DAppsとは?注目の分散型アプリケーションをわかりやすく解説

現在、暗号資産やNFTにも使われている、ブロックチェーンを元に作られたDApps(略称:decentralized applications)というアプリケーションが数多く登場しています。

NFTに関連する作品やゲームなどを調べていると、DAppsという言葉をよく目にするのではないでしょうか。

近年、Finance+Technologyが融合した言葉として「Fin Tech(フィンテック)」が広く浸透しています。ブロックチェーン等のテクノロジーを駆使して、GameFi(ゲームファイ)というお金を稼げるゲームやDiFi(ディーファイ)という金融アプリなどのさまざまな仕組みが登場しています。

これらの仕組みには、すべてにブロックチェーン技術が使われており、インターネット以来の大発明だとも言われてきました。

今回は、ブロックチェーンに関連するすべてのサービスに共通しているDAppsという分散型アプリケーションについてわかりやすく解説します。

DAppsとは?

DApps(ダップス)とは日本語で分散型アプリケーションといわれている言葉です。

ブロックチェーンの仕組みを使って開発されたすべてのアプリやサービスがDAppsに該当します。

英語での正式名称は「Decentralized Applications」と表記します。

Decentralizedとは「分散型」という意味で、Applicationsは「アプリ」という意味です。

2つの言葉を略称して、DAppsと表現されています。

DAppsとは、私たちがパソコンやスマートフォンで日常的に使う各種アプリと似ているのが特徴的です。

しかし、多くの個人ユーザーが使う観点から、大手IT企業のような資本力がなくても個人情報のビッグデータを集められる性質も持っています。

これまでに、ブロックチェーンの仕組みによってDEX(分散型暗号資産取引所)、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)などのさまざまなDAppsが開発されてきました。

2022年現在のDAppsの主な利用目的は、DeFi(ディーファイ)という分散型金融などの金融業界での活用がメインです。ファイナンス業界で多く使われている理由は、ブロックチェーンの特徴であるセキュリティ性・サーバーダウンに対する耐久性などが挙げられます。

今後も、DAppsには多くの利用価値が求められており、さまざまなコンテンツに派生していくことが期待されています。

代表的なDAppsとは

1つ目のDApps(分散型アプリ)が関わる主なコンテンツは、DeFi(ディーファイ)です。

DiFiとはDecentralized Financeの略語であり、分散型金融システムを意味する言葉として使われています。

ブロックチェーンの技術が導入されていることから、データ改ざんが極めて困難な特徴や、過去〜現在にいたるすべての取引データを保管できるのが特徴です。

DAppsが関わる2つ目のコンテンツとしては、ブロックチェーンゲームが挙げられます。DAppsが関与する有名なゲームは、GameFi(ゲームファイ)という「お金稼ぎができるゲーム」です。

なお、GameFiとは、Game+Financeの2つの言葉をつなぎ合わせた造語からきています。

有名なGameFiとしては、海外のブロックチェーンゲームであるAlien Worlds(エイリアン・ワールド)や、Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)などが挙げられます。

DAppsが関わる3つ目のコンテンツは、2022年後半に国内の大手銀行がデジタル通貨を実用化するというものです。

Peer to Peer(ピアツーピア)の略語である、P2Pという仕組みを使い、金融取引をする当事者同士を直接つないで、24時間・即時取引を可能にしてくれます。

DAppsのメリット・デメリット

DAppsは、金融業界やゲーム業界、そのほかSNS業界などのさまざまな分野に画期的な革命をもたらしています。

自動的に契約・取引をおこなってくれるスマートコントラクト機能により、銀行などの中央集権型管理や仲介業者に頼る必要がありません。

一方では、今後の需要増加にともない、利用者や決済等の作業量の増えた場合、対応できなくなるスケーラビリティ問題も指摘されている状況です。

DAppsに関する具体的なメリット・デメリットは、以下で説明します。

DAppsのメリット

DAppsとは、セキュリティ性やシステムダウン等の障害に対する耐久性が高いブロックチェーン技術を用いたシステムです。

具体的なDAppsのメリットは、以下でわかりやすく解説します。

DAppsのメリット①:システムダウンに強い

一般的なシステムの場合、開発者が多くの権限を握りながら限られたサーバーで管理します。つまり、運営者サーバーが機能停止するとサービスは使えません。

一箇所ですべてのデータを管理する「中央集権型」なので、ハッカー側からしたら攻撃対象として捉えやすいという特徴が挙げられます。

しかし、ブロックチェーンが利用されているDAppsの場合は、P2P方式でインターネットに参加している多数のパソコン(ノード)が、取引などのすべてのデータを分散管理しているのです。

このことにより、アプリ開発者はデータ管理などの細かなコントロールができません。ビッグデータを入手しても、利用者リストを別企業に販売することができない点や、開発されたコンテンツが運営者の手を離れる点は、ユーザーからしたら安心だといえるでしょう。

また、複数のノードによりサーバー管理されているため、一部でシステムダウンを起こしても、影響がサーバー全体に及ぶことがありません。

このことからも、システムダウンに強いともいえます。

DAppsのメリット②:売買取引履歴などのデータ改ざんに強い

DAppsとは、ブロックチェーンの仕組みが利用された分散型アプリケーションの総称なので、データ改ざんをするには分散されたすべてのデータを書き換えなければいけません。

また、データを監視している運営者も銀行などのように、一箇所に集中している中央集権型ではないため、常に多くの管理者によって監視されているので安心です。

ブロックチェーンが使われているすべての技術は、「データハッキング・データ改ざんが限りなく不可能に近い」ともいわれています。

利用者にとっては、非常に安心感のある大きなメリットです。暗号資産取引やNFT投資によって資産が増えるほどに安心感が高まるため、ユーザーにとって嬉しい要素だといえるでしょう。

