2021年仮想通貨関連の盗難や詐欺の総額が4月までに約470億円以上、サイファートレース発表

仮想通貨関連の盗難や詐欺総額が4月までに約470億円以上、サイファートレース発表

仮想通貨やブロックチェーンの情報分析を行うサイファートレース(CipherTrace)がこのほど、仮想通貨の犯罪やアンチマネーロンダリングに関するレポートを公開した。この中で同社は、2021年1月から4月までの仮想通貨の盗難やハッキング、詐欺の合計額が4億3,200万ドル(約473億円)に達したことを明らかにした。

昨年のDeFi関連ハッキング被害額を上回る

今回のレポートでは、2020年末までにDeFi(分散型金融)の担保資産が、イーサリアムの時価総額の4分の1に達し、爆発的な成長を見せていることを確認している。その一方で、DeFi関連の犯罪が増加傾向にあり、2021年の大規模なハッキングや不正行為のうち、70%以上がDeFiに関連していると警告している。

同レポートでは、2020年のDeFiに関するハッキングや詐欺の被害額が1億2900万ドル(約140億円)だったと報告。2021年の1月から4月までの同様の被害額は、昨年の総額を上回る1億5,600万ドル(約170億円)に達していた。

DeFiへの攻撃は、2021年の主要なハッキングと盗難のうちの60%以上、主要な詐欺と不正利用の47%を占めているという。また2021年4月末までに、犯罪者はDeFiから約2億4,000万ドルを得ているという。

高リスクなビットコイのトランザクションは1.2%

今回のレポートの中でサイファートレースは、2020年のビットコインのトランザクションの分析についても言及している。分析によると1.2%のトランザクションが、同社のブロックチェーン分析ツールによって「高リスク」に該当する事業者との間で行われたものだったとしている。

また同様の分析をビットコインの金額ベースで見た時に「高リスク」とみなされたトランザクションは、0.11%だった。そのため、リスクが高いとされるトランザクションは比較的少額だったことが分かる。

2020年12月に金融活動作業部会(FATF)から情報提供を求められたことを受け、
ビットコインの取引については、2020年に仮想通貨サービスプロバイダとリスクの高い事業者間で行われた取引は1.2%、仮想通貨サービスプロバイダ間で行われた取引は6%、仮想通貨サービスプロバイダとプライベートウォレット間の取引が32%、P2Pで行われた取引が61%だったことを明らかにしている。

サイファートレースは、今回のレポートの中で、ビットコインブロックチェーンのIP監視の結果についても触れている。この中で、アメリカの財務省外国資産管理室も規制された国、特にイランで仮想通貨の使用が多いことも明らかにした。450万以上のビットコインアドレスにリンクした、7万2,000以上のイランのIPアドレスを検出したという。

参考
Cryptocurrency Crime and Anti-Money Laundering Report, May 2021

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文:かにたま

参照元:CoinChoice

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