月曜朝方の突っ込みで流れが変わった? でも下げ止まっても2016年は強気になれず ブログ

月曜朝方の突っ込みで流れが変わった? でも下げ止まっても2016年は強気になれず

■どうしても、この流れが続くとは考えられない 2016年は、年初から中国経済の減速、原油価格の急落などを原因として、世界の金融市場に激震が走っています。

 2016年は、この2つが大きなテーマになるということを2015年の年末に予想していたことは、前回のコラムでお話をしました。

【参考記事】

●急激な円高は一服か。けれど2016年は強気相場にならない。1月に日銀追加緩和も…(1月7日、今井雅人)

●証券会社の上昇予想は話半分で読むべき。日経平均1万5000円、米ドル/円は110円も(2015年12月25日、今井雅人)

 しかし、年初からあまりにも急に、これらのことが起きており、この流れがこのまま続くとは、どうしても考えられません。

■月曜日の朝方に突っ込んだ時、その流れはいったん終了へ 今週、1月11日(月)の朝方、米ドル/円相場は東京時間が始まる前に、大きく米ドル安・円高に向かう局面がありました。

 米ドル/円は、一瞬116.70円あたりまで下落しました。しかし、東京時間に入ってから、すぐに117円台に戻っています。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

 今までの経験則ですが、ある一定の流れができているときに、週明けの月曜日の朝方にさらに突っ込んで行った時、その流れがいったん終わるということがよくあります。

 今週、11日(月)の動きを見ていると、今回もそういう相場になりそうだなと感じています。

■相場は、底値を固める動きになってくる 11日(月)以降も、相場は不安定でありますが、少なくとも一方的な下落傾向は止まっています。

 IMM(国際通貨先物市場)のポジション動向を見ても、米ドル/円は、一転してドルショートに転換しています。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)

 ポジションの動向から考えるとすると、これからポジション調整による米ドル安・円高というのは起きないということになります。

 相場は、いったん底値を固めるような動きになってくるのではないでしょうか。

■一気に株高・円安に向かうにはサプライズが必要だろう ただ、これをもって相場が一気に反転して株高・円安に向かうというのは、ちょっと難しいと思っています。

日経平均株価 日足(出所:株マップ.com)

世界の通貨VS円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)

 戻るような動きがあったとしても、大幅なものにはなりにくいのではないかと考えています。

 もし、本格的に戻る展開になるとすれば、前回のコラムでお話をしたように、日銀が2016年1月、追加緩和に踏み切るというようなサプライズが必要になってくると思います。

【参考記事】

●急激な円高は一服か。けれど2016年は強気相場にならない。1月に日銀追加緩和も…(1月7日、今井雅人)

 さて、その後の展開ですが…
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[フランクフルト 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の理事会メンバーの多くは、インフレ期待が後退し、投資家が追加緩和を期待しても、目先にさらなる措置を講じることに懐疑的になっている。理事会の5人のメンバーが匿名を条件にロイターの取材で明らした。

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[東京 14日 ロイター] - 日本株の下げがきつい。アジアの主要株価指数の年初来パフォーマンスを比較すると、日経平均の下落率は中国株に次ぐ大きさだ。円高が重しとなり、これまで強みだった企業業績への懸念が高まっている。一方、ウォン安の恩恵を受ける韓国株の下げは限定的で、日本株と明暗を分けている。

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ソロスも警告! リーマンショックが再来!? 株安・円高の行方占う2つのポイントとは?

■英ポンド/円筆頭にクロス円の下落が加速 多くの市場参加者が懸念したとおり、2016年は「株安・円高」でスタート。

【参考記事】

●今年の10大リスクが早速炸裂!?中国株暴落、中東大荒れ、2016年相場は波乱の幕開け(1月5日、西原宏一&松崎美子)

日経平均 日足(出所:株マップ.com)

世界の通貨VS円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)

 当コラムで注目している英ポンド/円は大きな戻しもなく、続落。執筆時点での英ポンド/円は安値更新中で、一時、168.84円まで急落しています。

【参考記事】

●2カ月で16円暴落!ポンド/円は想定どおり急落! 株安・円高のカギはNYダウが握る(1月7日、西原宏一)

 英ポンド/円は昨年(2015年)11月19日(木)に188.82円の高値をつけて反落していますので、わずか2カ月弱で20円の大暴落。

英ポンド/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足)

 豪ドル/円も昨年(2015年)12月4日(金)に90.74円の高値に到達して以来反落に転じており、その下落幅は1カ月半でなんと10円。

豪ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)

 クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の急落が米ドル/円の下落も誘引し、米ドルに対しても円高が加速。1月11日(月)の米ドル/円は一時、116.68円まで急落しています。

米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

■米大統領選挙の年は年初5営業日の株の動向に注目 今年(2016年)の大発会(1月4日)の日経平均は、582円という急落で幕開け。

日経平均 日足(出所:株マップ.com)

 年明けの大発会で急落劇が演じられると、それは株の下落を暗示していることが多いと言われています。たとえば、バブル崩壊の1990年や大手金融機関が破綻に追い込まれた1998年が挙げられます。

 日経平均のみならず、今年(2016年)は米国株も大幅下落でスタート。

NYダウ 日足(出所:CQG)

 米大統領選の年は年初5営業日の株の動向が年間の株価の動向を左右する確率が88%に達するというデータも報道されており、2016年は日経平均、米国株とも前途多難なセンチメントでスタート。

 相場環境もリスクオフ要因には事欠きません。「原油価格の低迷…