統括する持株会社です。競争者の少ない寡占状態のタバコ市場で安定的に稼ぎ、高配当企業としても有名です。米国株で1億円
円高終焉でドル/円急反発! 続伸のカギを 握るのは160円に向けて上昇するポンド/円 ブログ

円高終焉でドル/円急反発! 続伸のカギを 握るのは160円に向けて上昇するポンド/円

■タカ派のFOMCで米ドル/円は112円台半ばへ上昇 みなさん、こんにちは。

 9月8日(金)に一時的に108円割れを示現した米ドル/円ですが、「ベアトラップ」(※1) そして「アイランドリバーサル」(※2)となり、急反発しました。

(※編集部注1:「ベアトラップ」とは、安値を更新して下落トレンド継続になると思われたのに、それが反転上昇すること)

(※編集部注2:「アイランドリバーサル」とは、窓を開けた後に相場が反転し、再び窓を開けて元の水準へ戻った際に形成される「離れ小島」の様な形のこと)

【参考記事】

●ドル/円下げ止まりを示唆するサインとは? ユーロ/円は中期的に140円を目指す動きに(9月14日、西原宏一)

 本稿執筆時点で、米ドル/円は112円台ミドルで推移。

 日本時間9月21日(木)未明に結果が公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)がタカ派な結果に終わり、米国債利回りが上昇。

米長期金利(10年物国債利回り) 1時間足(出所:Bloomberg)

 呼応して米ドル/円は、重要なレジスタンスであった200日移動平均線が位置している112.20円を上抜けて堅調に推移しました。

米ドル/円 日足(出所:Bloomberg)

 ただ、今年(2017年)の米ドル/円を振り返ってみれば、1月3日(火)の118.60円を高値に急落。

【参考記事】

●円高終焉…。ドル/円は上昇トレンド回帰か。ユーロ/円130円台半ば突破の意味とは…!?(8月31日、西原宏一)

 その後、何度もトライするのですが、115円を抜けない状態が続いており、200日移動平均線を超え大きく上放れするにはクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の上昇が不可欠。

■円高終焉でユーロ/円は一時134円台へ急伸 前回のコラムで取り上げたユーロ/円は、200週移動平均線を2カ月かけて超えたことから上放れしており、一時134円台に急伸。

【参考記事】

●ドル/円下げ止まりを示唆するサインとは? ユーロ/円は中期的に140円を目指す動きに(9月14日、西原宏一)

ユーロ/円 週足(出所:Bloomberg)

 ただ、先週(9月11日~)後半からユーロ/米ドル自体は1.2000ドル台を攻めあぐねている状態です。その要因は、ユーロ/英ポンドの急落にあります。

ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)

 今月(9月)初旬からじわじわと値を下げていた…
ドル/円が年初来安値から反発した理由は? 円安継続! 数週間以内に114円程度へ上昇 ブログ

ドル/円が年初来安値から反発した理由は? 円安継続! 数週間以内に114円程度へ上昇

■ミサイル発射への反応は徐々に薄れていく 9月15日(金)の早朝に、北朝鮮が再びミサイルを発射し、市場も一時的にリスクオフの動きで円高に向かいましたが、今回はその円高の深さも、時間的にも、これまでよりは小さく、市場は非常に落ち着いた反応を見せました。

 米ドル/円はミサイル発射の発表前は110円台でしたが、発表後、一時的に109円台半ばまで下落しました。しかし、すぐに110円台を回復する展開となりました。

9月15日(金)の米ドル/円 30分足(出所:Bloomberg)

 北朝鮮の問題は緊張感が高まってきているのは事実ですが、米国、北朝鮮の双方ともに手詰まり感があるため、当面、挑発活動が継続する程度で大きな衝突にまでは至らないという様相を呈してきています。

【参考記事】

●米ドル/円は北朝鮮ミサイル発射でも押し目限定的。年内の上値目標は115~116円!(9月15日、陳満咲杜)

 今後は、ミサイル発射などに対して、市場の反応は徐々に薄れていくのではないかと考えています。(ただし、事態が深刻化したときは局面が一変するので、それは常に頭に入れておく必要があるでしょう)

■溜まった円買いポジションが反発の原因 9月15日(金)以降は、米ドル高・円安の流れが徐々に進行しています。

 チャート的に言えば、北朝鮮の核実験で米ドル/円が年初来安値を更新して107円台になった局面がありましたが、そこで、かなり短期的な円買いポジションが溜まってしまったことで、逆に反発のきっかけになってしまっています。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

 そして、その後は緩やかな上昇トレンドを形成しています。

 私は、前回のコラムで、米ドル/円は111.00円を抜けたからといって、一気に上昇するとは考えていないと話しました。

【参考記事】

●米ドル/円の反動を大きくさせた原因は? 不確定要素だらけで、決め打ちは無理…(9月14日、今井雅人)

 実際は、米ドル/円は一時、111.00円を上に抜けたものの、すぐに伸び悩んでしまったわけですが、その後、北朝鮮のミサイル発射をこなして、再び111円台に乗ってきたことで、下値の堅さを感じました。

【参考記事】

●ドル/円下げ止まりを示唆するサインとは? ユーロ/円は中期的に140円を目指す動きに(9月14日、西原宏一)

