アルゼンチン野党、大統領による暗号資産「LIBRA」の宣伝で弾劾裁判可能性も

「$LIBRA」の宣伝を受け弾劾裁判の可能性指摘

アルゼンチンのハビエル・ミレイ(Javier Milei)大統領が、議会で弾劾裁判を受ける可能性があると野党議員が2月15日に述べた。リバタリアン(自由至上主義者)の指導者であるミレイ大統領がある暗号資産(仮想通貨)を宣伝した後、すぐに暴落したからだ。

ミレイ大統領は2月14日の深夜、知名度の高くない暗号資産「$LIBRA」を推奨する投稿をXにポストし、その後すぐに1枚あたり約5ドルまで急騰した。

しかしわずか数時間後、その暗号資産は1ドル以下に急落した。

アルゼンチンのフィンテック協会は、この件は暗号資産の開発者が合法的な投資を引き付け、価値を高めた後、後に持ち分を投げ売りする「ラグプル:だまし討ち(rug pull)」となる可能性があると指摘した。

「このスキャンダルは、国際的な規模で私たちに恥ずかしい思いをさせており、大統領に対する弾劾請求を開始する必要がある」と、野党連合のメンバーである議員のレアンドロ・サントロ(Leandro Santoro)氏は述べた。

ミレイ大統領は、現地メディアが2月14日の夜に投稿が数時間掲載されていたと報じたXの投稿を削除した。その後ミレイ大統領は、事情を知って投稿を削除したと述べ、自身と暗号資産は何の関係もないと付け加えた。

「私はそのプロジェクトの詳細を認識してはいなかったが、その事実を知ってからは、これ以上宣伝しないことにした」とミレイ大統領は述べている。

なおアルゼンチン大統領府は、「$LIBRA」に関する声明を2月16日に発表した。

ミレイ大統領は、国家大統領府の管轄下に調査タスクフォース(UTI)を設置することを決定したという。このUTIは、暗号資産、金融活動、マネーロンダリング、その他の関連分野に関する権限を有する機関や団体の代表者で構成され、「$LIBRA」の立ち上げと、大統領自身を含む国家政府関係者の不正行為の有無を緊急調査する。

調査中に収集された情報は、「$LIBRA」の開発チームであるKIPプロトコル・プロジェクトに関連する企業や個人が犯罪を犯したか判断するため、裁判所に引き渡されるとのことだ。

ちなみに「$LIBRA」はソラナ(Solana)上で発行されている。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Argentina’s opposition threatens impeachment trial after Milei touts crypto coin
(Reporting by Jorge Otaola; Writing by Kylie Madry; Editing by Chizu Nomiyama)
画像:Reuters

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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