株式投資税金対策 夫婦口座使い分けのポイントと実例

税金対策として有効な「夫婦口座使い分け」、今回は株式投資編です。日本株・米国株はもとより米国債など外国債もこのグループに入ります。株式投資編:夫婦口座の使い分けポイントまず、株式投資での夫婦使い分けをする上で抑えておくべきポイントをまとめておきましょう。特定口座(源泉徴収あり)で確定申告なしにできれば利益を大きく出しても配偶者控除からはずれる心配はいらない。外国税額控除は、他に収入がない場合は効果が薄くなる。米国株など外国株の配当金は配当控除対象外、ただし損益通算は出来る。補足させていただきますね。特定口座(源泉徴収あり)口座は、大きな利益や配当金受け取っても、確定申告せずに済む便利な口座です。それと共に、確定申告なしで済ませるメリットがいくつかあります。主婦:利益・配当金が大きくても配偶者控除からはずれる心配はない。夫:自営業で国民健康保険料が増えたりする影響はない。年に数百万円の利益を出したとしても、確定申告なしで済ませられるのであればこの恩恵を受けることが出来ます。自営業の方もこの恩恵は大きいですよね。特定口座制度のないFXや仮想通貨では、自営業の方が利益を大きく出すと税金だけでなく国民健康保険料も増加することになります。国民健康保険料は上限はあり、上がり方は住んでいる地域よっても違います。、ただ、概ね所得1000万円くらいまでは、税金と保険料の両方の負担が上がり続けることになっています。これ、なかなかキツイんです。私が前にすんでいた町は、国民健康保保険料の料率が所得の10%くらいありました。こうなると、投資利益への課税は、20.315%+国民健康保険料増加分10%=30.315%という高税率になってしまうのです。私が法人を作った理由の一つが、この高税率負担を減らすためでした。私ももともと自営業で専業トレーダーをやっていました。今は、法人を作って給与所得者です。こうしておけば、FX・仮想通貨で大きく利益を出しても健康保険料まで増加することは防げます。まあ・・・法人での社会保険料負担もなかなか重いので・・・これだけのために一概には「法人化するといいですよ」とはいえないんですけどね。この話はここまでにしておきます。株式投資で米国株を保有するときに留意して欲しいのが、「外国税額控除」です。参考記事:税額控除 投資家が押さえておくべき外国税額控除 米国株の配当金は「米国課税+日本国内課税」の2重課税になっています。米国課税分は確定申告の外国税額控除で還付されることになっています。表向きは全部戻ってきそうなのですが、実はそうはなっていません。上記記事内でも書いたのですが、「所得税率が低い方はほとんど戻ってこない」のです。なので、税率ゼロまたはゼロに近い専業主婦は外国税額控除はほとんど期待できません。米国株など外国株配当金は配当控除も対象外です。株式損益との損益合算には使えるので、この辺はケースバイケースで使い分けでいく工夫が活きるところです。株式投資編:夫婦使い分け参考例どの分野の株や債券に投資するかで夫婦の役割が違ってきます。年間どれくらいの配当金が見込めるかでも対応が異なるので、ご注意ください。私の見方をまとめておきますので、ご夫婦の状況に合わせて参考にされてみてください。尚、基本的に夫婦ともに「特定口座 源泉徴収あり」にしています。日本株の場合夫:普通に運用する。妻:株主優待目的・高配当目的株を保有。ただし、年間受取額は33万円くらいを上限にしている。これで、妻の配当金も確定申告をして総合課税とすることで、「配当控除」などのメリットを出せるようになります。。この方法は、2020年の確定申告でやってみる予定です。まだ、やったことがないので、うまくいくかどうか完全な保障はできません。配偶者控除から既に外れている専業主婦であれば、上限額は100万円前後まで引き上げても良いと思われます。米国株・外国株の場合夫:米国株高配当株は夫で保有。株式の年間損益がマイナスのときは配当金と「損益合算」できるようにします。「外国税額控除」の税金還付効果も夫口座で享受できます。妻:長期保有で値上がり目的株中心。専業主婦の場合、所得はないはずなので税率ゼロとなり、外国税額控除の効果がほとんどありません。これだと、高配当株保有は2重課税を受け続けることになります。値上がり目的でも短期保有前提の株は、損きりの可能性もあるので夫口座で売買する。