DAppsのメリット③:個人情報の管理がしっかりしている

DAppsは分散型アプリケーションなので、一部のサーバーがサイバー攻撃に遭っても、システムダウンにも強いため個人情報が漏えいする心配がありません。

最近でも、国内の大手銀行であるみずほ銀行や、世界的企業のFacebookで個人情報の漏えいが問題になっていました。

しかし、DAppsとは銀行などのような中央集権型のサーバーではないため、個人情報がしっかりと守られているのが特徴です。

また、DAppsの特徴として、サーバー開発者が管理・運営を一元管理していないので、不正に個人データを売買取引されたり、運営元によって不正にコントロールされたりする心配もありません。

今後は、この特性を活かしてSNS業界でも大きく活用されていくことが期待されています。

DAppsのデメリット

DAppsとは、2022年現在でもブロックチェーンゲームや暗号資産を使わない一般の方には、深く知られていないのが現状です。

場合によっては、DAppsという言葉すら認知されていないかもしれません。

しかし上述のとおり、非常に利便性が高く、安全面でも世界中から高く評価されています。DAppsが持つ特性上、一般的に広く知られるようになれば、現在よりもさらに活用される場面が増えていくことでしょう。

一方では、利便性の高さから急激にユーザーが増加することも懸念されています。ユーザーが急増することで、システムがキャパシティオーバーを起こして、強みである素早い決済などができなくなる可能性があるのです。

具体的にはどのようなデメリットがあるのか、以下で詳しく解説します。

DAppsのデメリット①:メンテナンスが難しい

DAppsのデメリットは、強力なセキュリティシステムを管理・運営するのが非常に難しいという点です。

メリット面で、ブロックチェーン技術が使われている関係からセキュリティ面で、非常に安心できるとお伝えしました。しかし、その仕組みは複雑なため、アップデートなどによる更新が開発者でも難しいといわれているのです。

DAppsは、利便性が高くて機能面でもさまざまな特徴を備えていますが、誕生して日の浅いコンテンツでもあります。

今後に向けて、システム面はどんどん改良されていきますが、現時点では容量の重さや、その他一定の問題が発生する危険性を含んでいることも事実です。

DAppsのデメリット②:処理能力が低下する恐れがある

DAppsの利用者が多くなると、データ処理能力や決済スピードであるスケーラビリティ性が低下することが懸念されています。

ブロックチェーンを使ったサービスの1つの強みが、スピーディーな取引なので、決済スピードの低下は特徴・強みの低下にもなりかねません。

また、DAppsを代表する一部のサービスでは利用手数料が発生します。この利用手数料は、利用者の増加に応じて増加するので課題点として認識されている状況です。

DAppsの今後のさらなる実用に向けて、これらの問題点を解決していく必要があるといえるでしょう。

DAppsの今後

ブロックチェーンを使ったサービスである代表的なDApps(分散型アプリケーション)には、以下の4つ分野での成長が期待されています。

< 今後の規模拡大が期待されているDApps >

  • DeFi(ディーファイ):金融関連のアプリケーション
  • 準金融関連のアプリケーション:SNSの要素も備えるコンテンツ
  • 金融以外の分散型アプリケーション:金融関連に付随しないコンテンツ
  • DAO(Decentralized Autonomous Organization):ダオという分散型自立組織

上記は、すべてにブロックチェーンの仕組みが導入されているDAppsサービスであり、今後の市場ニーズにともなう急成長が期待されています。

特に、2021年から知名度を高めてきたNFT関連やメタバース、GameFi(お金を稼げるゲーム)などの台頭により、その注目度は上がり続ける一方です。

金融決済に関する便利な性質や、SNS運営に必要不可欠な透明性の高い仕組みなど、これからの時代に非常に相性がいいので、大きな成長が期待されています。

DAppsの注意点

DAppsの魅力の1つが、銀行・証券会社・保険会社などの機関投資家のような中央管理者がいない点だとお伝えしましたが、反面、「運営者によるサポートがない」のが注意点です。

つまり、サイバー攻撃などに強いDAppsではありますが、耐久性は100%ではないため、万が一資金を失っても保障してくれる機関がないということでもあります。

また、暗号資産やNFTを利用する場合には、ビットコインやイーサリアムなどを管理しておくために、電子財布であるウォレットを用意しなければいけません。暗号資産の管理には、秘密鍵が発行されるのですが、紛失した場合にも再発行することが不可能です。

基本的に自己管理が求められるため、ハッキングリスクよりも、紛失リスクや盗難リスクを心配する必要があります。

DAppsを利用する際には、「自己管理・自己責任」を意識しておきましょう。

DApps(分散型アプリケーション)とは今後のトレンドになるコンテンツ:まとめ

DApps(ダップス)とはDecentralized Applicationsの略称であり、和訳すると分散型アプリケーションと表現されるコンテンツです。

セキュリティ面やシステムダウンに強いとされているブロックチェーン技術を使ったサービスであり、今後の成長に大きな期待が寄せられています。

現在では主に金融業界に使われていることが多く、ビットコインやイーサリアムなどの各種暗号資産や、ブロックチェーンゲーム、NFTなどが広義の意味でのDAppsに該当するコンテンツです。

2022年の後半からは、国内の大手銀行でもデジタル通貨の実用化を目指していると発表されています。また、今後はNFT関連にもますます注目が集まるため、今のうちからDAppsについての知識を深めていきましょう。

参照元:NFT Media

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