大暴落などの超高ボラティリティ相場はFXオプションで攻める ストラングル売り戦略
2020-03-18
大暴落などの時期には、ボラティリティが高水準になります。そうなったときに有効な一手になるかもしれないのが今回紹介する「ストラングルの売り戦略」です。実際の仕掛け方と留意点をまとめました。超高ボラティリティとなったときの攻め方2020年3月現在、為替相場はボラティリティが非常に高くなっています。この影響はFXオプションで顕著にでていています。これだけボラティリティが高くなることは滅多にありません。滅多にないのですが、「こういう時期に使えそうな戦略」がありますのでご紹介させていただきます。それは「ストラングルの売り戦略」です。ストラングルの売り戦略は、現在値から離れた権利行使価格の2つのオプションを「売る」ことで成立します。ストラングル戦略で作るポジションコールオプション売りプットオプション売り*いずれも現在値から離れた権利行使価格で仕掛けます。こうすることで、「利益は大きくないものの利益が出しやすい」という形のポジションとなります。ストラングルの売り戦略は、本来それほど大きな利益を出せるものではありません。でも、現在のような高ボラティリティの時期には様相が変わってきます。ストラングル売り戦略 仕掛け方この画像は3月16日朝のFXオプション画面です。クリックすると拡大します。画像時の状況月日:3月16日米ドル円レート 106.45円権利行使日3月25日のプレミアム表権利行使日まであと10日、土日を除けば8日営業日しかないのにプレミアムが高いままです。ここで薄青色部分でストラングル売りを仕掛けるとこうなります。コールオプション売り権利行使価格 108.00円プレミアム 1.04710万通貨で104,700円受取プットオプション売り権利行使価格 104.00円プレミアム 1.03110万通貨で103,100円ポジション作成時のプレミアム受取額104,700円+103,100円=207,800円権利行使日に満額利益確定となる米ドル円値下限104.000円ー上限108.000円の範囲内このポジションの損益分岐点プレミアム合計 1.047+1.031=2.078上限:108.00+2.078=110.078円下限:104.00-2.078=101.922円損益分岐点:下限101.922円-上限110.078円の範囲内平常時はあと8営業日しかないと現在値から2円も離れた権利行使価格のプレミアムは0.1程度しかないものです。それが、1以上あります。0.1が1ですので通常時の10倍です。これは、超高ボラティリティのお蔭です。これをストラングルの売り戦略として2つのポジションで攻めれば、2以上のプレミアムを受け取れます。10万通貨の仕掛けで最初に受け取れる利益が207,800円です。これが満額利益にできる米ドル円水準が104-108円、満額とはいかないものの利益を出せる損益分岐点となる値幅は101.922-110.078円とかなり広くなります。これで、権利行使日までの日数は8営業日です。途中段階でこの値幅を超えても問題はありません。権利行使日の権利行使時間にに米ドル円がこの値幅の中に入ってくれれば利益が確保できるからです。どうでしょうね。私は、かなり分の良い勝負という気がします。留意点:リスクについてただ、意識しておかねばならないのは「リスクはそれなりにある」ということです。そもそもこれだけのプレミアムが提示されているというのは、FXオプション提供側のサクソバンク証券からすれば、そこの値まで動く可能性があるからです「これは絶対いける」・・・なんて思ったら大けがします。損失となった場合の対応策は考えておくべきです。損失となったときに考えられる対応策損きりで終了FXポジションとして保有していく。単純に損きりで終了させるのが、もっともシンプルですっきりします。ただ、場合によっては権利行使日にFXポジションに変換させて保有していくというのも有効な一手です。権利行使日に108円以上に上昇した時のFXポジションコールオプション売り⇒FX売りポジション権利行使日に104円以下に下落した時のFXポジションプットオプション売り⇒FX買いポジションこの辺の仕組みを押さえて、対応策を予め決めておきます。先日、私も高ボラティリティを活用した仕掛けを投下しています。参考記事:新型コロナウイルス相場にFXオプションで挑む このポジションはプットオプション売りですが、この前段階でコールオプションも何本か仕掛けてあります。ポジション全体でみると「ストラングルの売り戦略」という状況になっています。これがどのような結果になるかは、来週の権利行使日以降に記事にまとめる予定です。
参照元:お気楽FX 相場生活入門編