米SECゲンスラー委員長「大半の仮想通貨プロジェクトは生き残れない」
ゲンスラー氏、仮想通貨業界のリスクに改めて言及
SEC(米国証券取引委員会)のゲイリー・ゲンスラー委員長は2025年1月11日に、ブルームバーグとのインタビューで「現在の仮想通貨プロジェクトの多くは生き残れない可能性が高い」との見解を示しました。
同氏はこれまで仮想通貨業界に対して厳しい姿勢を示してきましたが、公共政策では意見の対立や批判は避けられないものだと述べた上で、以下のように語りました。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など一部の仮想通貨を除き、多くのプロジェクトは生き残れない可能性がある。
仮想通貨市場は、基本的な経済指標よりも感情的な要素に依存している。多くのプロジェクトは詐欺やポンジ・スキームのようなものだと考えている。
さらに同氏は、投機的なプロジェクトが市場の信頼を損ない、多くの投資家が重大なリスクにさらされているとも指摘しました。具体例として、有罪判決を受けた仮想通貨取引所FTXの創業者であるサム・バンクマン=フリード氏の詐欺事件などを挙げ「こうした事件が規制強化の必要性を浮き彫りにしている」と述べました。
新体制による仮想通貨規制の動き
ゲンスラー氏主導の下、SECはこれまでにCoinbaseやBinance、Ripple社などの企業に対して複数の法的措置を進めてきました。これにより仮想通貨業界全体が「非遵守」に基づいて構築されているとの認識が広がり、規制強化が不可避とされてきました。
一方で、業界内外からは「SECによる過剰な規制がイノベーションを妨げる」との強い懸念も示されており、特に、法的な基準や規制方針の明確化を求める声が上がっています。
ゲンスラー氏は今月20日にSEC委員長退任が予定されており、後任として、親仮想通貨派のポール・アトキンス氏が次期委員長に指名されています。新体制の下で、仮想通貨業界に対する規制の明確化や適切な情報開示の促進が期待されています。
また、世界各国でも仮想通貨に関する規制の動きが活発化しており、最近では、EUで昨年12月にMiCA(市場規制フレームワーク)が施行され、規制の透明性向上に向けた取り組みが進んでいます。
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Souce:Bloombergインタビュー
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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