月: 2018年5月

イタリア政局混迷でユーロ/円は120円へ 下げ足を速める展開! ドル/円も続落中! ブログ

イタリア政局混迷でユーロ/円は120円へ 下げ足を速める展開! ドル/円も続落中!

■「セル・イン・メイ」をきっかけに米ドル/円は続落中 みなさん、こんにちは。

 前回コラムでご紹介させていただいたように、「5.23」という「セル・イン・メイ」をきっかけに、下落トレンドに回帰した今週(5月28日~)の米ドル/円は、急激に値を下げる展開。

【参考記事】

●トルコリラ急落をきっかけにリスクオフ! 米ドル/円急反落! ユーロ/円は123円へ…(5月24日、西原宏一)

 米ドル/円は、111.40円の高値から戻しもなく一気に、一時108.11円まで急落。

米ドル/円 日足(出所:Bloomberg)

 米ドル/円の108.00円は反発局面で節目となったレベルであるため、下落時もサポートとなり、いったん下げ止まっています。

 ただ、米ドル/円は米10年債利回りが反落過程にあるため、上値は極めて重い展開。

米長期金利(10年物国債利回り) 日足(出所:Bloomberg)

 4月の米ドル/円の反発は、米10年債利回りが、一時3.00%を超えて上昇したことが要因となっています。

 一方、2月の米ドル/円は、米10年債利回りは急騰したのですが、米国株が反落したことから、米金利の上昇より米国株の下落に連動して急落しました。

 米ドル/円は、米金利の上昇に正の相関を示すというのがマーケットの通説になっています。ただ、それには条件があります。

 株が安定して(上昇せずとも)推移し、マーケットのボラティリティが低いことです。

 見方を変えれば、米金利の下落と株価の下落が重なると、米ドル/円の下落は急激なものとなります。

 つまり、この状態は、典型的なリスクオフ相場を意味します。

 先週(5月21日~)後半からの相場は、イタリアの政局の混乱によるリスクオフ相場=「株安・債券高(利回りは低下)・円高・米ドル高」の環境下であるため、米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の下落は、急激なものとなるのです。

 円高の要因が「イタリアの政局の混乱」であるため、クロス円の下落で、もっとも急激な値動きを示しているのがユーロ/円、ということになります(先週のコラムを参照)。

【参考記事】

●トルコリラ急落をきっかけにリスクオフ! 米ドル/円急反落! ユーロ/円は123円へ…(5月24日、西原宏一)

 先週のコラムでご紹介させていただいた、イタリアの…
5つの政治的リスク噴出でリスクオフに! でも、大きな円高局面は円売りチャンス!? ブログ

5つの政治的リスク噴出でリスクオフに! でも、大きな円高局面は円売りチャンス!?

■政治的なリスク要因が一気に噴出! しばらく、政治環境が安定していたために、金利に注目する相場展開が続いていましたが、ここにきて、一気に政治的なリスク要因が噴出しています。

【参考記事】

●トランプ大統領が米朝首脳会談中止を発表! 金利から政治リスクを意識する相場へ転換(5月25日、今井雅人)

 市場は意表をつかれた形で、かなり、動揺が走っている状況となっています。

米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

 まずは、今、問題になっている政治リスクについて、整理してみたいと思います。

■先の動きが読めない者同士の首脳会談1.米朝首脳会談

 トランプ米大統領が、6月12日(火)に予定されていた米朝首脳会談を取りやめにすることを示唆して、市場に衝撃が走りました。

【参考記事】

●トランプ大統領が米朝首脳会談中止を発表! 金利から政治リスクを意識する相場へ転換(5月25日、今井雅人)

 しかし、その後、北朝鮮の金委員長が首脳会談の開催を希望し、韓国も仲裁に入ったことから、予定どおり開催される見通しが立ってきました。

5月24日(木)、トランプ大統領が米朝首脳会談の中止を通告したことで市場には衝撃が走った。その後、会談が予定どおりに開催される見通しが立ってきたものの… (C) Chip Somodevilla/Getty Images News

 しかし、トランプ米大統領と金委員長の両名とも、先の行動が読めないトップです。無事に開催されるかどうかに、注目が集まります。

【参考記事】

●米朝首脳会談の中止で円高になったわけではない! 円高になった真の理由とは?(5月25日、陳満咲杜)

■予断を許さない欧州の政治不安2.イタリアの政治不安

 イタリアでは、3月の総選挙以来、政治の空白が続いていて、連立交渉が行われてきましたが、それが決裂してしまいました。

 マッタレッラ伊大統領が、5月27日(日)に、ポピュリズム政党の「五つ星運動」と右派の「同盟」両党が推したユーロ懐疑派のエコノミストを経済財政相に起用することを拒否したことで、両党は連立を断念しました。

 これにより、7月にも再選挙が実施される公算が高くなっています。

 今後、どういった展開になるか、予断を許さない状況です。

3.スペインの政治不安

 スペインでは、与党・国民党(PP)の議員に絡む大規模な汚職問題を巡り、ラホイ首相に対する不信任決議案が、6月1日(金)に採決される見通しとなりました。

 スペイン議会は5月28日(月)、5月31日(木)と6月1日(金)に、討論と採決を行う日程で合意しています。

 その採決も、どういう結果になるのか、まだ予断を許さない状況です。

【参考記事】

●政局混迷でユーロ/米ドルは6週連続陰線! サウジ増産示唆で原油急落! 影響は…!?(5月28日、西原宏一&大橋ひろこ)

ユーロ/米ドル 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)

 トランプ米大統領は5月29日(火)、中国に対して…
自民党の若手議員、消費増税凍結・PB目標撤廃など提言 News

自民党の若手議員、消費増税凍結・PB目標撤廃など提言

[東京 31日 ロイター] - 自民党の若手議員が31日、当面の消費増税凍結や基礎的財政収支(プライマリーバランス)目標の撤廃などを柱とする大規模な財政拡張政策を主張した提言をまとめ、西村康稔官房副長官に手渡した。9月の自民党総裁選を控え、主要派閥リーダーが相次いで財政健全化の重要性を唱えるなかで異色の内容。ただ、首相官邸内には今回の提言を歓迎する向きもあるとされ、今後議論を呼びそうだ。

財務省、6月4日にも森友調査報告と処分発表へ=関係筋 News

財務省、6月4日にも森友調査報告と処分発表へ=関係筋

[東京 31日 ロイター] - 複数の関係筋によると、財務省は6月4日にも森友学園関連の文書改ざんに関する調査報告と内部処分を発表する方針だ。当時、理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官の関与を認定し、交渉記録の廃棄や決裁文書改ざんに関わった幹部らの処分も併せて公表する。