【ブロックチェーンゲームで健康増進】「HEALTHREE」CEOの山本 真也氏にインタビュー

日本のweb3スタートアップにより開発された、健康増進のためのブロックチェーンサービス「HEALTHREE(ヘルスリー)」。これは、ゲーム感覚で取り組みながら、生活習慣の改善に役立てられるアプリです。

果たしてヘルスケア領域にブロックチェーン技術を取り入れると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

今回はこの「HEALTHREE」について伺うべく、株式会社HEALTHREE 代表取締役CEO である山本 真也氏にインタビューを行いました。

以下の疑問にお答えいただき、HEALTHREEが目指す「健康社会」について迫ります。

  • 「web3×ヘルスケア」のビジネスに挑戦したきっかけとは?
  • ブロックチェーンの導入により得られるメリットとは?
  • 他の企業とのコラボキャンペーンによる効果とは?
  • HEALTHREEが描く今後の事業展開とは?

自社事業としてweb3サービスの提供を考えている方、web3サービスとの提携を予定している方、ブロックチェーンの活用方法に悩む方はぜひ最後までご覧ください!

web3を通じて、ヘルスケア領域の課題解決を実現する

株式会社HEALTHREE 代表取締役CEO 山本 真也氏
株式会社HEALTHREE
代表取締役CEO 山本 真也氏

ーーまずは自己紹介をお願いします。

山本氏:株式会社HEALTHREEで代表取締役CEOを務める山本真也です。

新卒でサイバーエージェントに入社した後、2018年に起業してデジタルマーケティングの会社「meyco(メイコ)」を立ち上げました。

そして、2022年からはweb3事業へと乗り出すために同事業を売却し、HEALTHREEを創業しました。

ーー株式会社HEALTHREE(ヘルスリー)の概要について、教えてください。

山本氏:株式会社HEALTHREEは、web3ヘルスケアアプリ「HEALTHREE」の企画・開発と運営を担う企業です。

2022年6月にシンガポール法人として創設し、2023年末には日本法人を立ち上げました。2024年11月時点の所属人数は15名ほどで、開発からバックオフィス、ビジネスサイドのメンバーが在籍しています。

ーー「web3×ヘルスケア」のサービスに取り組もうと考えたきっかけについて、教えてください。

山本氏:きっかけは、web3アプリであるSTEPNに大きな衝撃を受けたことです。

僕は起業家であるため、「世の中を変えるような事業を作りたい」と常々思っていました。また、僕はスポーツが好きで健康増進に関して人一倍の興味があり、ヘルスケア分野でのビジネスチャンスを探していたのです。とはいえ、良いアイデアはなかなか見つかりませんでした。

そのような時期にちょうどブームを迎えたのが、STEPNです。多くのユーザーがSTEPNに夢中で、僕自身もドハマりしてしまいました。

BtoCのアプリにおいて、このような熱狂は成功へと繋がる重要な要素です。加えて、マーケターとしてさまざまなお客様の施策に関わる中で、BtoCビジネスの爆発力に可能性を感じていました。

またSTEPNには、以下の要素があります。

  • トークノミクスによる新しいユーザー体験
  • 法規制の課題があり、大企業の参入には時間が必要
  • グローバル市場への進出が前提
  • スピードが命

このような特徴のビジネスこそ、まさにスタートアップである我々が取り組むべきテーマだと感じたため、「web3×ヘルスケア」の事業への挑戦を決意しました。

楽しみながら、「健康的な習慣」を身につける

ーーブロックチェーンアプリ「HEALTHREE」について、教えてください。

山本氏:HEALTHREEは、ゲーム感覚で健康な状態を目指すヘルスケアアプリです。

食事・睡眠・運動の質を改善して習慣化するとトークンが貯まり(※)、そのトークンを経済的な価値に転換できる仕組みになっています。

従来のヘルスケアアプリでは、「いかに継続してもらうか」が課題でした。そこで、HEALTHREEではゲーミフィケーションの要素を取り入れつつ、楽しみながら健康習慣の改善に役立てられる設計にしました。このような新しい概念に基づいているため、我々はHEALTHREEを「web3ヘルスケアアプリ」と呼んでいます。

