新型コロナウイルスでビットコインの盗難増加か?カスペルスキーのサイバー脅威レポート
ロシアのサイバーセキュリティ会社カスペルスキー(kaspersky)が11月30日、「Cyberthreats to financial organizations in 2021(2021年の金融機関に対するサイバー脅威)」というレポートを発表した。この中で同社は、新型コロナウイルスがサイバー脅威にも影響を与えたことに触れている。
リモートワークにより企業の安定性が低下
今回のレポートでカスペルスキーは、新型コロナウイルスによる急なリモートワークへの対応が、企業の安定性低下につながったという見解を示した。安定性低下を原因として、リモートワーク用のパソコンやシステムの準備不足を挙げている。
リモートワーク用のデバイスを用意していなかた企業は、組織のセキュリティ基準に準拠していないものであっても、とにかく購入する必要があった。また従業員のトレーニング不足などもあり、リモートシステムの脆弱性や安定性低下につながったとカスペルスキーは見ている。
一方でカスペルスキーは、リモートシステムの確立に伴って、サイバー攻撃に対する脆弱性を検証するレッドチームツールが増加していることにも触れている。
ビットコイン(BTC)への影響も
今回のレポートでは、2021年のサイバー脅威に対する予測も行っている。この予測の中でカスペルスキーは、ランサムウェアなどは今年と引き続き脅威になることを示唆した。また新型コロナウイルスによる通貨が急落など経済への影響がある状況で、仮想通貨の中でも最も人気のあるビットコイン(BTC)を盗むことがより魅力的になり、ビットコインをターゲットにした詐欺などが増えると推測している。
また、ビットコインに関するアカウントの監視や押収などが可能なことから、モネロ(Monero)のような匿名性の高い通貨の利用なども2021年の予測に盛り込んでいる
カスペルスキーは、新型コロナウイルス以外にもランサムウェアの脅威についても触れた。コスタリカやチリ、セーシェルなどの銀行が2020年、ランサムウェアによって攻撃された。このようなランサムウェアの攻撃は2021年も続くだろうと言及している。
参考
・Cyberthreats to financial organizations in 2021
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文:かにたま
参照元:CoinChoice