暗号資産の脱税防止に向け国家間で情報交換|G20に新たな枠組み提示へ:OECD


経済協力開発機構(OECD)は2022年10月10日に、国家間で暗号資産・仮想通貨に関する情報交換を自動的に行うための枠組みである『暗号資産報告フレームワーク(CARF)』をG20財務大臣・中央銀行総裁会議に提示することを発表しました。

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暗号資産報告フレームワーク(CARF)をG20に提示

経済協力開発機構(OECD)は2022年10月10日に、国家間で暗号資産・仮想通貨に関する情報交換を自動的に行うための枠組みである『暗号資産報告フレームワーク(CARF)』をG20財務大臣・中央銀行総裁会議に提示することを発表しました。

暗号資産報告フレームワーク(CARF)は、G20から『暗号資産に関する国家間の自動的な情報交換のための枠組みを開発するように』との要請を受けてOECDが開発した枠組みであり、この枠組みは2022年10月12日〜13日にかけてワシントンDCで開催されるG20財務大臣・中央銀行総裁会議で提示される予定だと報告されています。

この枠組みは暗号資産の利用が幅広い投資・金融用途で広まってきていることを受けて作成されたもので、公式発表では「暗号資産は中央管理者が取引・保有状況を完全に把握することなく移転・保有できること」や「仮想通貨市場に様々なサービスが生まれている一方でその多くがまだ規制されていないこと」などが問題点として指摘されています。

金融業界では既に国際的な税務報告の枠組みとしては「共通報告基準(CRS)」が導入されているものの、暗号資産関連の取引はCRSの対象になっていないため、経済協力開発機構(OECD)はこのような現状から『暗号資産は脱税に利用される可能性を高めている』と指摘しています。

暗号資産報告フレームワーク(CARF)は「CRSと同様に標準化された方法で納税者の居住区域と毎年自動的に情報交換することによって、暗号資産取引に関する透明性を確保する」というものとなっています。

仮想通貨業界では「海外取引所利用者が海外での仮想通貨取引報告を行わずに脱税する」といったケースがあることが問題視されていましたが、今回発表された枠組みが導入されると、日本の投資家が海外取引所を利用した場合にも現地の税務当局を通じて仮想通貨取引情報が日本の税務当局に伝えられるようになります。

適用対象となる暗号資産について

暗号資産報告フレームワーク(CARF)は『暗号で保護された分散型台帳や類似の技術に依存する形で取引の検証や安全性を確保するあらゆるデジタル価値表現』を対象とする予定だと説明されているため、現在暗号資産取引所で取引されている暗号資産のほとんどが今回の枠組みの対象になると予想されます。

これには「ステーブルコイン・暗号資産の形で発行されたデリバティブ・NFT」などといった従来の金融仲介者の介入なしに分散型で保有・移転できる資産が含まれるとのことですが、「支払いや投資目的で使用できない資産」や「すでにCRSに含まれている資産」に関しては”カーブアウト”と呼ばれる分離作業が想定されていると報告されています。

また「顧客のために暗号資産取引サービスを提供する事業者・個人」や「顧客の代わりに暗号資産取引を行う事業者・個人」はCARFに基づく報告義務を負うことになるとも説明されてるため、暗号資産取引所・ブローカー・仮想通貨ATM提供事業者なども報告義務の対象になると考えられます。

国内法への導入のための解説も記述

暗号資産報告フレームワーク(CARF)には「国内法に置き換え可能なモデルルール」と「行政の実施を支援するための解説」も含まれていると説明されているため、実際に導入が決まれば対象国で早期に新たなルールが適用される可能性があると予想されます。

また、OECDは今後数ヶ月の間にCARFを国内外で適用して、効果的に導入するための実施計画の策定作業を行うとも報告されています。

>>「経済協力開発機構」の公式発表はこちら
>>「暗号資産報告フレームワーク」の概要・詳細はこちら

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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