(※)食事・睡眠の項目は今後のアップデートで実装予定。

ーーブロックチェーンアプリ「HEALTHREE」の着想を得た経緯について、教えてください。

山本氏:約5年間にわたって1日1万歩を歩いた経験が、HEALTHREEを開発するヒントになりました。

ある時、僕は先輩経営者との交流がきっかけで、1日1万歩を歩くという目標を掲げたのです。最初はとても辛く感じましたが、次第にそれほど苦労せずクリアできるようになったのです。結果として、それ以来約5年間にわたり「1日1万歩」の運動を継続できました。

この経験を通じて、僕は「習慣化」の大切さを実感するようになりました。とはいえ、やはり「目標をクリアするために取り組む」という姿勢より、「楽しいから自発的に歩く」という状態が理想であるべきです。

ただそうは言っても、日頃から前向きな気持ちで健康増進に取り組んでいる人は少ないでしょう。過去に何らかの疾病を患った人だと健康志向が高まりやすいものの、健康な人はなかなかモチベーションが湧きません。

そこで、楽しいゲーム体験を通じて、自発的に生活習慣の改善に繋げられないかと考え、HEALTHREEのコンセプトを決定しました。

ーー既存のweb2型サービスでも、ポイント制度は存在します。これと比較して、ブロックチェーン上でのポイント配布には、どのような利点があるのでしょうか。

山本氏:インセンティブ設計の面で、より自由度が高まります。

ブロックチェーンによってもたらされるメリットは、以下の2点です。

  • 換金が可能になる点
  • トークンに価格がつく点

ポイ活など従来のサービスでは、ポイントの使い道が限られていました。これに対してブロックチェーン上でポイント運用をした場合、換金も可能になります。

また、トークン上場後はトークンに価格がつく点もメリットです。取引価格が変動するため、ユーザーに対してインセンティブを提供しやすくなります。

もちろん、HEALTHREEでは過去に起きたweb3ゲームでのトークノミクス崩壊も考慮しており、原資の範囲内でインセンティブをコントロールする設計にしています。

web3ゲームがブームだった頃は、「稼げるからプレイする」という姿勢の人が多くいました。しかし、市況が落ち着いている現在でも熱心に取り組んでいる人は、ゲーム自体に価値を見い出しています。例えば「ゲーム自体が面白い」とか「リアルの場で交流できるから楽しい」など、トークンの価値とは別の意義があるのです。この部分こそ、我々が追求すべき「ブロックチェーンゲームの本質」なのでしょう。

コラボキャンペーンで、デジタルとリアルを結ぶ

コラボ じゃがりこNFT
引用:PR TIMES

ーー2024年9月、HEALTHREEはカルビーの「じゃがりこ」とのコラボキャンペーンを開催しました。このキャンペーンについて、詳細を教えてください。

山本氏:2024年9月11日から9月30日の間、カルビーの「じゃがりこ」とのコラボキャンペーンにより「じゃがりこNFT」を販売しました。

このじゃがりこNFTの購入者は、HEALTHREE内で開催される「カルビーコラボミッション」への参加が可能です。加えてミッションをクリアした場合は、カルビー公式オンラインショップで使えるクーポンを入手できます。このように、今回のカルビーとのコラボ企画ではデジタルとリアルの融合が実現しました。

デジタル空間のサービスで遊び、その結果がリアルの場にも反映されると、ユーザー体験の質が向上します。web3特有のNFTやコミュニティ文化はユーザーエンゲージメントに寄与できるため、コラボ相手である企業にもプラスの価値をもたらすはずです。

今後もこのような施策を通じて、「健康増進により現実世界でメリットを享受できる仕組み」を作っていきます。

ーーHEALTHREEが他の企業と提携する場合、どのような施策が考えられるのでしょうか。

山本氏:提携先の企業やサービスに対して、健康増進の仕組みを組み込めます。

これまでにおけるHEALTHREEの提携実績では、以下の2パターンがありました。

  • 健康経営を目指す企業向けに、社内のヘルスケアアプリとして導入
  • 商品やIP(知的財産)とのコラボ企画

まず1つが、企業の従業員向けに利用されるヘルスケアアプリとしての導入です。従業員同士が交流しながらHEALTHREEを楽しむため、健康増進とコミュニケーション促進を期待できます。過去の導入事例では、「従来のヘルスケアアプリよりも楽しみながら取り組めた」とのお声もいただいています。

