Telegramの独自ブロックチェーン、コミュニティ主導で無料版ローンチ
メッセージ・アプリケーションを提供するテレグラム社(Telegram)は独自ブロックチェーンプラットフォーム「TON(Telegram Open Network)」の開発を進めていますが、開発機関であるTON Labsによると、TONブロックチェーンのコミュニティ主導で、無料版のTONブロックチェーンがローンチされたとのことです。
コミュニティ先導のローンチ
今回の発表はテレグラム社が、アメリカ証券取引委員会(SEC:U.S. Securities and Exchange Commission)との間で、規制に関する論争を繰り広げている中で行われました。テレグラム社としてはアメリカの投資家を除外した形で、2021年4月までにTONブロックチェーンのプラットフォームをローンチする計画でした。
しかし、TONコミュニティーが先導する形で、TONブロックチェーンは無料版としてローンチしました。コミュニティはユーザーとソフトウェア開発者、ネットワークバリデータによって構成され、この無料版ブロックチェーンのトークン「TON」の発行も発表されました。TONトークンはコミュニティー内で、自由に分配することができます。
その結果、今後TONブロックチェーンはコミュニティーによって管理され、テレグラム社はプロジェクトから手を引くことになります。今後は独立した検証者がブロックチェーンのメンテナンスを行います。
無料版TONのWebサイトによると、検証者は分散化宣言文書(DOD:Declaration of Decentralization document)が提示する厳格なルールに従うことが求められます。分散化宣言文書に署名することで、TONトークンを入手できます。
アメリカの投資家は対象外
無料版TONブロックチェーンは、分散化、透明性、自由市場を支持する一方で、アメリカに基盤を置くユーザーや投資家をサービスの対象外にしています。コミュニティーの課題は、テレグラム社がかつて構想したブロックチェーンのプラットフォームを再構築することです。パベル・ドゥロフ(Pavel Durov)氏が率いるテレグラム社は、2018年に行った史上2番目の規模とされるトークンセールによって、17億ドル(約1,870億円)をブロックチェーン・プラットフォームの準備金として調達しています。
しかし、SECはテレグラム社が発行するグラム(Gram)トークンが、セキュリティ(証券)トークンとして登録されておらず、同社がブロックチェーン・プラットフォームをローンチすべきではないと主張しました。このようにSECとのトラブルに発展したため、TONコミュニティーが分散型ネットワークを模索し始めたことにより、今回の無料版のローンチに繋がっています。
一方、プロジェクトから離脱したテレグラム社開発機関であるTON Labsは、PCだけでなく、iOSやAndroidなどのOSを搭載したスマートフォンへもTONブロックチェーンを提供するために、TON OSのオープンソース化を進めているとのことです。ただし、計画については未だ何の発表も行われてはいません。
参考
・Free TON Blockchain launched as Community asks Telegram to “No Longer Be Involved”
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参照元:CoinChoice