【イベントレポート】THE WEB3 NIGHT#007 「NFTチケットによる物や権利の流動化が事業環境に与える影響と可能性、その課題を探る。」
2023年2月22日(水)、クロスコープ新橋セミナールームにて、THE WEB3 NIGHT#007 「NFTチケットによる物や権利の流動化が事業環境に与える影響と可能性、その課題を探る。」が開催されました。
本イベントは、Web3事業開発に関わる人が集まるコミュニティ「Web3 Business Developers Guild」によって、毎回キーパーソンを招いて開催されるTHE WEB3 NIGHTの第7回目として開催されました。今回のイベントでは、株式会社チケミーCOOの赤塚育海(ikkun)氏、モノバンドル株式会社代表取締役の原沢陽水氏がゲストとして登壇し、「NFTチケットによる物や権利の流動化が、事業環境に与える影響と可能性その課題を探る。」というテーマを題材にお話しされました。
【イベント概要】
日時:2023年2月22日(水)19:00~21:00
場所:クロスコープ新橋セミナールーム
住所:東京都港区新橋1-1-13 アーバンネット内幸町ビル3F
テーマ①物や権利がNFT化されると何が起こる?
本イベントは、4つの質問に対して登壇者が答えていく形で進められました。
最初の質問では、物や権利がNFT化されることでなにが起きるのかについて登壇者の2人がお話しされました。
この質問に関するお二人の回答は、NFTによって同じ規格が用いられる事で流動性をあげることができるというものでした。また、規格がオープンソースとして公開されていることによって、ネットワーク効果が働くという点についても言及されていました。
大手企業が新たなブロックチェーンを作ったとしても、イーサリアムチェーンを使い続ける人が多いのは、既に統一された規格として普及しているイーサリアムチェーンと互換性がないチェーンはユーザーにとって魅力的ではないとのこと。統一の規格によって、流動性が上がることで、必要なものや権利が、必要としている人に届くようになることが期待できるそうです。
リアルのものをチェーン上に記録する際には、何らかの人や組織を信頼しなければいけないという問題も話題となりました。完全にトラストレスな仕組みの構築は難しい、という前提のもと、トラストが必要になるポイントを明確にし、利用者に選択肢を与えることが重要であるという指摘や、リアルなものをデジタル上で取引する際には、メルカリの様なCtoCの企業が今後も残っていくのではないか、といった見解を聞くことができました。
テーマ②結局ウォレットはどうあるべき?
暗号資産取引所のように、企業などの第三者が運営するウォレットを意味するカストディアルウォレットと、メタマスクの様に個々が自分の資産を管理するノンカストディアルウォレットが存在しますが、本来ウォレットがどうあるべきなのかについて議論が行われました。
この質問に関するお二人の回答は、ユーザーが選択できることが大事というものでした。Web3的な思想では、中央に管理者がおらず、自分の資産は自分で管理することができることが理想とされています。しかし、中には自分で管理するよりも手のかからない、企業が管理するところに預けたいという人もいるという点から、選択肢が与えられ、個人が選択できる状態が一番よい状態といえるだろうとのことです。
テーマ③注目しているユースケースは?
お二人が注目しているユースケースとして、不動産×NFTの活用事例について取り上げていました。これまで紙面で権利が取引されていた不動産は、NFTによって流動性が大きく上がる分野であると期待されています。お話の中で登場した事例としては、バーチャル空間に渋谷の街を再現したSHIBUYA109×The Sandboxの事例、ホテルに宿泊できる権利をNFT化したNOT A HOTELなどがあります。
また、有価証券をデジタル化したものであるセキュリティ・トークン(ST)にも注目されているとのことです。
テーマ④5年後の事業環境とは?
ブロックチェーンやNFTを活用した事業は、今後ベンチャー企業にとって困難な領域になっていくのではないかと予想されていました。既に、大企業はブロックチェーンについて理解を深めており、先を見据えていると感じられているそうです。また、進展が早い海外と足並みを揃える形で日本でもブロックチェーンの活用は想像以上のスピードで進んでいくだろうと予想されていました。
終わりに
今回のイベントを通して、物や権利がNFT化されることでどのようなことが起こるのか、どのようなメリットがあるのか、について知ることが出来ました。また、課題である信用の問題や、デジタルの資産を管理するウォレットの在り方についても知見を深めることができました。本記事では、イベント内での内容をかいつまんで説明してきましたが、もし興味がある方は、YouTubeにアップされているイベントの録画をご覧になってみてはいかがでしょうか。
参照元:NFT Media