乃木坂46も手掛ける音楽クリエイターAkira Sunsetが考える、音楽NFT業界に立ちはだかる問題とは

Akira Sunset

HOVERBOARD Inc,代表取締役。現在では14名の所属作家、40名を超える提携作家が在籍。
自身のユニットSafariiとして2007年Hawaiiでデビュー。そして2008年Sony Music Recordsからメジャーデビュー。
2012年からは、他アーティストへの作詞や楽曲提供といった活動を開始。乃木坂46には、2ndシングル収録曲から数多くの楽曲を提供しており最新シングル「おひとりさま天国」も作曲。トータル売上枚数が500万枚を突破。
5年連続でオリコン年間作曲家ランキングにトップ10以内に入る。
アーティスト、アイドル、アニメやNISSAN、NTT Docomo、JA全中等の企業系楽曲まで幅広く手掛ける。

質問

初めてNFTに触れたときのことを教えてください。

NFTに実際に触れたのは、STEPNからだね。
あれで、「なんか世の中変わったぞ」って思った。まぁ、最終的に大損したんだけど。「これはマジで来る」と思って、めちゃくちゃ突っ込んで最強の靴にした瞬間、もうボロボロに暴落した(笑)。

まあでも、そのおかげでWeb3面白いなと思って調べたんだよね。結構前にも一回NFTに興味持ったんだけど、それから忘れててさ、STEPNやってた時にTwitterで情報調べてたらアイコンがイケてるPFPの人が多くてそこから入って行った。まずNTPを買ってアイコンにして、その後CloneXとかAzukiとか。日本の有名なやつもかなり買ったかな。元々儲けようとして買ったわけじゃないけど、あまりにも値段が下がりすぎて、今はもうメンタル崩壊(笑)。

音楽クリエイターとしては、音楽はNFTにするべきだと思いますか?

音楽もNFTにするのは凄く良いと思う。

サブスクの”再生されたらアーティストにお金が入る”という仕組み自体は良いと思うんだけど、本当に一部の人気アーティストしかお金にならない。それにサブスクって、定額で何でも聴けちゃうから同じ曲何回も聴き込まないんだよね。俺らの時代はCDを買って、それに入ってる限られた曲をひたすら聴いてたから曲に対する思いが全然違うんだよ。

その点、NFTはCDみたいに買った喜びがあるからたくさん聴くんだよね。それで俺もやりたいな、と興味を持った。

音楽NFTを広げていくにあたって、課題だと感じることはありますか?

まあ、まずはもう少し買いやすくなってほしいかな。決済方法がまだ限られてるから。
いろいろ進めているとは思うけど、やっぱり市況が市況だと、進みも遅くなるし難しいよね。

あとは、中々ビッグアーティストが入って来づらいっていうのが大きい。著作権問題があるんだよね。
前に著作権団体と話しに行ったんだけど結構大変で。ここを突破できる未来が来るまでは時間がかかりそう。
サブスクだって、今みたいに普通になるまで10年くらいかかったんじゃないかな。

今回リリースされたNFT楽曲について教えてください。

なんだろうね、曲の内容ってより、やっぱりやること自体が大事だったかな。音楽NFTを出してみたかったからやった、っていう気持ちが強いかもしれない。
今は自分がアーティストとして活動してないから、久々に自分で歌ったり、やりたかったことやろうかなって感じでやってみた。

一番は、AzukiのアバターでAzukiのキャラクターを歌わせたかった。別のキャラになってアーティスト出来るなんてすごく良いなと思って。Azukiの世界のコミュニティにも発信したかったし。ただ結局時間がなくて全て注いで出来なかった部分はあるんだけど。内容は自己紹介ラップっていうか、40歳を超えて、欲しいものもある程度手に入ったけど、まだやりたいことあるよね。みたいな想いを曲にしました。Web3界隈にいたら共感してくれる人もいるんじゃないかな。まだ何者かになりたいなって気持ちはみんなどこかにあるよね。

やはり、NFTだからこその面白さみたいなものがありますか?

IPを使えちゃうっていうのは、面白さがあるなと思ってます。
Azukiもそうだし、CloneGirlsっていうCloneXのアバターの女の子3人の楽曲をプロデュースしてるんだけど、そういうのもね。
自分が作ったわけじゃないのに、好きに使えるっていう。もちろん制限があったりはするけど。それでコミュニティが盛り上がれば面白いなと思うし、NFTの良さだよね。

Web3が一般化していくと、音楽業界は変わっていきそうでしょうか?

いや〜まだWeb3は遠い気がする。
Web3早く参入しなきゃみたいな思ったけど、やってみたら意外とゆっくりでいいかなって思った。
もっと広げるってなると、やっぱ大物に参入してもらう必要があるよね。で、さっきの参入障壁問題にぶつかる。なかなか難しい。

けど、間違いなく技術は素晴らしいから、音楽関係でいうとチケットにNFTを使うとかの方が先なんじゃないかなと思って。
それこそ前に大手レコード会社と話したけど、やっぱり実績がないと実際に使ってくれない。
じゃあその実績を作らせて欲しいんだけど、バイトと一緒で経験者募集みたいなのばっかりでさ。「じゃあ経験させてくれよ」みたいな(笑)。

今後、音楽NFTが広まっていくために必要だと思うことはありますか?

Sound Desertが販売したレコードのグッズ。あれは良かった。やっぱり現物を所有するってそれも喜びだと思うんだよ。好きなジャケットは、家とかデスクとかに飾りたい。

とはいえ、CDとかグッズってなくなっちゃったりもするじゃん。どこに行ったっけ?みたいな。そういう点でNFTと紐づいてるのはいいなと思った。やっぱりネットだけでも現物だけでも難しいから、掛け合わせなんじゃないかな?あの試みはすごくよかった。所有している証明じゃないけど、パッと見たときにやっぱコレクションとして自分のそばにあるのはやっぱりいいですよ。この手法は広がっていくと思うし、広げて行きたいなと思います。

進んでは戻ってを繰り返して少しずつWeb3.0になっていくのかなと思ってるので、チャレンジはしつつ、気長にそのときに向けて着実に準備をしておきたいと思います!

参照元:NFT Media

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