 そして、111円台が定着すれば、さらなる上昇が期待できます。まずは、小さなチャートポイントとして112円、そして、その次は114円と予想してきました。

 そんな中、米ドル/円は一気に112.00円を上に突破する展開となってきています。

米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

 そのきっかけとなったのは、9月20日(水)のFOMC…
今夜の注目材料は?9/21 ブログ

今夜の注目材料は?9/21

 東京市場のドル/円は、一時112.60円台まで上昇して約2カ月ぶりの高値を付けました。米連邦公開市場委員会(FOMC)が年内の追加利上げ見通しを維持した事を受けてドルが買われた昨夜の流れを引き継いだ格好です。欧米市場の展開を読むにあたって、まずは注目材料を確認しておきましょう。 9/21(木)17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表17:30   香港8月消費者物価指数18:30   プラートECB専務理事、講演21:30   カナダ7月卸売売上高21:30☆ 米新規失業保険申請件数21:30   米9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数22:00   米7月米住宅価格指数22:30☆ ドラギECB総裁、講演23:00   ユーロ圏9月消費者信頼感指数・速報23:00   米8月景気先行指標総合指数未定 ☆ 南ア中銀(SARB)政策金利発表 ※☆は特に注目の材料 このドル高の流れを後押しできるか、米経済指標が注目されるところですが、今夜の指標はどれも格落ち感が否めません。新規失業保険申請件数はハリケーンの影響が引き続き読めないため参考外でしょう。そうした中、ドル/円は欧米の株価や長期金利の動き(FOMCの消化)に左右されやすい展開となりそうです。 また、来月の欧州中銀(ECB)理事会に向けてドラギECB総裁の発言にも耳を傾けておきたいところです。その他、南アフリカ中銀は本日の会合で利下げ(6.75%から6.50%へ)を行う見通しです。
昨日のドル円相場ときょうのひとこと(9/21 木) ブログ

昨日のドル円相場ときょうのひとこと(9/21 木)

    ----------9/20ドル円相場概況--------------------- OP 111.546HI 112.533LO 111.087CL 112.147 東京市場は、仲値公示までは111円台半ばを維持したが、公示後は利益確定売りに押される展開となり、一時111.30円台へと弱含んだ。欧州市場でも五月雨式に調整売りが出て111.20円台へと下落した。NY市場に入ると、FOMCを前に動意を失い111.30-50円前後でもみ合った。その後、FOMCが年内の追加利上げに前向きな見方を(16人のメンバー中11人が利上げを予想)示すとドルが急騰。一気に112円台を回復し、イエレンFRB議長が楽観的な見通しを示すと112.533円まで上値を伸ばした。 -----------9/20主な出来事---------------------------- 07:45 (NZ) 4-6月期経常収支 (対GDP比) -2.8%前回-3.1%→-2.9%予想-3.1%   08:50 (日) 8月貿易収支 +1136億円前回+4188億円→+4217億円予想+1044億円   15:00 (独) 8月生産者物価指数 (前年比) +2.6%+2.3% +2.5%   17:00 (南ア) 8月消費者物価指数 (前年比) +4.8%前回+4.6% 予想+4.9%   17:30 (英) 8月小売売上高 (自動車燃料含む:前月比) +1.0%前回 +0.3%→+0.6%予想+0.2%  23:00 (米) 8月中古住宅販売件数 535万件前回544万件 予想545万件   27:00 (米) FOMC政策金利を 1.00-1.25%に維持 27:00 FOMC声明「労働市場が引き締まり続け、経済活動が今年ここまで緩やかに拡大している」「ハリケンーンが中期的な経済の流れを変える可能性は低い」「バランスシート縮小を10月に開始へ」「全会一致で政策決定」「インフレ、ハリケーンが寄与し一時的に上昇へ」「インフレ動向を注視」「雇用の伸びは堅調さを継続」「家計支出は緩やかに拡大、企業支出は数四半期で拡大」「経済の短期的なリスク、概ねバランス」 27:30 イエレン米FRB議長「緩和的な政策が雇用市場を一段と支援するだろう」「バランスシート縮小、段階的かつ予測可能に進行へ」「雇用者数、9月の数値に影響が出る可能性も」「インフレは2%目標をしばらく下回る」「インフレを2%に戻すため必要に応じて金融政策を調整する用意」「FRB議長の任期を全うするつもりだ」 ------------9/20株式・債券・商品---------------------- ------------9/21きょうの注目材料---------------------- <国内>未定    日銀金融政策決定会合15:30    黒田東彦日銀総裁、定例記者会見 <海外>07:45    4-6月期NZ・GDP14:10    ロウRBA総裁、講演15:00    8月スイス貿易収支15:55    スメッツ・ベルギー中銀総裁、講演17:00    ECB月報17:00    ノルウェー中銀、政策金利発表17:30    8月香港消費者物価指数18:30    プラートECB専務理事、講演21:30    7月カナダ卸売売上高21:30    前週分の米新規失業保険申請件数21:30    9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数22:00    7月米住宅価格指数22:30    ドラギECB総裁、講演23:00    9月ユーロ圏消費者信頼感指数23:00    8月米景気先行指標総合指数未定    南ア準備銀行(SARB)、政策金利発表 ------------9/21きょうのひとこと---------------------- FOMCは今年10-12月期のコアPCEの見通しを1.5%に引き下げました。その上で16人中11人が12月利上げを予測したという事は、12月の追加利上げのハードルを下げたという事になります。最新(7月)のコアPCEは1.4%。29日に発表される8月コアPCEが注目されそうです。  本日もよろしくお願いいたします。