2つ目が、企業の商品やキャラクターとのコラボ企画です。提携先のクライアントが既にコンテンツを保有している場合、HEALTHREEとの提携によってヘルスケアの要素を付与できます。例えば「キャンペーン期間中に何万歩を歩いたら、記念グッズがもらえる」というように、ミッション風の企画でユーザーに対して面白さを提供できます。

ーーHEALTHREEにおける直近の状況について、教えてください。

山本氏:現在は、ユーザー体験の質を高めている状況です。

HEALTHREEでは、以下3つの段階で事業計画を描いています。

第1段階:最低限のプロダクトを用意する
第2段階:プロダクトの完成度を高める
第3段階:睡眠・食事の要素も追加し、完全な状態で提供する

2024年11月の時点では第二段階の途上であり、より面白いゲーム体験を追求している最中です。HEALTHREEがあるからこそ「今日も歩こう」と思ってもらえるように、アプリの成熟度を高めています。

これら一連の施策を「GAME 2.0」プロジェクトと銘打って進めており、2024年11月の大型アップデートによって反映する計画です。そのアップデートを機に無料でも楽しんでいただける幅を拡大し、誰でも簡単に楽しく健康習慣を身につけることができるようになっています。

また、期間限定ではありますが、とてもお得な招待プログラムも用意しているので、是非サービスサイトで確認してみてください。

健康で豊かな生活を目指して

ーーHEALTHREEを普及させる上で、特に苦労した点を教えてください。

山本氏:マス層のユーザーに浸透させるのに苦労しました。

ブロックチェーンゲームの要素を取り入れているものの、HEALTHREEはあらゆるユーザーをターゲットとしています。しかし、当初はマス層のユーザーに「ウォレット」などの概念がなかなか伝わらず、怪しまれてしまう場面さえありました。

このような経緯があったため、現在では「ウォレット」や「ブロックチェーン」といった専門用語は一掃し、誰でも親しみやすいUX(ユーザーエクスペリエンス)に変更しています。

HEALTHREEのポジショニングは「web3ゲーム」ではなく、「トークンで運動習慣の継続をサポートするヘルスケアアプリ」だと考えています。既存のポイ活アプリのような稼げる仕組みを取り入れつつ、カジュアルゲームみたいに誰もが簡単に遊べるサービスを目指しています。

ーーHEALTHREEについて、今後の展開を教えてください。

山本氏:健康で豊かな生活が送れる人を増やすため、まずは100万人のユーザーに使ってもらうことを目標としています。

より多くの方に楽しんでいただく上で、ゲーム自体の「面白さ」を向上させなければなりません。そこで2024年11月に実施される大型アップデートでは、ユーザー体験の質を大幅に改善します。具体的には、以下に挙げる3つの要素が追加されました。

没入感のある運動体験

ゲームを開始すると自動的に生成されるマップで、ユーザーは単なる運動ではなく、まさにゲームの世界を散策するような体験ができます。マップはゲーム内にある「鍵」アイテムを使えば別の指定ルートに変更もできるので、難易度の変更が可能で飽きのこない運動体験が得られます。

誰でも始められる報酬システム

運動距離に応じて「H-Ⅲ(ゲーム内の経験値)」が付与され、これが貯まるとマップのランクが上がっていきます。ランクが上がるにつれて報酬が増加するほか、ゴール到達時には追加の報酬を得られるので、達成感を感じながら運動する習慣が身につきます。

アバターの服装をレベルアップしてトークンをゲット

ゲーム内通貨「HEAL-3コイン」の活用により、アバターの靴や服のカスタマイズが可能です。これらのアイテムを身につけて継続的に運動し「H-Ⅲ」を増やすことで、現実世界で利用できる暗号資産・UHT(オリジナルトークン)を獲得できます。

ーー最後に読者の方へのメッセージをお願いします。

山本氏:まだHEALTHREEに触れていない方がいらっしゃいましたら、ぜひダウンロードしてみてください。

web3サービスの中で、HEALTHREEはとても扱いやすいアプリです。そのため、ブロックチェーンに関する知識を持たずとも十分に楽しめるはずです。

健康増進に寄与しつつweb3サービスに触れるきっかけともなるため、一度気軽に触ってみてもらえたらと思っています。

▼HEALTHREEの詳細はこちら

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