5年・10年保有するつもりで損きりしない予定の米国株を妻口座で保有します。米国株の配当金の傾向は、全体的に大きくに分かれます。高配当傾向:大きな値上がりの見込めない低成長大企業に多い。低配当傾向:大きな値上がりの見込める高成長企業に多い。「高成長企業は低配当傾向」というのは、株式の教科書通りです。でも、この傾向は米国企業の方が日本企業よりもはっきりでている気がします。夫婦口座の使い分けでもこの辺を意識してやっています。2019年に保有している米国株私の口座で最近買った米国株:ABBV(アッヴィ)妻口座で年初に買った米国株:VISA(ビザ)妻口座で買っているVISAはクレジットカードでお馴染みのVISAカードの会社です。現在買い平均値は138で現在値は204です。成長力は折り紙付きなのですが、配当利回りは0.6%程度と配当利回り的な魅力はありません。対するABBVは、2020年10月現在の配当利回りは5.34%です。株価も低迷中です(悲)。 この低迷は・・・狙ったのか? 狙っている訳ないでしょ!当然ながら、私なりに「上がると思って」真面目に選んでの結果です。米国債・債券の場合私は、高金利時期・金利低下時期には債券購入をします。債券は、普段は上昇期待はそれほどないのですが、利低下時期に購入すると短期で大きく値上がりすることもあります。債券は元本は保証されているのがよいです。時期をきっちり選べば、「比較的低リスクで利益を大きく出来る運用」が出来るのが債券投資の大きな魅力です。実際、2年前に購入した米国債は、米国金利低下の流れに乗って大きく上昇して1年10カ月程度で50%くらいの含み益になっています。この米国債購入については、妻口座・夫口座の使い分けはとくにありません。ただ、注意して欲しいことがあります。米国債は、「為替」の影響を受けます。このため、「表向き上昇」していても「米ドルが下落(円高)」であれば利益がでないときがあります。例えば、こんなときです。購入時米国債98で購入(額面1万ドル分)購入時米ドル円相場1米ドル=110円売却時米国債100で売却(額面1万ドル分)売却時米ドル円相場1米ドル=100円このケース、98で買って100で売っているので米ドルベースでいけば利益になっています。でも、日本の課税計算では「為替」の影響が入るので、計算式が違ってきます。購入時約定金額:日本円換算額0.98×1万ドル×110円=1,078,000円売却時約定金額:日本円換算額1×1万ドル×100円=1,000,000円日本円換算額評価損益1,078,000-1,000,000円=-78,000円この売買、米ドル円ベースでは利益なのですが、課税基準の日本円換算額では、78,000円の損失になります。「損きりか、嫌だな」こう思った方もいるかもしれません。私は、これが一概に「嫌だな」とは思っていません。為替の影響による損きり 2つのメリット為替の影響があるのは、米国債に限らず米国株などの外貨投資も同じです。見方にもよりますが、このケースの損きりには、2つのメリットがあります。米ドルベースでは増加している。でも税金がゼロで済んだ。損きり分は、他の利益と相殺することで全体の税金を減らせる。98で購入した債券が100になったので、米ドルベースでは元金は増加しています。でも、円高のお蔭で損きりになったので税金はかかりません。私は、米国株・米国債は米ドルのまま売買を続けていて日本円に戻すことはほとんどありません。これは、将来の円安対策のためです。いつかはわかりませんが、大きな円安がくるだろうと思っています。その時に一番効果がある対策の1つは、「米ドルのままの資産を保有」しておくことです。なので、米ドルが増えたのに税金がゼロで済むのは、私にとっては有難いことです。その後に円安になってくれれば、税金を払うことなく資産も増加しれくれるからです。更に、この損きり分は日本株や他の米国株の利益確定分や配当金と相殺することで税金を減らす手段としても使えます。米ドル保有は増加全体の税金を減らせる円高時期は米国株が下落していることも多いので、いつも「狙ってできること」ではありません。ただ、知っておけばいずれ必ず役に立ちます。米国株は円高期に決済をすることで日本円加算の利益を減らせるため税金も減らせる。この知識は、実際の売買でも有効に使えます。

参照元:お気楽FX 相場生活入門編

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