コインチェックに上場をしたクオンタム(Qtum)とは?特徴や可能性、リスクを解説
日本では規制の観点から、新しいトークン(アルトコイン)の取引所での上場が約2年間行われてきませんでした。しかしながら2020年に入り、さまざまなコインの新規上場が始まっています。今回のコラムでは3月にコインチェックに新規上場をしたクオンタム(Qtum)について解説します。
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クオンタム(Qtum)とは?特徴や可能性
出典:QTUM
クオンタム(Qtum)はプルーフ・オブ・ステーク(PoS)のコンセンサスメカニズムで稼働するスマートコントラクトを実行できるブロックチェーンです。スマートコントラクトを実行できる汎用性があるブロックチェーンはイーサリアム(Etehreum)が最も主流ですが、クオンタムはそのいくつかの欠点を改善するネットワークとして2017年にメインネットがローンチしました。
イーサリアムとほとんど同様のスマートコントラクトが実行できるようにEVMを実装しています。スマートコントラクトを実行できるブロックチェーンということは同じながら、イイーサリアムとの違いは大きく分けて以下の2点です。
ローンチ時点からPoSで稼働
クオンタムは2017年のローンチ時点から今までPoSで稼働しています。イーサリアムはプルーフ・オブ・ワーク(PoW)でローンチをしてEtehreum 2.0の大規模なアップデートで段階的にPoSへ移行しようとしています。
これはイーサリアムにとって分散性とセキュリティを犠牲にせずPoSを実装するために長い研究開発期間をもたらしましたが、移行プロセスを複雑にしています。クオンタムは最初からPoSのため、この移行プロセスは必要ありません。
アカウントベースでなくUTXO
クオンタムのブロックチェーンは、ビットコインと同様のUTXOベースです。イーサリアムのアカウントベースと比べてスマートコントラクトの実行できるブロックチェーンの形式にあまり使われることはないですが、残高のプライバシーやセキュリティの点では向いている側面があります。特にクオンタムが計画された2017年以前はイーサリアムのアカウントモデルはUTXOと比べて運用実績があまりなく、その過程でクオンタムはより信頼されたUTXOモデルを採用したと推察されます。
クオンタム(Qtum)の投資リスク
クオンタムの投資リスクについて考察します。クオンタムブロックチェーンのネイティブトークンであるクオンタム(Qtum)は、スマートコントラクトを実行する手数料と、ブロックチェーンのブロックを生成するバリデータがステーキングをする際に用いられます。
ステーキング用途はありながらも、最終的にはアプリケーションがどれだけ充実するかが重要で、その要素こそが実需になると言えます。
クオンタムにどのようなアプリケーションが存在するかは下記のサイトから閲覧できます。
これによると現時点で約20以上のアプリケーションが存在しています。しかしながら、それらを個別に概観すると使用率は極めて限定的で、既に稼働していないものも多くあります。また、ブロックチェーンのトランザクション数は少なく、ネットワーク全体の使用は非常に少ないと言えます。
出典:https://explorer.qtum.org/blocks
これらは現時点でクオンタムの実需は少なく、投資の観点では判断が難しいのではないかと思われます。あくまで現段階では 筆者はこのような見解ですが、今後のアプリケーションの増加動向やその具体的シナリオなどを想定できる場合は、投資を検討することもあるでしょう。投資は慎重に各自でデューデリジェンスを実施してリスク管理しましょう。
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参照元:CoinChoice